MOディスクにQuarkXPress!2000年代前半のDTP現場を振り返る

MOディスクにQuarkXPress!2000年代前半のDTP現場を振り返る

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デザイン・イラスト
こんにちは!「ちょこプリント」です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は少し趣向を変えて、私が印刷会社で働いていた2000年代前半のDTP(デスクトップ・パブリッシング)現場の懐かしいお話をしたいと思います。

現在の「ちょこプリント」では、最新のパソコンとクラウド環境で快適にデザイン作業を行っていますが、今から20年以上前の印刷現場は、今とは全く違う景色が広がっていました。
昔からデザインや印刷に関わっている方には「あるある!」と頷いていただける、少しマニアックで懐かしいお話にお付き合いください。

2003年頃、私のDTP現場の環境(うろ覚えですが…)

当時の私が使っていたMacはスケルトンボディのPower Mac G3、OS 9環境でした。仕事での必須ソフトといえば、この3つでした。

QuarkXPress(クォークエクスプレス) バージョン3.3
当時のページ物レイアウトの絶対的王者です!現在はAdobeのInDesignが主流ですが、当時は「DTP=Quark」という時代でした。独特の操作感があり、ショートカットキーを指が覚えるまで叩き込んだものです。

Adobe Illustrator バージョン8.0
当時は「イラレ8(ハチ)」が伝説的な安定感を誇っており、新しいバージョンが出ても「印刷事故が怖いから入稿はバージョン8で!」と指定されることが多かったです。

Adobe Photoshop バージョン6.0
画像の切り抜きや色調補正で大活躍。当時はパソコンのメモリも少なかったので、重い画像を開くとコーヒーを淹れに行けるくらい時間がかかることもありました。写真の切り抜きも一発でできるようになった現在は、当時のことを思うと夢のような進歩ですね。

フォント事情:CIDフォント全盛期とOpenTypeの夜明け

2003年頃は、現在当たり前のように使われている「OpenTypeフォント」がちょうど出始めた時期です。

しかし当時の印刷現場では、「OpenType?まだ印刷機のRIP(出力機)が対応していないからエラーになる!絶対に使わないで!」というのが常識でした。
現場の絶対的な標準は、モリサワなどの「CIDフォント」。文字詰めを美しく見せるために、高価なフォントパッケージをMacごとにインストールして、出力環境と厳密に合わせる必要がありました。今のように「Adobe Fontsで数千種類のフォントが使い放題」なんて、当時は夢のような話です。

涙なしでは語れない?当時の印刷会社「あるある」

当時の環境ならではの、胃が痛くなるような「あるある」もたくさんありました。

突然の「爆弾マーク」に絶望
当時のMac OS 9は、機嫌が悪くなると画面の中央に「爆弾マーク」のエラーダイアログが出て、マウスもキーボードも一切動かなくなる(フリーズする)ことが多々ありました。「息をするように Command + S(上書き保存)を押す」という癖は、この時代に培われたものです。

データ入稿は「MO(エムオー)」ディスク
今のような大容量のデータ送信サービスはまだ普及しておらず、データのやり取りは「MOディスク」が主流でした。容量は230MBや640MB。業者のバイク便でMOが届くのを待つような、今思えばアナログな時間が流れていました。
時には急ぎで自分が直接配達に行くこともあり、「地下鉄に乗ってお客さんにデータを届けていたのが、お前がバイクで届けてくれるようになって、時間が半分で済むようになった!」と上司に褒めてもらったのも懐かしい思い出です。

「リンク画像がありません」の恐怖
IllustratorやQuarkのデータを開いた時、配置したはずの画像データが同じフォルダに入っていないとエラーに。画像のリンク切れや、フォントのアウトライン化忘れは、入稿時の2大トラブルでした。

現在のDTP環境への感謝

こうして振り返ると、今のDTP環境は本当に魔法のように便利になりました。

QuarkXPressからInDesignへと移行し、Illustratorはアートボード機能で複数ページの作成が簡単に。ファイルの受け渡しはクラウドで一瞬。そして何より「PDF入稿」が標準になったことで、フォントの置き換わりやリンク切れの心配がほぼ無くなりました。ソフトも買い切り型の高価なパッケージから、サブスクリプション(月額制)になり、常に最新の機能が使えます。
とはいえ、毎月の固定費としてずっと課金が続くのは痛手でもあり、「昔のような買い切り型の方がよかったな」と懐かしく思ってしまうことも少なからずありますが…。

写植からDTP、そしてAIの時代へ

今の若い世代のデザイナーさんからすると、信じられないほど手間のかかる環境かもしれませんが、当時はこれが最先端でした。
思い返せば、90年代後半から「写植」の職人さんたちが徐々に少なくなり、当時まだ若かった私たちDTPオペレーターへと仕事が大きくシフトしていく時代の転換期を、私は現場で身をもって体験しました。

そして現在、デザインの世界にもAIが急速に普及してきています。かつての職人さんたちの仕事がDTPに置き換わったように、「AIに仕事を取って代わられるのでは」という声も耳にしますし、私自身その凄まじい進化に驚かされる毎日です。

しかし、だからこそ今やるべきことは、進化し続けるAIをただ恐れるのではなく、常に学び、AIを「強力なツール」として使いこなすことだと思っています。AIの力で効率化を図りながら、お客様へより良いサービスをご提供していく。それが新しい時代の働き方だと信じています。

当時の「エラーを出さないための厳密なデータ作りの知識」や「印刷の仕組みの根本的な理解」は、現在の「ちょこプリント」でのデータ作成にも深く活きています。

便利になった最新の技術に感謝しつつ、昔ながらの確かな知識と経験で、これからも皆様に安心・安全な印刷データをお届けしてまいります!


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