【ヒーロー番組に教訓あり(2)】
前回に続き、「仮面ライダースーパー1」
から、人としての心構えを教わった話を。
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強敵怪人に敗れたスーパー1こと沖一也、
再戦を期し、寺に籠って修行に励んでは
いるが、負けた惨めさや迷いでイライラ
している。折しも正月のことで、そこへ
彼を慕うハルミ(本作のヒロイン的存在)
が「少しでも正月気分を味わってほしい」
と料理を持ってきてくれるが、「俺には
勝つまで正月はない」と言って、料理の
入った箱を跳ね除け、地面にぶちまけて
しまう。それを見た拳法の師匠に「彼女
の気持ちが分からんのか!」と怒鳴られ、
稽古をつけてほしいと頼んでも、「強く
なることばかりを考えている今のお前に
稽古をつけても無駄だ」と断られる始末。
自分の何がいけないのか分からないまま
一人で修行を続け、ある朝、庭に咲いた
梅の花を優しく手で包み込んだことから
「これだ!」と閃く。そこへ現れた師匠、
「荒々しい戦いの中にあって尚、梅の花
の可憐さを愛おしむ心こそ赤心少林拳の
心だ」と、新しい型を授けてくれるのだ。
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「荒々しい戦いの中にあって尚、梅の花
の可憐さを愛おしむ心」、現代社会には
なかなかそれだけの余裕はないと思うが、
どのような逆境にあっても他者の思いを
受け止めて大切にする、という心掛けに
通じるものがあるだろう。厳しい修行の
中にあっても、心づくしの料理を届けて
くれた相手の気持ちを受け止めることも、
梅の花の可憐さを愛おしむ心と同じこと。
人と人との
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