AIが分析するほど、人間の「想像力」が問われる時代になった

AIが分析するほど、人間の「想像力」が問われる時代になった

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ビジネス・マーケティング
Web広告の運用という仕事を続けて7年になる。数字と毎日向き合う仕事だ。最近、AIに分析を任せる機会が増えて、ある気づきがあった。

「AIが分析すればするほど、人間に求められるものは"想像力"になっていく」ということだ。

いつもの月次レポートの準備で、AIにデータを渡して分析を頼んだときのことだ。クライアントに毎月提出している、その月の実績を振り返るためのレポートだ。私は自分の中である程度「原因はここだろう」という仮説を持っていた。長年の経験からくる、いわば勘のようなものだ。

ところが、AIが出してきた分析結果は、私が思っていた要因とは違う場所を指していた。最初は「そうかな?」と半信半疑だったが、指摘された部分を掘り下げてみると、確かにそこに見落としていたヒントがあった。そこから、これまで考えていなかった新しい打ち手のアイデアが生まれた。

長く同じ仕事をしていると、自分の経験則が良くも悪くも「型」になっていく。AIは、その型の外側に目を向けさせてくれる存在なのだと、そのとき初めて実感した。

AIが得意なこと、まだ人間にしかできないこと

それから意識的にAIを使うようになって、少しずつ「ここまではAI、ここからは自分」という境界線が見えてきた。

事実を整理し、傾向を検証するところまでは、AIは驚くほど速く、そして的確にやってくれる。人間が半日かけていた作業が、数分で終わることも珍しくない。

一方で、そこから先——「では、この事実を踏まえてどんな施策を打つか」という部分は、まだ人間の役割が大きいと感じている。AIに施策のアイデアを出してもらったこともあるが、正直なところ、まだ浅いと感じることが多い。事実の分析はできても、「この施策を打ったとき、実際にユーザーがどう感じ、どう動くか」という一歩先の想像が、どうしてもまだ弱いのだ。

データの向こう側には、必ず人間がいる。その人が何を感じ、何にならお金や時間を使いたいと思うか。ここを想像する力は、今のところ人間にしかない領域なのだと思う。

同じ3時間でも、生み出せる深さが変わった

以前は、レポート1本を作るのに3時間ほどかかっていた。その3時間のほとんどは、仮説を立て、それを裏付けるためにデータを集計し、検証する作業に使われていた。

今は、その検証作業をAIに任せられるようになった。同じ3時間という時間の中で、浮いた分をどんどん深掘りの分析に使えるようになったのだ。一つの仮説で終わらせず、いくつもの角度から検証し、その先にある改善案や施策まで考える時間に変わった。

かかる時間は変わらないのに、そこから生み出されるアウトプットの質は、以前とは比べものにならないくらい変わった。改善提案の幅も、以前よりずっと広がった実感がある。

想像力を、自分の手に取り戻す

この気づきは、おそらく広告運用という仕事に限った話ではないと思う。数字やデータを扱うすべての仕事で、同じことが起きているはずだ。

AIは、事実を教えてくれる。けれど、その事実の先にある「人はどう動くのか」を想像し、そこに向けて何を仕掛けるかを決めるのは、まだ人間の仕事だ。

AI時代に必要な力を一言で表すなら、私は「数字の先にある人の気持ちを、リアルに想像する力」だと思う。

AIをどう使うかを考える時間より、AIが空けてくれた時間で何を想像するか。そこにこそ、これからの仕事の価値が移っていく気がしている。
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