「長い資料、読む時間がないから要点だけ知りたい」。要約は単に短くすることではなく、あとで判断に使える形に残すことです。文整堂が要約をするときに守っているコツを、実演つきで紹介します。
コツ1:数字と固有名詞は落とさない
要約で一番困るのは、「結局、いつまでに・いくらで・誰が」が抜けることです。感想や背景説明は削れても、日時・金額・担当者・期限は必ず残します。
コツ2:「決まったこと」と「未定のこと」を分ける
会議メモは、決定事項と検討中が混ざって書かれていることが多いです。混ざったまま要約すると、未定のことが決まったように伝わります。要約の段階で分けて書くのが安全です。
コツ3:元の文にないことを足さない
読みやすくしようとして、元にない理由や見通しを足してしまうと、それは要約ではなく創作です。書かれていないことは書かない。これが要約の信頼の線引きです。
実演:会議メモを要約すると
元の文(会議メモ・約350字)
10月28日の企画会議では、来春の新商品の発売時期について話し合った。当初は3月上旬を予定していたが、製造ラインの都合で部品の納入が遅れる見込みとなり、営業部からは「3月下旬では遅い」という意見、製造部からは「品質確認の期間を短縮すべきではない」という意見が出た。価格については、原材料費の上昇を受けて前モデルより500円値上げする案が有力だが、最終決定は役員会の承認待ちである。次回会議は11月10日に行い、発売時期の最終案と、広報スケジュールのたたき台を確認する。広報部は11月5日までにたたき台を作成する。
要約(約120字+要点)
来春の新商品は、部品納入の遅れで発売時期が未定。価格は前モデル比500円値上げ案が有力だが役員会の承認待ち。次回会議は11月10日。
要点:
- 発売時期:未定(3月上旬予定が、部品納入遅れで調整中)
- 価格:+500円の値上げ案が有力、役員会の承認待ち(未定)
- 次回:11月10日会議。広報部が11月5日までに広報スケジュールのたたき台を作成
「決まったこと/未定のこと」が分かれ、数字と固有名詞が残っているのが分かると思います。
補足:要約の長さと、箇条書きの使いどころ
長さの目安は、元の文章の2〜3割です。それより短くすると、判断に必要な前提まで落ちやすくなります。逆に5割を超えるようなら、削るのではなく「文章の種類」を変えたほうがいい場合があります。報告用の文章は要約文+要点箇条書き、自分が読み返すだけのメモなら箇条書きだけ、という使い分けです。
箇条書きは、担当者や期限のように「項目として抜き出すと探しやすい情報」に向いています。本文の流れそのものが大事な文章(経緯の説明など)は、箇条書きにすると因果が切れてしまうので、短い文章の形で残すのが無難です。
量があるときは
資料が数千字、数万字になると、この作業を毎回自分でやるのは負担です。文整堂では、長文や会議メモを「要約文+要点の箇条書き」の形に整理するサービスを出品しています。元文2,000字までのお試し枠もあります。
※この記事の会議メモは、説明のために作成した架空の文章です。