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教養としてのギリシア神話④:ギリシア悲劇

ギリシア悲劇:ディオニュソスに関する宗教儀式を起源とし、楽観的で合理的に思われるギリシア世界において、過酷な運命に翻弄される人間の悲劇を描き、アテナイのアイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスの三大悲劇詩人によって完成されました。ヨーロッパにおいては古典古代及びルネサンス以降、詩文芸の範例と見なされました。ニーチェの第一作が『音楽の精神からのギリシア悲劇の誕生』(再版以降は『悲劇の誕生』と改題)であるように、ニーチェはここから出発して「永劫回帰」「運命愛」「ルサンチマン(怨恨)」「ニヒリズム(虚無主義)」「超人」「力への意志」などの概念を生み出し、現代思想に多大な影響を及ぼすことになります。 アイスキュロス:マラトンの戦い、サラミスの海戦に参加しており、『ペルシア人』『プロメテウス』『アガメムノン』などで神々や英雄の威厳あふれる意志と行動を歌い、悲劇の形式を確立しました。 ソポクレス:デロス同盟の財務長官(ヘレノタミアス)を務めたり、ペリクレスの同僚の将軍(ストラテゴス)としてサモスに遠征する一方、オイディプス伝説を元に『アンティゴネー』『オイディプス王』他の三部作で悲劇的人間像を完成します。フロイトはこれにヒントを得て、父親に対する無意識的な劣等意識(憎悪)を「オイディプス・コンプレックス」と名づけました。 エウリピデス:ソフィストと自然哲学の影響を受け、伝統的悲劇を合理主義精神によって改革して、神話の世界を日常の世界にまで引き降ろし、悲劇を人間情緒の世界としました。前口上(プロロギア)や劇の最終的な山場で神が登場して解決をもたらす「機械仕掛けの神」(デウス・エクス・マキナ)
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