こんにちは!城間勝行です。
土の香りが漂う陶芸家のろくろと、街の明かりを灯す電気技師の図面。一見すると交わるはずのない二つの仕事道具ですが、私は日々のシステム開発という仕事と向き合うとき、いつもこの柔らかく形を変える土と、厳格な論理を積み上げる図面の二つを心の中に思い描いています。
新卒で入社した大手企業での約八年間、私が携わっていたのは、まさにあの電気技師の図面を完璧に形にしていくような実直な開発スタイルでした。数千人規模の人々が毎日利用する業務基幹システムや、企業の活動を根底から支えるアプリケーション。そこでは、配線のわずかな誤りも許されない厳しい規則に従うように、要件定義から設計、実装、テスト、そして保守運用にいたるまで、一歩ずつの工程を誠実かつ丁寧に積み重ねていくことが求められます。誰もが安心して利用できる頑丈な仕組みをルール通りに作り上げる。その中で培った確実な技術と上流工程の深い知識は、今でも私のエンジニアとしての誇りであり、すべての基礎となっています。
一方で、独立してフリーランスとなり、スタートアップの企業とチームを組んでプロダクトを動かすようになってからは、私の前に広がる景色はろくろを回して器の形を探る陶芸家の作業へと変わりました。そこには、あらかじめ決められた正解の形も、完成までを指示するマニュアルもありません。まだ要件が固まりきっていない混沌とした土のような状況の下、今どんな機能やサービスを作れば利用者の心が温まるのかを、少人数のチームでスピード感を持って探り当てていく必要があります。仮説と検証を何度も繰り返し、手の中で感触を確かめるように柔軟にプロダクトの設計を書き換えていく。その予測不能な変化の連続が、エンジニアとしての私の創造力を激しく刺激するのです。
図面を読み解くような緻密な計算と誠実さを持っているからこそ、私はろくろを操るような自由で挑戦的な現場であっても、決して軸をぶらさずに安定したシステムを構築することができます。単に依頼されたコードを書くだけの作業者ではなく、ビジネスとしての成功を見据えた改善案を自ら提案できる存在でありたい。そう願いながら、今日も心地よいスピードで新しいコードを紡いでいます。
整然としたルールが生み出す安心感と、何が起こるか分からない変化へのワクワク感。その二つが交差する場所にこそ、人の心を動かす素晴らしいサービスが誕生します。確固たる知恵を胸に抱きながら、新しい器を作り上げるように、今日も一歩ずつ確実な足取りで開発の冒険を続けていきます。