122 元気と健康を維持する、たった一つの「若さの秘訣」
現代の高齢者は“若返っている”? 元気と健康を維持する、たった一つの「若さの秘訣」
昔に比べて今の高齢者がとても若々しいのは、見た目だけでなく、体力検査などの数値においても明らかになっています。その要因の一つとして、NPO法人「老いの工学研究所」理事長を務める筆者は、3世代同居が激減した(1986年の約45%から、2021年は約9%となった)ことが大きいと見ています。
一つには、子や孫と一緒に住んでいて「何でもしてもらえた環境」から、高齢者だけで住むようになることで「何でも自分でしなければならない環境」へと変化し、頭や体を日常的に使うようになったこと。もう一つは、高齢者だけで住んでいると、「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばれたり、年寄り扱いされたりする機会が減って、年を取った実感がなくなり、気持ちが若くいられるということがあるでしょう。
現代の高齢者の“若返り”の理由が、「人の助けを借りずに自分でやるようになったこと」「年寄り扱いされなくなったこと」だとすると、高齢者が若々しくいる秘訣(ひけつ)は、「同世代で集まる」暮らしではないかと思います。世代間交流がダメだというわけではありませんが、若い人との触れ合いは、「頭と体を使わなくなる(何でもやってもらえる)」「年寄り扱いされる(老けた、衰えたと感じやすい)」という点で、デメリットもあるということです。
高齢者が同世代で集まるメリット 高齢者が同世代で集まるメリットは、他にもたくさんあります。 まず、心身の痛みやつらさをシェアすることができます。年を取れば誰でも体のどこかに不調が出てきますし、さまざまな喪失経験で精神的な
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