ご覧いただきありがとうございます。Apex(エイペックス)です。
私はこれまで簿記・会計の学習を通して日商簿記1級レベルの知識を習得し、現在は大手上場企業の労務・経理部門で実務に携わっています。
「簿記・会計の真の価値と面白さを伝える」という目的のもと、皆さまの学習や理解をしっかりサポートしていきます!
■ 会計の面白さ:真実は「ひとつ」ではない?
アニメ『名探偵コナン』のコナンくんは「真実はいつもひとつ!」と言いますよね。
しかし、実は簿記・会計の世界において「真実(適正な会計数値)は一つではない」というのが大原則なのです。
企業会計原則には「真実性の原則」という考え方があります。
同じ取引であっても、合理的な理由に基づいて採用した会計処理の方法によって、計算される利益や資産の額(=真実の数字)が変わるという性質を持っています。
具体的に、なぜ「複数の真実」が生まれるのか、代表的な例として「減価償却費の計算(定額法 vs 定率法)」をご紹介します。
【例:減価償却費の計算】
固定資産(工場や営業車など)の価値を毎年費用化していく際、どの償却方法を選ぶかによってその年の「利益」が変わります。
1. 定額法:毎年「同じ金額」を費用にする(例:毎年200万円)
2. 定率法:最初の年に「多く」費用化し、年々減らしていく(例:1年目400万円、2年目240万円…)
【真実が分かれる瞬間】
全く同じ1,000万円の設備を購入したA社とB社があるとします。
・A社が「定額法」を選択
・B社が「定率法」を選択
この場合、1年目の営業利益はB社の方が低くなります。
しかし、どちらの会社も会計基準(GAAP)に完全に則っており、双方の利益ともに「適正な真実」として認められるのです。
■ なぜ「真実がひとつではない」ことが許されるのか?
それは、企業ごとに「事業の実態」が異なるからです。
「定率法が実態に合う企業」もあれば、「定額法が適切な企業」もあります。そのため会計基準では、「自社の実態を最も適切に表す方法を合理的に選び、一度選んだら継続して適用しなさい(継続性の原則)」というルールを設けることで、この「複数の真実」の正当性を保っています。
つまり、会計における真実とは「絶対的なひとつの真実」ではなく、「定められたルールと合理的な見積もりに基づいた、相対的な真実」なのです。
コナンくんの決め台詞を借りるなら、会計の世界は「適正な真実は、適用する会計方針の数だけある」と言えます。
非常に奥深くて面白い世界だと思いませんか?
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