自社サービスの紹介記事や技術解説を外注したのに、上がってきた原稿が浅い。事実は合っているが、うちの強みが書かれていない。修正のやりとりが3往復を超えて、結局こちらで書き直した。
こうなる原因は、書き手の力量よりも渡した資料の不足にあることがほとんどです。BtoBの記事は、外から調べられる情報だけでは書けません。公開情報に載っていないところに、その会社の価値があるからです。
この記事では、外注前に渡しておくと手戻りが消える資料を5つ挙げます。どれも新しく作る必要はなく、社内にあるものです。
1. 営業が実際に使っている資料
提案書、サービス説明資料、価格表。これが一番効きます。
理由は単純で、営業資料には「顧客が実際に気にすること」が反映されているからです。何度も商談を重ねて、質問された順に構成が変わっていく。その順番自体が、読み手の関心の順番です。
書き手はここから、どの機能を先に説明すべきか、どこが競合との分かれ目かを読み取ります。ウェブサイトの製品ページを見るだけでは、この順番は分かりません。
2. 失注した理由のメモ
意外に思われますが、これが記事の質を大きく変えます。
「価格で負けた」「導入までの期間が長いと言われた」「他部署との調整が必要で流れた」。こうした情報があると、書き手は読者が抱く懸念を先回りして潰す構成を組めます。
BtoBの記事を読む人は、買う理由よりも先に「失敗しない理由」を探しています。懸念に触れない記事は、読まれても次に進みません。
3. 既存顧客の業種と規模のリスト
社名は不要です。「製造業・従業員300名前後が多い」「情シスではなく現場部門が導入を決めている」といった傾向だけで十分です。
これが分かると、記事の中で使う例え、想定する予算感、前提としてよい知識のレベルが決まります。同じサービスでも、読み手が情シスか現場かで、書くべき文章はまったく変わります。
4. 社内で使っている用語の一覧
略語、製品の呼び分け、社内だけで通じる言い方。これを渡さないと、書き手は一般的な用語に置き換えて書きます。その結果、社内レビューで「うちはこう呼んでいない」という指摘が大量に出ます。
10語でも20語でも構いません。用語集は、修正回数を最も確実に減らす資料です。
5. 過去に出した記事のうち、良かったもの・悪かったもの
「これは良かった」「これは違った」という判断が2〜3本ずつあれば、書き手は文体と深さの基準を掴めます。
言葉で「もう少し柔らかく」「専門的すぎず」と伝えるより、実物を1本見せるほうが早い。評価の基準は、説明されるより現物で伝わります。
渡す順番にも意味があります
5つ全部を最初に渡す必要はありません。優先順位をつけるなら、1(営業資料)と4(用語集)を先に渡してください。この2つだけで、初稿の精度がはっきり変わります。
2と3は、初稿を読んだあとに「ここが弱い」と感じた箇所を伝えるときに一緒に渡すと効きます。
資料が揃っていない場合
そもそも営業資料が古い、用語が統一されていない、という状態も珍しくありません。その場合は、記事を書く前に「何を書かないか」を決めるほうが早いことがあります。
扱う範囲を1つに絞り、そこだけ深く書く。広く浅い記事を作り直すより、狭く深い記事を1本仕上げるほうが、社内の合意も取りやすいはずです。
記事の制作をお願いしたい場合
資料をお預かりして書く記事を専門にしています。企業・サービス紹介、BtoBの技術解説、業界の解説記事、取材音源やインタビューからの記事化。構成から本文、WordPressへの下書き投入までまとめて対応します。
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