外壁塗装の見積を2〜3社から取ると、「シリコン」「フッ素」「無機」と塗料の名前がばらばらで、単価もかなり違う。そんな状態で「結局どれがいいんですか?」と聞かれることが、改修工事の仕事をしているとよくあります。
私の答えはいつも同じで、「家の状態と、あと何年住むか次第です」。今回は、塗料のグレードごとの違いと、見積書を見るときに押さえておきたい点を整理します。
■① グレードは「耐用年数」と「単価」のバランスで考える
一般的に、グレードが上がるほど耐用年数は長く、㎡あたりの単価は高くなります。おおまかな目安は次のとおりです。
・シリコン:耐用年数10〜15年程度/㎡単価2,500〜3,500円前後
・フッ素:15〜20年程度/3,500〜5,000円前後
・無機:20年以上をうたう製品も/4,500〜5,500円前後
地域や製品、下地の状態で変わるため、あくまで目安です。この範囲から外れているから即NG、というわけではありません。
■② 「1回の金額」ではなく「1年あたり」で比べる
無機やフッ素は初期費用が高めですが、塗り替えの回数が減れば、そのたびにかかる足場代や養生費も減ります。たとえば今後30年住むつもりなら、シリコンで2〜3回塗るのか、高グレードで1〜2回に抑えるのかで総額が変わってきます。反対に、10年以内に住み替える予定なら、高グレードの長持ちを活かしきれないこともあります。
■③ メーカー名・商品名まで書かれているか
「シリコン塗装 一式」のように、塗料の種類だけが書かれた見積は確認が必要です。同じシリコンでも、商品によって性能や価格帯に差があります。メーカー名と商品名がわかれば、カタログで耐用年数や仕様を自分でも確かめられます。
■④ 下塗り材と塗り回数を確認する
上塗りのグレードに目が行きがちですが、下塗り材が外壁材に合っていないと、高い塗料でも早く傷むことがあります。基本は「下塗り+中塗り+上塗り」の3回塗り。それぞれの材料名と回数が書かれているかを見てください。
■⑤ 付帯部や屋根の塗料が別グレードになっていないか
外壁はフッ素なのに、雨どい・破風・軒天などの付帯部はシリコン、という見積もあります。それ自体が悪いわけではありませんが、付帯部だけ先に色あせると、結局そこだけ手を入れることになりがちです。部位ごとに何の塗料を使うのか、一覧で確認しておくと安心です。
■⑥ 「高いグレード=正解」とは限らない
無機やフッ素は塗膜が硬めの製品が多く、動きやひび割れが出やすい下地には向かない場合もあります。外壁材の種類や劣化の具合によって、合う塗料は変わります。「なぜこの塗料を勧めるのか」を業者に聞いてみて、理由をきちんと説明してくれるかどうかも判断材料にしてください。
■まとめ
塗料選びで大切なのは、グレードの高さよりも「家の状態と住む年数に合っているか」です。見積を比べるときは、商品名、下塗り材と塗り回数、部位ごとの塗料、1年あたりのコスト。この4つを意識するだけで、ずいぶん比べやすくなります。
■塗料選びや単価で迷っている方へ
ココナラで、現役の施工管理が外壁塗装の見積書をチェックする「見積診断」を出品しています。お手元の見積書(写真でもOK)を拝見し、塗料のグレードや単価が目安の範囲か、業者に確認しておきたい点はどこかを整理してお伝えします。
▼外壁塗装の見積診断はこちら