音楽ジャンルの選び方|14ジャンルの特徴と参考アーティスト

音楽ジャンルの選び方|14ジャンルの特徴と参考アーティスト

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コラム
バンドやソロアーティストのプロフィール(BIO)を作成する際、自分たちの音楽をどのようなジャンルで紹介すればよいのか、迷うことはないでしょうか。インディーロック、オルタナティブ・ロック、シューゲイザーなど、よく耳にする名前でも、その違いを明確に説明するのは簡単ではありません。

実際の音楽は、複数のジャンルから影響を受けて制作されることも多く、ひとつの分類に収まるとは限りません。この記事では、ロックやポップスを中心とした14の音楽ジャンルを取り上げ、それぞれの特徴と、参考になる国内外のアーティストを紹介します。

音楽ジャンルを選ぶときの考え方


音楽ジャンルは、初めてそのアーティストを知る人に、どのようなサウンドなのかを想像してもらうための手がかりです。必ずしもひとつに絞る必要はなく、複数のジャンルを組み合わせて説明する場合もあります。

例えば、ギターを中心としたインディーロックを演奏しながら、ポストパンクのリズムやシューゲイザーの音作りを取り入れるバンドもあります。一方、シンセサイザーを使用しているからといって、必ずしもシンセポップに分類されるわけではありません。

ジャンルを選ぶときは、使用している楽器だけでなく、リズム、メロディ、歌唱スタイル、ギターやシンセサイザーの音色、楽曲全体の構成などを考えてみてください。参考アーティストについても、すべての作品が同じジャンルに属するとは限らないため、特定の作品や時期の音楽性に注目すると理解しやすくなります。

1. Indie Rock(インディーロック)


1980年代以降のインディペンデントな音楽シーンを背景に発展してきたロックの総称。ギターを中心としたバンドサウンドが多く見られますが、ガレージロック、ポストパンク、ポップスなど、さまざまな要素を含んでいます。2000年代にはThe StrokesやArctic Monkeysなどの登場によって、ギターを主体としたインディーロックが世界的な広がりを見せました。

参考アーティスト

The Strokes: ニューヨーク出身の5人組。2001年のデビューアルバム『Is This It』は、2000年代のガレージロック・リバイバルを象徴する作品となりました。Albert Hammond Jr.とNick Valensiによる2本のギターの掛け合い、Julian Casablancasの独特なボーカル、無駄を削ぎ落としたリズムが特徴。後のインディーロック・バンドにも大きな影響を与えています。

Arctic Monkeys: イギリス・シェフィールド出身。2006年のデビューアルバム『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』でブレイクし、イギリスの若者文化を描いた歌詞と疾走感のあるギターロックで支持を獲得。『AM』(2013年)ではヒップホップやR&Bからの影響も取り入れ、その後も作品ごとに音楽性を変化させてきました。

ブランデー戦記: 大阪で結成された3ピース・バンド。楽曲「Musica」で広く知られるようになり、オルタナティブ・ロックやグランジ、ポップスの要素を取り入れたサウンドで注目を集めました。荒々しいギターと親しみやすいメロディ、蓮月のボーカルを組み合わせ、現代の日本のギターロック・シーンで存在感を示しています。

リーガルリリー: たかはしほのかを中心とする日本のロック・バンド。繊細な歌声と独特のメロディ、時に激しく歪むギターによって、静けさと轟音が共存するサウンドを生み出しています。『bedtime story』(2020年)などの作品では、日常の感情を描いた歌詞と自由度の高いバンドアレンジが結びつき、独自の表現を築いています。

2. Alternative Rock(オルタナティブ・ロック)


既存のロックの形式にとらわれず、歪んだギターや重厚なバンドサウンド、独自のメロディや楽曲構成を追求する音楽。1980年代のアンダーグラウンド・シーンから発展し、1990年代にはNirvanaやSmashing Pumpkinsなどを通じて広く知られるようになりました。グランジやノイズロックなどとも関係が深く、激しい演奏と繊細なメロディを組み合わせるバンドも多く見られます。

参考アーティスト

Smashing Pumpkins: 1990年代のオルタナティブ・ロックを代表するアメリカのバンド。『Siamese Dream』(1993年)や『Mellon Collie and the Infinite Sadness』(1995年)では、幾重にも重ねた歪んだギターと美しいメロディを組み合わせ、ヘヴィなロックから繊細なバラードまで幅広い楽曲を展開。グランジやシューゲイザーの要素も取り込みながら、独自の壮大なサウンドを築きました。

Yuck: 2009年にロンドンで結成されたインディーロック・バンド。2011年のデビューアルバム『Yuck』では、Dinosaur Jr.やSonic Youthなどを思わせる90年代USオルタナティブ・ロックのサウンドを現代に再提示。ファズの効いたギターとノイズ、親しみやすいメロディを組み合わせた楽曲が評価されました。羊文学の塩塚モエカも、音楽的な影響を受けたバンドとして挙げています。

Age Factory: 奈良で結成されたロック・バンド。清水エイスケの力強いボーカルと重厚なギター、迫力のあるリズムセクションを軸に活動しています。『EVERYNIGHT』(2020年)などの作品を通じて、オルタナティブ・ロックを基盤にしながら音楽性を拡張。国内のライブハウス・シーンで独自の支持を築き、後続の若手バンドにも影響を与えています。

羊文学: 塩塚モエカの歌声とギターを中心に、繊細なメロディと歪んだバンドサウンドを組み合わせる日本のバンド。『POWERS』(2020年)や『our hope』(2022年)では、オルタナティブ・ロックやシューゲイザーからの影響を感じさせる楽曲を展開。Smashing PumpkinsやYuckなどの音楽的なルーツを持ちながら、日本語の歌詞と独自のメロディによって幅広いリスナーを獲得しています。

3. Shoegaze(シューゲイザー)


1980年代末から1990年代初頭のイギリスで発展した音楽。エフェクターを使用したギターの重なり、フィードバック、歪み、深い残響などを特徴とし、メロディやボーカルも厚みのあるサウンドの中に溶け込むように響くことがあります。ギターの轟音だけでなく、柔らかなメロディや繊細な歌声との組み合わせも重要な魅力です。

参考アーティスト

My Bloody Valentine: アイルランド出身のKevin Shieldsを中心とするバンド。『Isn't Anything』(1988年)、『Loveless』(1991年)などによってシューゲイザーのサウンドを決定づけました。ギターの音程が揺らぐ独特の奏法、幾重にも重ねられたノイズ、柔らかなメロディが一体となった音楽は、後のシューゲイザーのみならず、オルタナティブ・ロックやエレクトロニック・ミュージックにも影響を与えています。

Slowdive: 1989年にイギリスで結成。『Souvlaki』(1993年)や『Pygmalion』(1995年)などで、深い残響を持つギター、Neil HalsteadとRachel Goswellの歌声を組み合わせた音楽を展開しました。1990年代に活動を停止した後、2010年代に再結成。『Slowdive』(2017年)や『everything is alive』(2023年)によって、新しい世代のリスナーにもその音楽を届けています。

きのこ帝国(初期): 2012年の『渦になる』、2013年の『eureka』では、フィードバックを伴う轟音ギターと繊細なメロディ、日本語の歌詞を組み合わせ、シューゲイザーやポストロックの影響を独自のバンドサウンドへと発展させました。特に『渦になる』では、ノイズの激しさと佐藤千亜妃の歌声が生むコントラストが際立っています。

Oeil: 東京を拠点に活動しながら、海外のシューゲイザー・シーンでも高い支持を集めるインディーロック・バンド。Wispが自身のInstagram投稿にOeilの「Strawberry Cream」を使用するなど、次世代のアーティストからもリスペクトを集めています。イギリスのカルチャーメディア『Far Out Magazine』が選ぶ「歴代シューゲイザー・アルバム50選」では、『Urban Twilight』が日本勢で唯一ランクインし、43位に選出されました。

4. Dream Pop(ドリームポップ)


柔らかなボーカル、広がりのあるギターやシンセサイザー、浮遊感のある音作りを特徴とするポップミュージック。シューゲイザーと共通する要素もありますが、必ずしも激しいギターノイズを伴うわけではなく、メロディやリズム、空間的なサウンドを重視する作品も多く見られます。

参考アーティスト

Men I Trust: カナダ・ケベック州出身のバンド。Emma Proulxの落ち着いたボーカルと、滑らかなベースライン、柔らかなギターやシンセサイザーを組み合わせたサウンドが特徴。『Show Me How』や『Oncle Jazz』(2019年)などを通じて、インディーポップやドリームポップのリスナーから支持を獲得。ファンクやR&Bの要素を取り入れたリズムも、独自の魅力となっています。

Beach House: Victoria LegrandとAlex Scallyによるアメリカ・ボルチモアのデュオ。『Teen Dream』(2010年)、『Bloom』(2012年)、『Depression Cherry』(2015年)などで、オルガンやシンセサイザー、ギター、低く落ち着いた歌声による幻想的なサウンドを展開。アルバムごとに表現を広げながら、現代のドリームポップを代表する存在となりました。

羊文学: オルタナティブ・ロックを軸としながら、残響を生かしたギターや繊細な歌声によって、ドリームポップにも通じる楽曲を制作しています。『our hope』(2022年)や『12 hugs (like butterflies)』(2023年)では、バンドサウンドの強さだけでなく、メロディや空間を生かしたアレンジも印象的。ひとつのジャンルに限定されない音楽性を持つバンドです。

クレナズム: 福岡で結成された4人組バンド。萌映の柔らかな歌声と、エフェクターを多用したギターサウンド、親しみやすいメロディを組み合わせています。「ヘルシンキの夢」などの楽曲で知られ、シューゲイザーの影響を受けた轟音と、日本語のポップソングとしての聴きやすさを両立。ギターの音作りとメロディの両面から参考になる存在です。

5. Post-Punk(ポストパンク)


1970年代末のパンク以降に発展した音楽。反復するベースライン、鋭いギター、独特のリズムや緊張感を特徴とし、ファンク、ダブ、電子音楽などを取り入れたスタイルも含まれています。2000年代以降のインディーロックにも大きな影響を与え、現在も新しい世代のバンドによって発展を続けています。

参考アーティスト

Joy Division: 1970年代末にイギリス・マンチェスターで活動したバンド。Peter Hookの高音域を生かしたベースライン、Stephen Morrisの機械的なリズム、Ian Curtisの低いボーカルによって独自のサウンドを確立しました。『Unknown Pleasures』(1979年)、『Closer』(1980年)は、ポストパンクやゴシックロック、後のオルタナティブ・ロックにも大きな影響を与えた作品です。

Gang of Four: イギリス・リーズ出身のバンド。『Entertainment!』(1979年)では、鋭く切り込むギターとファンクの影響を受けたリズム、社会的なテーマを扱う歌詞を組み合わせ、ポストパンクの重要なスタイルを確立しました。音数を絞ったギターとベース、ドラムの緊張感ある掛け合いは、後のダンスパンクやインディーロックにも影響を与えています。

Fontaines D.C.: アイルランド・ダブリンで結成されたバンド。『Dogrel』(2019年)でデビューし、Grian Chattenの語りかけるようなボーカルと鋭いギター、都市生活を描く歌詞によって注目されました。『Skinty Fia』(2022年)、『Romance』(2024年)では、ポストパンクを出発点に、ゴシックな音像やオルタナティブ・ロックの要素を取り入れ、音楽性を広げています。

shame: イギリス・サウスロンドン出身のバンド。2018年の『Songs of Praise』で注目を集め、Charlie Steenの切迫感あるボーカルと、鋭いギター、強いリズムによるライブパフォーマンスで評価されました。『Drunk Tank Pink』(2021年)以降は、より複雑なリズムや楽曲構成にも挑戦し、現代のポストパンク・シーンを代表するバンドのひとつとなっています。

6. Indie Pop(インディーポップ)


親しみやすいメロディを中心に、ギターやシンセサイザーなどを用いたポップミュージック。シンプルなバンド編成から、繊細なアレンジを施した作品まで幅広く、歌声や楽曲の雰囲気にもアーティストごとの個性が表れます。ギターポップやドリームポップと共通する音楽性を持つアーティストもいます。

参考アーティスト

Clairo: アメリカのシンガーソングライター。自宅で制作した「Pretty Girl」で注目を集め、アルバム『Immunity』(2019年)を発表。親密な歌声と控えめなアレンジを特徴とし、『Sling』(2021年)や『Charm』(2024年)ではフォーク、ソウル、ジャズなどの要素も取り入れています。宅録から活動を始め、作品ごとに音楽的な表現を広げてきたアーティストです。

Alvvays: カナダ・トロントを拠点とするバンド。『Alvvays』(2014年)の「Archie, Marry Me」で広く知られるようになり、Molly Rankinの歌声と印象的なメロディ、ギターの響きを組み合わせたインディーポップを展開。『Blue Rev』(2022年)では、ノイズを含むギターと複雑なアレンジを取り入れ、ギターポップとシューゲイザーの要素を融合しています。

カネコアヤノ: 日本のシンガーソングライター。日常の感情を独特の言葉遣いで表現する歌詞と、伸びやかな歌声で支持を集めています。『祝祭』(2018年)、『燦々』(2019年)、『よすが』(2021年)などを発表し、弾き語りとバンド編成の両方で活動。フォークやロックの要素を持ちながら、メロディや歌唱表現を通じて独自の音楽を築いてきました。

Laura day romance: 日本のインディーポップ・バンド。ギターポップを出発点に、フォーク、ソウル、オルタナティブ・ロックなどの要素を取り入れた楽曲を制作しています。井上花月の歌声と、鈴木迅によるソングライティングを軸に、作品ごとにアレンジや楽曲構成を発展。『farewell your town』(2020年)以降、国内のインディー・シーンで着実に支持を広げています。

7. Garage Rock(ガレージロック)


シンプルな楽曲構成、勢いのある演奏、荒々しいギターサウンドなどを特徴とするロック。1960年代のガレージバンドを起源のひとつとし、パンクロックやブルースロックとも関係が深いジャンルです。2000年代にはThe White StripesやThe Hivesなどによって再び注目され、現代のギターロックにも影響を与えています。

参考アーティスト

The White Stripes: Jack WhiteとMeg Whiteによるアメリカのロック・デュオ。ギター、ドラム、ボーカルというシンプルな編成で、ブルースやガレージロックを現代的に再構築しました。『White Blood Cells』(2001年)や『Elephant』(2003年)の「Seven Nation Army」などで世界的に知られるようになり、限られた楽器編成から生み出す迫力あるサウンドが特徴です。

The Hives: スウェーデン出身のガレージロック・バンド。『Veni Vidi Vicious』(2000年)や『Tyrannosaurus Hives』(2004年)で注目を集め、鋭いギターリフとスピード感のある演奏、Howlin' Pelle Almqvistの強烈なステージパフォーマンスによって支持を獲得。黒と白の衣装をそろえたビジュアルも含め、ガレージロックのエンターテインメント性を体現する存在です。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT: 1990年代から2000年代初頭にかけて活動した日本のロック・バンド。チバユウスケのしゃがれたボーカル、アベフトシの鋭いギター、骨太なリズムセクションによるサウンドで知られています。『ギヤ・ブルーズ』(1998年)や『カサノバ・スネイク』(2000年)などを発表し、ガレージロックやパンク、ブルースを取り入れた独自のロックンロールを追求しました。

go!go!vanillas: 2013年に活動を開始した日本のロック・バンド。ロックンロールやガレージロック、ブリティッシュ・ロックなどの影響を受けながら、親しみやすいメロディとリズミカルな演奏を組み合わせています。『Magic Number』(2014年)などの作品を通じて支持を広げ、ロックの伝統的な要素を現代のポップミュージックへとつなげています。

8. Punk Rock(パンクロック)


シンプルで力強い演奏、スピード感、直接的な表現を特徴とするロック。1970年代に広まったパンクロックは、メロディを重視するポップパンクから、ハードコアの影響を受けた激しいサウンドまで発展してきました。演奏技術や音楽の形式に縛られず、自分たちの表現を貫く姿勢も重要な要素です。

参考アーティスト

Green Day: アメリカ・カリフォルニア出身のパンクロック・バンド。『Dookie』(1994年)によってポップパンクを世界的に広め、「Basket Case」「When I Come Around」などの楽曲で知られています。『American Idiot』(2004年)では社会的なテーマを扱うコンセプトアルバムに挑戦。キャッチーなメロディとパンクの勢いを組み合わせ、幅広い世代に影響を与えてきました。

Turnstile: アメリカ・ボルチモア出身のハードコア・バンド。初期からパンクやハードコアの激しいサウンドを追求しながら、『GLOW ON』(2021年)ではメロディアスなボーカルやシンセサイザーなども取り入れ、従来のハードコアの枠を広げました。多様な音楽的要素を組み合わせたサウンドと、身体的なエネルギーに満ちたライブパフォーマンスで国際的な支持を集めています。

04 Limited Sazabys: 名古屋で結成された4人組ロック・バンド。GENの高音域のボーカルと、疾走感のある演奏、キャッチーなメロディを特徴としています。『CAVU』(2015年)や『eureka』(2016年)などを発表し、日本のメロディック・パンクやギターロックのシーンで支持を獲得。自主企画フェス「YON FES」の開催など、ライブシーンを牽引する活動も行っています。

ハルカミライ: 東京・八王子で結成されたロック・バンド。橋本学の感情的なボーカルと、ストレートなギターサウンド、日本語の歌詞による熱量の高い楽曲が特徴です。『星屑の歌』(2017年)や『永遠の花』(2019年)などを発表し、ライブハウスを中心に支持を広げてきました。パンクロックの直接的な表現と、日本語のメロディを重視するバンドサウンドを結びつけています。

9. Grunge(グランジ)


1980年代後半から1990年代初頭にかけて、アメリカ・シアトルを中心に広まったオルタナティブ・ロックの一系統。パンクやハードロック、ヘヴィメタルなどの影響を受けた、歪んだギターと重厚なリズムが特徴です。荒々しい演奏の中にメロディを取り入れ、静かな部分と激しい部分の対比を生かした楽曲も多く見られます。

参考アーティスト

Nirvana: Kurt Cobainを中心にアメリカ・ワシントン州で結成されたバンド。『Nevermind』(1991年)の「Smells Like Teen Spirit」によってグランジを世界的なムーブメントへと押し上げました。パンクの激しさとポップなメロディ、静と動を切り替える楽曲構成が特徴。『In Utero』(1993年)では、さらに生々しく荒々しいサウンドを追求しました。

Narrow Head: アメリカ・テキサス州出身のバンド。1990年代のオルタナティブ・ロックやグランジ、シューゲイザーから影響を受け、重厚なギターとメロディアスなボーカルを組み合わせた音楽を展開しています。『Satisfaction』(2016年)や『12th House Rock』(2020年)、『Moments of Clarity』(2023年)などを発表し、現在のヘヴィなオルタナティブ・ロックを代表する存在のひとつとなっています。

ブランデー戦記: 大阪で結成された3ピース・バンド。初期から90年代のオルタナティブ・ロックやグランジを感じさせるギターサウンドを取り入れながら、メロディを重視した楽曲を制作しています。荒々しい演奏とキャッチーなボーカルの組み合わせが特徴で、グランジを現代の日本のギターロックと結びつけた例として参考になります。

CRYAMY: カワノを中心に東京のライブハウス・シーンで活動してきたロック・バンド。感情をむき出しにしたボーカルと激しく歪んだギター、生々しいバンドサウンドを特徴としています。グランジやオルタナティブ・ロックの影響を感じさせながら、日本語の歌詞と切迫感のある演奏によって独自の表現を築き、インディーズ・シーンの若い世代からも支持を集めてきました。

10. Emo(エモ)


1980年代のアメリカのハードコア・パンクから発展した音楽で、感情的な歌唱や個人的な心情を描く歌詞、繊細なギターのフレーズなどを特徴としています。1990年代以降はインディーロックとも結びつき、複雑なリズムを用いるスタイルから、メロディアスなロックまで幅広く展開してきました。

参考アーティスト

American Football: アメリカ・イリノイ州で結成されたバンド。1999年のセルフタイトル・アルバム『American Football』は、後のエモやマスロックに大きな影響を与えました。複雑に絡み合うクリーンギター、変則的なリズム、Mike Kinsellaの繊細なボーカルを特徴とし、再結成後も作品を発表。特に90年代末のエモを語るうえで欠かせない存在です。

Weezer: Rivers Cuomoを中心に1992年に結成されたアメリカのロック・バンド。『Weezer(Blue Album)』(1994年)ではパワーポップとオルタナティブ・ロックを結びつけ、『Pinkerton』(1996年)では、より個人的で感情的な歌詞と荒々しいサウンドを展開しました。エモのバンドとして出発したわけではありませんが、『Pinkerton』は後のエモやインディーロックに大きな影響を与えています。

ANORAK!: 日本のインディーロック・バンド。90年代のエモやインディーロックの影響を受け、メロディアスなギターと複雑なリズム、感情を込めたボーカルを組み合わせた音楽を展開しています。2021年のアルバム『ANORAK!』などを通じて国内外のエモ・シーンで注目され、日本の新世代エモ・リバイバルを語るうえで重要なバンドのひとつです。

KOTORI: 日本の4人組ロック・バンド。横山優也のボーカルと、日本語の歌詞、感情の起伏を感じさせるメロディを特徴としています。『kike』(2017年)や『REVIVAL』(2019年)などの作品を発表し、ライブハウスを中心に支持を獲得。エモやパンク、インディーロックの要素を、日本語のメロディを持つロックとして発展させています。

11. Synth Pop(シンセポップ)


シンセサイザーや電子的なリズムを中心に構成されたポップミュージック。1970年代末から1980年代にかけて発展し、現在ではインディーポップやダンスミュージックとも結びついています。キャッチーなメロディと電子音の質感が特徴で、バンド編成でも制作されるジャンルです。

参考アーティスト

Carly Rae Jepsen: カナダ出身のシンガーソングライター。「Call Me Maybe」の世界的ヒットで知られますが、『E•MO•TION』(2015年)では1980年代のシンセポップから影響を受けた楽曲を展開。シンセサイザーとダンスビート、親しみやすいメロディを組み合わせた作品は、インディーポップのリスナーからも高く評価され、現代のシンセポップを代表する作品のひとつとなりました。

CHVRCHES: スコットランド・グラスゴー出身のエレクトロニック・ポップ・バンド。Lauren Mayberryの明快なボーカルとシンセサイザー、力強い電子ビートを組み合わせたサウンドが特徴です。『The Bones of What You Believe』(2013年)でデビューし、「The Mother We Share」などで国際的に注目されました。インディーポップとエレクトロニック・ミュージックを結びつけた代表的な存在です。

Perfume: あ〜ちゃん、かしゆか、のっちによる日本の3人組ユニット。中田ヤスタカのプロデュースによるエレクトロポップを中心に、電子音とダンスビート、特徴的なボーカル処理を組み合わせた音楽を展開してきました。『GAME』(2008年)や『⊿』(2009年)などによって広く知られ、音楽とダンス、映像演出を一体化した活動でも評価されています。

muque: 福岡を拠点に活動するバンド。シンセサイザーや打ち込みを取り入れた現代的なポップサウンドに、ギターや生演奏の要素を組み合わせています。2024年のアルバム『Dungeon』や、その後のリリースを通じて、ダンスミュージック、オルタナティブ・ロック、ポップスを横断する音楽性を展開。電子音をバンドサウンドに取り入れる例として参考になります。

12. Folk / Indie Folk(フォーク/インディーフォーク)


アコースティックギターをはじめとする生楽器や、歌声、メロディを重視する音楽。伝統的なフォークを基盤としながら、インディーロックやエレクトロニック・ミュージックの要素を取り入れたものもインディーフォークとして扱われます。シンプルな弾き語りから、多層的なアレンジを施した作品まで幅広いスタイルがあります。

参考アーティスト

Bon Iver: Justin Vernonを中心とするアメリカの音楽プロジェクト。2007年の『For Emma, Forever Ago』では、アコースティックギターと繊細な歌声による親密なフォークを展開。その後は『Bon Iver, Bon Iver』(2011年)、『22, A Million』(2016年)などを通じて、電子音や加工したボーカル、実験的なアレンジを取り入れ、現代のインディーフォークの可能性を広げました。

Fleet Foxes: アメリカ・シアトル出身のバンド。豊かなコーラスとアコースティック楽器を中心に、伝統的なフォークや1960年代のポップスなどから影響を受けた音楽を制作しています。『Fleet Foxes』(2008年)や『Helplessness Blues』(2011年)で高い評価を獲得。複数の歌声が重なるハーモニーと、丁寧に構成された楽曲が特徴です。

くるり: 京都で結成されたロック・バンド。岸田繁を中心に、フォークやロック、電子音楽、クラシックなど、さまざまな音楽的要素を取り入れてきました。『図鑑』(2000年)や『TEAM ROCK』(2001年)など、作品ごとに異なるサウンドを追求しながら、日本語のメロディと歌詞を大切にしています。フォークを出発点に音楽性を広げていく例として参考になります。

ハンバート ハンバート: 佐藤良成と佐野遊穂による日本のデュオ。アコースティックギターやバイオリンなどを用い、フォークやカントリー、ブルーグラスなどの影響を取り入れた音楽を制作しています。「おなじ話」などの楽曲で知られ、日常の出来事や人間関係を描く歌詞と、温かみのある歌声が特徴。シンプルな編成から豊かな表現を生み出す存在です。

13. Gothic Rock / Darkwave(ゴシックロック/ダークウェイヴ)


ポストパンクから発展した、陰影のあるメロディや低音を強調したサウンドを特徴とする音楽。ゴシックロックはギターやベースを中心としたバンドサウンド、ダークウェイヴはシンセサイザーやドラムマシンを取り入れた電子的なスタイルを含みます。両者には共通する音楽的要素も多く、現在のポストパンクやエレクトロニック・ミュージックにも影響を与えています。

参考アーティスト

The Cure: Robert Smithを中心とするイギリスのバンド。『Seventeen Seconds』(1980年)、『Faith』(1981年)、『Pornography』(1982年)などでは、陰影のあるギターとベース、独特の歌声による音楽を展開しました。一方で『The Head on the Door』(1985年)や『Disintegration』(1989年)では、ポップなメロディや壮大なアレンジも追求。ゴシックロックだけにとどまらない幅広い音楽性を持つ存在です。

Drab Majesty: Deb Demureを中心とするアメリカ・ロサンゼルスの音楽プロジェクト。『The Demonstration』(2017年)や『Modern Mirror』(2019年)では、1980年代のポストパンクやニューウェイヴ、ドリームポップの要素を組み合わせた音楽を展開。深い残響を持つギター、シンセサイザー、独特のボーカルに加え、白い衣装やメイクを用いたビジュアル表現でも知られています。

Molchat Doma: ベラルーシ・ミンスクで結成されたポストパンク・バンド。『Этажи(Etazhi)』(2018年)などで、低いボーカルと反復するベースライン、シンセサイザー、ドラムマシンを組み合わせた冷たい質感のサウンドを確立しました。「Судно(Sudno)」の世界的な広がりによって注目され、旧ソ連圏のポストパンクを国際的なリスナーへ紹介する存在となりました。

Boy Harsher: Jae MatthewsとAugustus Mullerによるアメリカのエレクトロニック・デュオ。『Yr Body Is Nothing』(2016年)や『Careful』(2019年)では、アナログシンセサイザーとドラムマシン、低く抑えたボーカルを組み合わせたダークウェイヴを展開。EBMやインダストリアルからの影響を感じさせるダンスビートによって、クラブミュージックとポストパンクのリスナーから支持を集めています。

14. Metalcore(メタルコア)


ヘヴィメタルとハードコア・パンクの要素を組み合わせた音楽。重厚なギターリフ、激しいドラム、ブレイクダウンなどを特徴とし、メロディアスなボーカルや電子音を取り入れるスタイルも発展してきました。現代ではオルタナティブ・メタルやエレクトロニック・ミュージックとの境界を越えるバンドも増えています。

参考アーティスト

Bring Me The Horizon: イギリス・シェフィールド出身のバンド。初期はデスコアを中心とした音楽を展開していましたが、『Sempiternal』(2013年)ではメタルコアに電子音や壮大なメロディを取り入れ、音楽性を大きく広げました。『That's the Spirit』(2015年)以降もポップスやエレクトロニック・ミュージックなどを積極的に融合し、ヘヴィなロックの新しい可能性を追求しています。

Bad Omens: アメリカ出身のバンド。2016年のデビューアルバムからメタルコアを基盤とした音楽を展開し、『The Death of Peace of Mind』(2022年)では、ヘヴィなギターと電子音、R&Bの影響を感じさせるボーカル表現を融合。Noah Sebastianの幅広い歌唱スタイルと、緻密に構成されたサウンドによって、従来のメタルコアを越えるリスナー層からも支持を獲得しています。

Crystal Lake: 東京で結成されたメタルコア・バンド。ハードコアやメタルの影響を受けた激しいギターリフ、ブレイクダウン、精密なリズムを特徴としています。『The Sign』(2015年)や『Helix』(2018年)などの作品を発表し、海外ツアーや国際的なフェスティバルにも出演。日本のメタルコアを海外に広めてきた代表的なバンドのひとつです。

coldrain: 名古屋で結成されたロック・バンド。Masatoの英語によるボーカルと、ヘヴィなギター、メロディアスなサビを組み合わせた音楽を展開しています。『The Revelation』(2013年)や『FATELESS』(2017年)などを発表し、海外でのライブ活動も積極的に行ってきました。ポストハードコアやオルタナティブ・メタルの要素を持ち、メタルコアとも共通する音楽性を備えています。

影響を受けたアーティストと音楽ジャンルの関係


自分たちの音楽ジャンルと、影響を受けたアーティストのジャンルが一致するとは限りません。例えば、オルタナティブ・ロックを演奏するバンドでも、ギターサウンドはSmashing Pumpkins、歌詞はクリープハイプ、メロディは藤井風から影響を受けている場合があります。

メンバーそれぞれが異なる音楽的ルーツを持つことも珍しくありません。そのため、ジャンル名を選ぶ際には、好きなアーティストのジャンルだけで判断するのではなく、実際に制作している楽曲の特徴を考えることが大切です。

また、影響を受けたアーティストをそのまま「音楽性が似ているアーティスト」として紹介する必要もありません。演奏、歌詞、メロディ、音作り、活動姿勢など、影響を受ける対象はさまざまです。

最後に


音楽ジャンルは、アーティストの音楽性を紹介するための手がかりであり、その音楽の価値や独自性を決めるものではありません。同じジャンルに分類されるバンドでも、歌声、メロディ、演奏、音作りなどによって、まったく異なる音楽が生まれます。

自分たちの音楽を紹介するときは、まず実際の楽曲を振り返り、どのような特徴があるのかを考えてみてください。ジャンル名は、その特徴を初めて聴く人へ伝えるための、ひとつの入口になります。
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