有名なAIを1つずつ紹介するシリーズ、四つ目はMicrosoftの「Copilot(コパイロット)」です。会社のパソコンがWindowsという方には、一番身近な存在かもしれません。
・Copilotとは何か
Copilotは、Microsoftが提供する汎用AIアシスタントです。チャット形式で質問への回答、文章作成、画像生成、情報検索などをこなしてくれます。
2019年からMicrosoftはOpenAIと提携しており、数十億ドル規模の投資を続けてきました。2023年2月、検索エンジンBingの刷新として「Bing Chat」が登場し、同年11月に「Microsoft Copilot」へと改称されて、以降Windows・Office各製品のAI機能が順次このブランドに統一されていきました。CopilotはOpenAIのGPTシリーズを基盤にしつつ、Microsoft独自の技術も組み合わせているとされています。この記事の執筆時点(2026年7月)では、OpenAIの最新モデル「GPT-5.6」がMicrosoft 365 Copilotの優先モデルになったと発表される一方、Microsoftが自社開発モデルへの依存も強めているとの報道もあり、両社の関係は変化の途上にあるようです。
・GitHub Copilotとの違い
紛らわしいのですが、プログラミング用の「GitHub Copilot」と、今回紹介する汎用アシスタントの「Microsoft Copilot」は別のサービスです。GitHub Copilotは、VS CodeなどのIDE上でコード補完やコード相談を行う開発者向けツール。一方Microsoft Copilotは、プログラミングに限らない日常的な調べ物や文章作成、Office作業の支援が中心の汎用アシスタントです。プログラミング学習では基本的にGitHub Copilotを、日常のリサーチや資料作成にはこちらのCopilotを、というのが大まかな棲み分けになります。
・使い始め方
「copilot.microsoft.com」にアクセスすれば、サインインなしでも一部機能をすぐに試せます。個人用Microsoftアカウント、Apple ID、Googleアカウントでサインインすると、チャット履歴の保存や画像生成など、利用できる機能が広がります。Windows 11ではタスクバーに標準搭載されており、Edgeブラウザのサイドパネルからも呼び出せます。iOS・Android・macOS向けのアプリも提供されています。
無料版でも高性能なモデルを含む主要機能が使えるのが特徴ですが、有料化すると利用回数の上限が緩和され、より高度な応答が可能になります。
・覚えておきたい主要機能
* 通常のチャット:質問への回答、文章作成・要約、アイデア出しなどをテキストで行います。
* 画像生成(Copilot Imagine):文章の指示から画像を新規作成・編集できます。生成された画像は一定期間保存されます。
* Web検索連携:インターネット上の最新情報を参照しながら回答してくれます。
* Office統合:Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsの中からCopilotを呼び出し、文書の要約や資料作成、メールの下書き、データ分析などを支援してくれます。主に有償のMicrosoft 365 Copilotの機能です。
* Copilot Vision:パソコンの画面やEdgeで見ているページ、スマートフォンのカメラ映像を共有しながら、リアルタイムで質問したり操作のガイドを受けたりできる機能です。
* Copilot Studio:プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップの感覚で自動応答ボットのようなAIエージェントを作成できるツールです(主に企業・組織向け)。
そのほか、複数ページにわたる調査レポートを作る「Deep Research」、音声で対話できる「Copilot Voice」などもあります。
・料金体系
執筆時点でのプラン(月額目安)は以下の通りです。プラン名や金額はたびたび変わっているので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
* 無料版:「copilot.microsoft.com」 やWindows標準搭載で、誰でも利用できます。
* Microsoft 365 Personal:月額2,130円程度(年払いの場合)。ただしこのプラン自体にはCopilot機能は含まれません。
* Microsoft 365 Premium (旧Copilot Pro) :月額3,200円程度(年払いの場合)。個人向けでCopilot機能を使うには、基本的にこのプランが必要です。
* 法人向けMicrosoft 365 Copilot:既存の法人向けプランに追加する形で、1ユーザーあたり月数千円程度が目安です。
無料版にもチャット回数や画像生成回数の上限があり、有料版では緩和されるとされていますが、具体的な回数は情報源によってばらつきがあります。
・日本語対応について
音声機能は50以上の言語に対応するなど、多言語対応をうたっています。ただし日本語での複雑な指示やビジネス文脈でのニュアンス理解については評価が分かれているようで、「思ったような回答が返ってこない」といった声を紹介する記事も見られます。的確な結果を得るには、質問の仕方(プロンプト)を工夫する必要があるとされています。
・強み、得意分野
最大の強みは、Windows・Office(Word/Excel/PowerPoint/Outlook/Teams)とのシームレスな統合です。すでにMicrosoft製品を使っている環境であれば、導入のハードルが低いのが特徴です。無料でも高性能なモデルにアクセスできる点、Web検索と連携した最新情報の取得、画面を共有しながらガイドを受けられるCopilot Visionなど、実務に直結する機能が充実しています。
・初心者向けのちょっとしたコツ
~~GitHub CopilotとMicrosoft Copilotを混同しない~~
前者はコード専用、後者は汎用アシスタントです。
~~プラン名の変遷に注意~~
「Copilot Pro」という名称は「Microsoft 365 Premium」に統合されており、古い記事の情報と現行プランが食い違っていることがあります。
~~Office連携には有償ライセンスが前提になることが多い~~
「無料のCopilotアプリを開いても会社のWord・Excelでは使えない」という誤解が起きやすいポイントです。
~~具体的な指示を心がける~~
曖昧な質問では的確な回答が返りにくいため、目的や条件、欲しい出力形式を明確に伝えるのがコツです。
・まとめ
Copilotは、すでにWindowsやOfficeを日常的に使っている人にとって、導入のハードルがもっとも低いAIだと言えそうです。次回はいよいよ総集編として、ここまで紹介した4つのAIを機能面で比較した表をお届けします。