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平家の失敗から学ぶ

私がお薦めする歴史小説の一番は吉川英治の「新・平家物語」です。全20巻(新潮社)もあるので、完読するのは大変ですが、その価値はあります。平家の盛衰には本当に驚かされる。清盛一代で天下をとって、あっという間に一族が滅亡。平家物語の大きなテーマは「諸行無常」です。すべてのものは続かない、ということ。特にこの時代は皇族・貴族の権力が武士に移っていった時期で、保元の乱、平治の乱でそれが決定的となりました。 武士が天下を取るのはわかったけど、なんですぐに平家は滅亡したの? 後白河上皇や源義経など、他に類を見ない傑物の存在もありますが、いくつか学ぶべき点があります。よく聞くのが「平家にあらずんば人にあらず」という言葉で、おごり高ぶる平氏を象徴している。でも、そもそも言ってない、あるいは全然別の意図だった、とも言われています。それはさておき、平家滅亡の本質的要因をまとめてみましょう。私見ですが、①貴族化した、②次の棟梁が無能だった、そして③慢心した、この3つが大きいと思います。抽象化すると、①強みを喪失した、②リーダーの承継に失敗した、③リスク感度が低かった。例えば「カリスマ起業家が会社を大きくしたけど、その後業績が低迷してついに倒産」、その要因に近いような感じですね。平氏は本来武力を誇っていましたが、清盛の太政大臣就任、天皇外祖父化、荘園経営と、まるで藤原家のように貴族化を進めます。その過程で強みだった武断的性格が損なわれていった。 そして頼みだったカリスマ清盛が病死。清盛の子は、長男の重盛(清盛よりも前に病没)、四男知盛、五男重衡など、武勇に優れた有能な人物が多かった。なのに、よりによっ
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