教養としての現代思想④:構造主義・ポスト構造主義
ソシュール:スイスの言語学者。個人の主観的意識を超えた構造として言語を捉え、自由で主体的に見える人間の言語活動や思考も、そうした構造によって可能になっているとして、構造主義の成立に大きな影響を与えました。
ラング:個人の主観的意識を超えた社会的・文化的制度としての言語体系。
パロール:自由で主体的に見える、個々の具体的な会話。
構造:システムの中の要素が変わっても、そこに変化しないである、普遍的なもの。
構造主義:事象や行為の意味を、主観的な意識を超えた社会的・文化的システムとしての構造に注目することによって解明しようとする思考法。具体的な事象は、社会的・文化的システムの中で他の要素と関係づけられることによって意味を持つとします。
レヴィ=ストロース:文化人類学者。ブラジルの先住民の結婚制度・親族や神話などを調査し、個人の主観的意識を超えたシステムが存在していることを見出し、人間に普遍的な構造(システム)を明らかにしようとしました。また、西洋における科学技術文明の絶対化を批判し、未開の「野生の思考」と西洋の「科学的思考」の間に優劣はないという文化相対主義を主張して、20世紀の思想に大きな影響を与えました。
フーコー:フランスの構造主義の哲学者、『監獄の誕生』。ニーチェからの影響を受け、人間の思考を無意識のうちに支配する知や社会の構造を明らかにすることで、人間の主体的な自由を賛美するヒューマニズムを批判し、さらに従来の権力概念に変更を迫ることで、生のあり方を問い直しました。権力が日常的な人間関係の中で働いて、本来の自由が損なわれる危険性を指摘し、権力を強化する監獄などの装置を作り
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