会社のデータをAIに渡さずに、月3時間のExcel転記を自動化した話

記事
IT・テクノロジー

毎月、同じ転記に3時間かかっていました


以前、会計ソフトから出力した帳票を、別のExcel資料へ毎月転記する仕事がありました。

元の帳票は、印刷して読むには整っています。しかし、集計に使おうとすると、科目が何百行も並び、事業ごとの列も複数あります。そこから必要な数字を拾い、別の科目体系に合わせて並べ替え、予算との差を電卓とコピー&ペーストで確認していました。

作業時間は毎月およそ3時間です。同じ手順を繰り返すため慣れれば速くなりますが、行や列を一つ取り違えるだけで結果が変わります。作業後の確認にも気を使い、「毎月発生するのに、毎月ほぼ同じところから作り直す」状態でした。

データを外部のAIへ渡せないという制約


効率化を考えたとき、生成AIに表を読み込ませる方法も思い浮かびます。ただ、業務データには個人情報や取引情報が含まれることがあります。利用ルールが整っていない環境で、実際のデータを外部サービスへ入力することは避ける必要がありました。

そこで、AIに実データを処理させるのではなく、データを処理する「道具」を作るために使うことにしました。

元帳票と同じ行・列の構造だけを、架空の項目と数値で再現します。そのサンプルを使って変換手順を考え、Excelに標準搭載されているPower Queryで、必要な形へ整える仕組みを組みました。完成後の毎月の処理は、実データを外へ出さず、手元のExcel内で完結します。

科目の違いを吸収する対応表を作る


一番時間をかけたのは、元帳票の科目と、集計先の科目を結び付ける対応表です。

たとえば、意味は近くても表記が少し違う科目や、同じ名称が別の階層に何度も出てくる科目があります。ここを曖昧なまま自動化すると、処理自体は動いても、意図と違う場所へ数字が入る可能性があります。

そのため、対応表のたたき台を作った後、科目ごとに人の目で確認しました。一度整理した対応表は翌月以降も使えます。処理を速くすることだけでなく、どの数字がどこへ入るかを後から確認できる形にしたことが大切でした。

月3時間の転記が、更新と確認の数分に


完成後は、対象ファイルを決めた場所へ保存し、Excelの「すべて更新」を押します。データの整形、科目ごとの集計、実績累計や予算との差の計算までが更新されるため、毎月の作業は結果確認を含めて数分になりました。

また、12か月分を元資料と突き合わせて検算し、転記・集計の不一致は0件でした。これは将来の結果を保証するものではありませんが、手作業で数字を移す工程を減らし、確認すべき場所を絞る効果は実感できました。

単純な転記に使っていた時間を、数字の変化を見る時間へ回せるようになったことも大きな変化です。

毎月のExcel作業でお困りでしたら


この経験をもとに、次のようなご相談に対応しています。

- 毎月、同じExcelへの転記や集計を繰り返している
- システムから出した表が、そのままでは集計しにくい
- マクロを使わず、Excelの標準機能を中心に改善したい
- 実データの取り扱いに配慮しながら、作業を整理したい
- 担当者が変わっても更新しやすい形にしたい

元のファイル形式や、最終的に作りたい表によって適した方法は変わります。すぐに自動化を前提とせず、まず現在の作業手順を伺い、Power Query、関数、対応表などから現実的な方法を考えます。

「この作業も整理できるだろうか」と感じているものがありましたら、見積り相談から作業内容をお知らせください。機密情報や実データを送る前に、どのような情報があれば確認できるかも含めてご案内します。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す