密教における伝授の重要性
日本の密教には優れた祈りのシステムが伝わっています。主として十八の印契で構成されている「十八道行法」がそれです。誰でも此れに沿って行法をすれば、きちんと御佛のご加護が受けられるようになっています。特殊な霊能などなくても御佛の世界にアクセスできる素晴らしい法です。 此の法の概要は密教に関する本や雑誌の記事などで紹介されていますが、仮に実践する場合には、必ず伝授をする資格のある大阿闍梨・阿闍梨から、正式に教えを受け、法を継承することが必須です。これがないのに行うと佛教上の罪となります。 近年の情報化の進展で様々なものにアクセスできることから、一部には伝授という一連の教授及び儀式を不要とする意見がありますが、それは間違いです。法を護っている御佛や眷属の守護は、伝授という正式な手続きを経て得られるのです。 伝授を受けない十八道は、例えれば、運転技術があっても免許なく大型トラックを運転するようなもの。本などをみて見様見真似でやっても少しの間、何等か霊的な動きはあるのですが、最終的には、車の例えに戻れば、無免許で事故を起こし交通刑務所行きになるのと同じ結末になります。 具体的には、密教の越法罪が問われるだけでなく、不相応な行為により徳分が大きく消費されて、減少した結果、思いがけない不運等に遭います。身近にもそうした人が何人かいたので、真面目な話です。 密教というのは、人生の荒波を超えるのに便利なものですが、劇薬みたいな面もあり、注意が必要。故に、大阿闍梨・阿闍梨の指導の下で実践することが大事になります。特に十八道のように基本僧侶が実践するものや、特殊な佛様の印・真言に関しては、十分な注意
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