ChatGPTで仕事はかなり楽になります。
でも、全部が「自動化」になるわけではないんですよね。
ここ、けっこう大事です。
ChatGPTに聞けば一瞬で答えが返ってくる作業と、GASやPythonで仕組みにした方がいい作業は、似ているようで全然違います。
私は30代の会社員SEとして、普段はExcel、Googleスプレッドシート、GAS、Python、Webアプリ系の自動化相談を受けています。
その中でよく感じるのが、
「これ、ChatGPTで十分です」
という作業もあれば、
「これは毎回人がやると崩れるので、仕組みにした方がいいです」
という作業もあることです。
はい。
全部作ればいいわけじゃないんですよね。
むしろ、作らなくていいものまで作ると、費用も時間も増えます。
それであとから「思ったより高いですね」となります。
こちらも「ですよねぇ……」となります。
だから今回は、見積相談の前に考えておくとかなり楽になる、
ChatGPTで済む作業
GASで仕組みにする作業
Pythonで処理する作業
Excelのまま残した方がいい作業
このあたりを、現場目線で整理してみます。
作れば楽になる、という危ない思い込み
まず最初に言いたいのは、
「自動化したいです」
という相談の中には、まだシステム化しなくていいものもあるということです。
たとえば、
メール文を整えたい
文章をわかりやすくしたい
作業手順を整理したい
Excel関数の考え方を聞きたい
データの見方を相談したい
チェックリストを作りたい
こういうものは、ChatGPTで十分なことが多いです。
もちろん、内容によっては精度確認が必要です。
でも、毎回同じ形式で処理し続けるわけではなく、「その場で考える」「その場で整理する」作業なら、ChatGPTに聞いた方が早いです。
ただし、ここで勘違いしやすいのが、
ChatGPTで答えが出た
だから業務が自動化された
ではないということです。
ChatGPTは相談相手としては強いです。
でも、毎月決まった日にCSVを読み込んで、必要な列を整えて、担当者ごとに分けて、メール下書きまで作る。
こういう「流れ」を毎回安定して回すなら、ChatGPTに聞くだけでは足りないことが多いです。
その場合は、GASやPython、場合によってはWebアプリにした方がいいです。
つまり、
考える作業はChatGPT
繰り返す作業は仕組み化
この分け方がかなり大事です。
ChatGPTに聞くだけで終わる作業
ChatGPTで済ませやすいのは、「毎回少しずつ内容が変わるけど、人が判断すれば終わる作業」です。
たとえば、こういうものです。
提案文の下書き
メール返信の文面
お客様への説明文
見積内容の整理
Excel関数の相談
エラー文の意味確認
作業手順の洗い出し
業務フローのたたき台
マニュアル文章の作成
このあたりは、わざわざ専用ツールを作らなくてもいいことが多いです。
私自身も、ココナラのお客様に説明文を作るときや、要件を整理するとき、まず文章として分解することがあります。
たとえば、
「献立に使った材料を合算して、請求書に反映したい」
という相談があった場合。
いきなりコードを書く前に、
どのシートに献立があるのか
材料名は表記ゆれがあるのか
業者ごとに分けるのか
税率や合計欄は元のフォーマットを残すのか
請求書側には何を反映するのか
こういう整理が必要になります。
ここはChatGPTに聞いてもいい領域です。
「この要望を仕様に整理して」
「お客様向けの確認文にして」
「作業範囲を箇条書きにして」
このくらいなら、ChatGPTでかなり助かります。
ただ、その後に毎月その献立表を読み込んで、材料を合算して、請求書に反映するなら話は別です。
そこから先は、仕組み化した方がいいです。
人が毎回コピペするなら、どこかでミスります。
人間なので。
私もやります。
普通にやります。
終わってる。
人が変わると崩れる作業
仕組みにした方がいい作業には、だいたい共通点があります。
それは、
毎回同じことをする
作業頻度が高い
データ量が多い
転記ミスが痛い
担当者が変わるとやり方が分からない
確認箇所が多い
出力形式が毎回決まっている
こういう作業です。
たとえば、月末の集計。
CSVをダウンロードして、不要な列を消して、商品ごとにまとめて、担当者別に分けて、Excelに貼って、グラフを作って、報告用に整える。
これを毎月やっているなら、ChatGPTに毎回聞くより、Pythonで処理した方がいいことが多いです。
また、Googleスプレッドシートで管理している内容をもとに、Gmailで通知したり、DriveにPDFを保存したり、Trelloにカードを作ったりする場合。
これはGASが向きやすいです。
私が扱った工程管理表の相談でも、工程ややることリストの内容を整理して、Trelloカードや業者向けメール下書きに使える形にするという内容がありました。
こういうものは、単に文章を作るだけではなく、
どの現場の情報か
どの工程か
期限はいつか
担当者は誰か
業者向けに何を伝えるか
Trelloに何を送るか
メール下書きに何を入れるか
という情報の流れがあります。
ここまで来ると、ChatGPTだけで毎回頑張るより、GASやWebアプリで流れを作った方が安定します。
とくに担当者が変わる業務は危ないです。
「前任者しか分からないExcel」
「なぜかこのセルだけ触ってはいけない表」
「毎月この順番でやらないと壊れる作業」
ありますよね。
あれ、現場にいると本当に出てきます。
そして、だいたい忙しい日に限って壊れます。
クッッッソ、今じゃない。
そういう作業こそ、仕組みにする価値があります。
GASでつなげる日々の事務作業
GASは、GoogleスプレッドシートやGmail、Google Driveを使っている会社にはかなり相性がいいです。
特に向いているのは、日々の事務作業です。
スプレッドシートの内容をメール通知する
フォーム回答を自動で整理する
期限が近いものを担当者に知らせる
DriveにPDFを保存する
Gmailの下書きを作る
Trelloや外部サービスと連携する
定期的に集計シートを更新する
こういう作業ですね。
ざっくり言えば、Googleスプレッドシートを中心にした小さな社内自動化に強いです。
たとえば、
スプレッドシートに入力された案件一覧から、期限が近いものだけメールする
注文一覧から担当者ごとに通知する
管理表の内容をもとにPDFを作る
Driveに保存したファイルのURLを一覧化する
こういう作業は、GASで作るとかなり現実的です。
費用感も、いきなり大きなWebシステムを作るより抑えやすいことが多いです。
もちろん、何でもGASでいけるわけではありません。
大量データ処理や重い処理、複雑な画面、外部APIの制限が強いものは、GASだけだと厳しいこともあります。
なので、毎日少量のデータを扱うならGAS。
大量ファイルや長時間処理が必要ならPython。
この分け方がわりと現実的です。
Pythonでまとめて処理する大量データ
Pythonが強いのは、大量データ処理です。
特に、
CSVが多い
Excelファイルが多い
毎月同じ集計をする
複数店舗のデータをまとめたい
広告レポートを分析したい
画像付きのExcelを出したい
ブラウザ操作を自動化したい
このあたりはPythonが向いています。
私の作業でも、楽天RMSの広告データ、売上データ、アクセスデータなどを集計して、ダッシュボード化する相談がありました。
3年分、複数店舗分のデータを扱うと、データベースが数GBになることもあります。
はい。
普通に重いです。
4GB近いDBを触っていると、ちょっとした設計ミスで表示が遅くなります。
数字で見るとそれっぽいですけど、実際は「なぜ昨日の自分はこの持ち方にした?」と自分を責める時間も発生します。
終わってます。
でも、こういう大量データは、ChatGPTに毎回投げて処理するより、Pythonで処理ルールを作った方が安定します。
たとえば、
指定フォルダのCSVを全部読み込む
必要な列だけ抽出する
店舗ごとに分ける
月別に集計する
前年比や前月比を出す
Excelに整形して出力する
必要なら画像やグラフも入れる
ここまで自動でできると、毎月の作業がかなり変わります。
ChatGPTは「どう処理すればいいか」を考える相棒にはなります。
でも、「毎月同じ処理をミスなく回す担当者」にするなら、Pythonで仕組みにした方がいいです。
Excelのまま残した方がいい仕事
ここも大事です。
全部をWebアプリにする必要はありません。
むしろ、Excelのまま残した方がいい仕事もあります。
たとえば、
既存の請求書フォーマットが決まっている
社内で長年使っている管理表がある
お客様に渡す帳票の見た目が重要
印刷レイアウトが細かく決まっている
現場担当者がExcelに慣れている
こういう場合は、無理にWebアプリ化しない方がいいこともあります。
以前、献立データから材料を合算して、請求書に自動反映するような相談がありました。
このときも大事なのは、「新しいシステムに全部作り直すこと」ではありませんでした。
元のExcelの形をできるだけ活かすこと。
合計欄や税率合計など、元々あった見た目や計算を壊さないこと。
お客様が今まで通り確認できること。
ここが重要でした。
実際、Excel案件では「動くこと」だけでは足りません。
見た目の罫線
印刷範囲
既存の計算欄
セルの配置
色の意味
お客様が慣れている操作感
ここまで含めて仕事です。
「自動化しました。でも見た目が変わりました」
これ、現場ではけっこう困ります。
特に請求書や帳票系は、レイアウトが変わるだけで確認しづらくなることがあります。
だから、Excelのまま残す判断も普通にありです。
Excelを活かしつつ、面倒な部分だけ自動化する。
この形が一番ちょうどいいことも多いです。
Webアプリにした方がいい仕事
逆に、Webアプリにした方がいいケースもあります。
それは、複数人で使う場合です。
たとえば、
現場ごとの情報を管理する
写真をアップロードする
スマホから確認する
入力画面を分かりやすくしたい
権限を分けたい
印刷やPDF出力もしたい
複数のマスタを扱いたい
業者情報や担当者情報を管理したい
こういうものは、Excelだけだとだんだん苦しくなります。
私が扱った写真管理系の相談では、写真枠に画像を入れて、Dropboxに保存して、PDF出力するような仕組みがありました。
これをExcelだけで無理やりやると、スマホ操作や画像管理、保存先、PDF出力でだんだんつらくなります。
また、工程管理表のように、工程、業者、仕様書、やることリスト、Trello連携、印刷まで絡むと、単なる表ではなく業務画面に近くなります。
ここまで来ると、Webアプリ化を考えた方がいいです。
ただし、最初から全部作るのはおすすめしません。
なぜなら、作る範囲が広がりすぎるからです。
ログイン
一覧画面
詳細画面
登録画面
マスタ管理
印刷
PDF
スマホ対応
権限
通知
外部連携
全部やろうとすると、普通に大きな案件になります。
ココナラで相談する場合も、最初から全部盛りにすると費用が上がりやすいです。
なので、まずは一番困っている部分だけ作る。
それが大事です。
「全体を立派にする」より、
毎回ミスる部分
毎回時間がかかる部分
担当者が変わると崩れる部分
ここから小さく作った方が、結果的にうまくいきやすいです。
相談前にあると見積が早い三つの材料
見積相談をするときは、最初から完璧な仕様書はいりません。
ただ、次の三つがあるとかなり早いです。
一つ目は、入力データです。
今使っているExcel
Googleスプレッドシート
CSV
PDF
画像
手入力している画面
既存の管理表
こういうものです。
実物があると、かなり判断しやすいです。
「こういう表です」と文章で説明するより、実際のファイルを見た方が早いことが多いです。
二つ目は、出力したい形です。
最終的に何ができればいいのか。
請求書に反映したい
メール下書きを作りたい
PDFにしたい
グラフで見たい
担当者ごとに分けたい
Trelloにカードを作りたい
スマホで確認したい
ここが分かると、作るべきものが見えてきます。
三つ目は、作業頻度です。
毎日やるのか
毎週やるのか
毎月やるのか
年に数回なのか
一回だけなのか
ここで判断が変わります。
一回だけならChatGPTや手作業で十分なこともあります。
毎月やるならExcelマクロやGAS。
大量データならPython。
複数人で使うならWebアプリ。
こんな感じで、選択肢が変わります。
つまり、見積相談のときは、
今あるデータ
最終的に欲しい形
どれくらいの頻度で使うか
この三つを送ってもらえると、かなり話が早いです。
逆にここがないと、こちらも想像で見積もることになります。
想像で見積もると、だいたいズレます。
そしてあとから、
「あ、そこも必要です」
「実はこのパターンもあります」
「印刷も必要でした」
「スマホでも見たいです」
となります。
はい。
案件あるあるです。
別に悪いことではないです。
最初から全部出せる人の方が少ないです。
だからこそ、最初は小さく整理するのが大事です。
どれで作るかより、どこまで作るか
ChatGPT、GAS、Python、Webアプリ。
どれを使うかは大事です。
でも、それ以上に大事なのは、
どこまで作るか
です。
ChatGPTで済む作業をわざわざシステム化すると、費用がもったいないです。
逆に、毎月ミスが出る作業をChatGPTと手作業で乗り切ろうとすると、ずっと人に負担が残ります。
だから私は、相談を受けるときに、
これはChatGPTで十分か
Excelのままでいけるか
GASでつなげるか
Pythonでまとめて処理するか
Webアプリにした方がいいか
をまず見ます。
いきなり「全部作りましょう」とは言いません。
むしろ、小さく済むなら小さく済ませた方がいいです。
その方が、お客様側も試しやすいですし、こちらも無理な見積になりにくいです。
システム化は、派手に作るより、ちゃんと使われることの方が大事です。
ここ、本当にそうです。
すごい機能を作っても、現場で使われなかったら意味がありません。
逆に、地味でも毎月の転記がなくなるだけで、かなり助かることがあります。
業務改善って、だいたい地味です。
めちゃくちゃ地味です。
でも、その地味な部分が毎月積み上がるんですよね。
まずは今の作業をそのまま送ってください
もし、
この作業はChatGPTで足りるのか
GASで作るべきなのか
Pythonで処理した方がいいのか
Excelのまま自動化できるのか
Webアプリにした方がいいのか
このあたりで迷っている場合は、今の作業内容をそのまま送ってください。
きれいな仕様書じゃなくて大丈夫です。
今使っているファイル
今やっている手順
困っている作業
最終的にこうなったら嬉しい形
このあたりが分かれば、どの方法が合いそうか整理できます。
たとえば、
毎月CSVを加工している
Excelの請求書に転記している
スプレッドシートからメールを作っている
写真を整理してPDFにしている
複数店舗の売上をまとめている
手作業の確認が多くてミスが出る
こういうものは、仕組みにできる可能性があります。
逆に、ChatGPTで十分な場合は、そのようにお伝えします。
無理に作る必要がないものまで作ると、費用がもったいないので。
まずは、
「今の作業がどの方法に向いているか」
ここから一緒に整理できればと思います。