返事が、いつもより短かった。
それだけなのに、何かが変わってしまった気がする。
一方で、条件は悪くないはずの誘いに、どうしても気が進まない。
理由を聞かれても、うまく説明できない。
こういうとき、私たちは迷います。
これは、気づいておいたほうがいい違和感なのか。
それとも、まだ起きていないことを怖がっているだけなのか。
「自分の直感を信じて」と言われても、その直感がどれなのか分からない。
そんなときもあるのではないでしょうか。
■ 感じたことと、起きたことの間に
例えば、相手からの返事が短かったとき。
「返事が短かった」は、実際に起きたこと。
「もう私に興味がないのかもしれない」は、そこから浮かんだ解釈です。
その解釈が間違いだと、今すぐ決めることもできません。
けれど、まだ確かめていないことまで、事実として抱えなくてもよいのです。
忙しかったのかもしれない。
その話題については、伝えることが少なかったのかもしれない。
あるいは、本当に何か変化があったのかもしれない。
分からない部分を、分からないまま残しておく。
それは、自分の感覚を否定することではありません。
感じたことを大切にしながら、結論を急がずにいるという選択です。
■ 「静かに感じたから正しい」とも限らない
直感は静かで、不安は騒がしい。
そんなふうに分けられたら、迷わずに済むでしょう。
でも、ここでは、その分け方だけで答えを決めないでおきたいのです。
落ち着いているから正しい。
怖いから考えすぎ。
そのどちらかに、自分の気持ちを押し込めなくてもよいと思います。
むしろ尋ねたいのは、
「私は、何に反応したのだろう」ということ。
相手の言葉と行動が食い違っていたのか。
以前のつらい経験を思い出したのか。
本当は気が進まないのに、断る理由を探していたのか。
直感か不安かと名前をつける前に、その感覚が生まれた場面を、もう少し見つめてみます。
■ 答えの代わりに、一つ確かめる
気持ちが揺れるときは、紙に短く書いてみませんか。
実際に起きたこと。
そこから自分が想像したこと。
そして、本当はどうしてほしかったのか。
「返事が短かった」
「嫌われた気がした」
「もう少し、話を聞いてほしかった」
ここまで書くと、相手の気持ちを知りたいという願いの奥に、自分が望んでいた関わり方も見えてきます。
そのうえで、次にできることを一つ選びます。
気になった言葉の意味を尋ねる。
曖昧だった約束を確かめる。
気が進まない誘いには、その場で返事をせず、少し時間をもらう。
未来を丸ごと見通せなくても、今、確かめられることはあります。
■ 自分を信じることは、予感を当てることではない
最初に感じたことを、最後まで貫かなければ。
そう思うと、自分の感覚を信じることまで、苦しくなってしまいます。
話してみて、思い違いだったと分かることもある。
時間を置いても、やはり気になることもある。
新しく分かったことに合わせて、考え直してよいのです。
また、不安の理由をすべて説明できなければ、断ってはいけないわけでもありません。
「今は気が進まない」という自分の意思も、選ぶときの大切な材料です。
自分を信じるとは、最初の予感を必ず正解にすることではなく、
感じたことを聞き、現実を確かめ、そのつど選び直すこと。
MANDARINでは、そんなふうに考えてみたいと思います。
あの違和感が何だったのか、今日、名前をつけられなくてもかまいません。
「私は、あのとき寂しかったんだ」
「本当は、少し待ってほしかったんだ」
未来の答えより先に、今の自分について分かることがある。
その気づきから始めても、遅くはないのです。
MANDARIN