記憶のなかのお父さん

記憶のなかのお父さん

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コラム
子どもの頃、私はいつも怒られていた。

理由は今となってはもうわからない。

とにかく暗い四畳半の部屋に、いつもひとりぼっちでいた。

ある日、扉があいた。

お父さんだ。

私をそっと連れ出してくれた。

自転車の後ろに乗って、夜の道を走った。

どこに行ったのか……
誰かのお家に行った気がする……

そこでジュースをもらって、
待っていた。

どこでもよかった。

お酒の匂いがしようが、
タバコの煙にのみこまれようが……

暗い部屋にひとりぼっちじゃなければ、どこでもよかった。

帰るとき、こわかったな。

お母さんに怒られるかもしれない。

でも、

お父さんはなにも言わなかった。

普通に家に帰って、ただいまって。

私も、ただいまって。

そのままお風呂に入って、おふとんでねむった。

あれは、何歳のころだったのかな……

今はもういないお父さん……

あのひ、

助けてくれてありがとう。

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