自転車

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小説
自転車が恋しい

自転車通勤や通学の光景を目にすると、ふと自転車に乗りたくなる。

昔、放置自転車を八千円で購入したことがある。
放置されていたとは思えないほどきれいで、何色とも言いがたい不思議な
カラー。

ビンテージ風の革張りのようなサドルが特にお気に入りだった。
どこの駐輪場でも、あの自転車はよく映えていたと思う。

ある日、忽然と姿を消した。

そして突然、制服姿の見知らぬ人が家を訪ねてきた。
二週間ぶりの再会だった。

その後、生活の中心は車になった。
蔑ろにしたせいか、また行方不明になった。

数年後、恐れていた言葉を耳にした。

もう、あの自転車はきっと姿を変えているのだろう。
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