Q、以前ココナラブログ投稿した「二拠点生活は富裕層の特権なのか?」に関連した質問ですが、二拠点生活時の住民票はどちらに置いた方がいいのでしょうか。例として札幌・東京の二拠点生活をしているケースで説明してください。
A、二拠点生活(デュアルライフ)を送る際、住民票をどちらの拠点に置くかは、生活の利点や税金、行政サービスを受けるうえで非常に重要なポイントとなります。
結論から言うと、法律上の原則と実際の選択肢は以下のようになります。
1. 法律上の原則:「生活の本拠」にある方
住民基本台帳法により、住民票は「生活の本拠(滞在期間が長く、消費活動や生活の基盤となっている場所)」に置くことが義務付けられています。そのため、二拠点生活であっても基本的にはどちらか一方のみにしか置くことができません。
2. 「札幌」と「東京」で置く場合のそれぞれのメリット・特徴
どちらに置くかは「滞在日数」「仕事の形態」「受けたい行政サービス」によって判断が変わります。
パターンA:住民票を「札幌」に置く場合(地方主軸タイプ)
札幌に住民票を置くケースは、「実家がある」「札幌滞在の方が長い」「将来的に北海道へ完全移住したい」といった場合に向いています。
住民税・所得税の金額:
住民税の税率は全国一律(標準税率10%)のため、東京(特別区)に置く場合と札幌に置く場合で基本的な税額の差はほぼありません(※独自の超過課税等を除く)。
メリット:
行政サービスや支援制度: 札幌市や北海道が行っている定住支援・移住者支援策や、地元の公共施設利用優遇などを受けやすい。
自動車の所有・維持: 車を所有する場合、保管場所証明(車庫証明)やナンバー登録を札幌で行える(地方の方が駐車場費用や維持費を抑えやすい)。
医療・福祉面: 札幌を拠点とした定期健診や、かかりつけ医での医療手当・各種申請がスムーズ。
パターンB:住民票を「東京」に置く場合(都心主軸タイプ)
東京に住民票を置くケースは、「東京での仕事(対面業務や出社)がメイン」「行政手続きを東京で済ませたい」という場合に向いています。
メリット:
仕事・ビジネスの利便性: 都内での印鑑証明発行や身元証明、各種手続きがスムーズに行える。
子育て・医療助成の充実(該当する場合): 東京都や各区によっては、独自の子育て支援政策や医療費助成が手厚い場合があります。
選挙権: 東京の国政・地方選挙への投票権を得られる(仕事の拠点の政策に関与できる)。
3. 注意すべきポイント
・住民税の「均等割」が両方から課税される可能性がある
住民税は「所得割(所得に応じた税額)」と「均等割(定額)」で構成されています。
住民票を置いている自治体には「所得割+均等割」を納めますが、住民票を置いていない側の拠点であっても、「家屋敷(事務所や別荘など、いつでも住める状態の拠点)」を所有・契約している場合、その自治体から「均等割(年3,000円〜5,000円程度)」のみ課税されることがあります(家屋敷課税)。
運転免許証や郵便物の管理
運転免許証の更新や、マイナンバーカードを使った手続きは住民票がある自治体(警察署・役所)で行う必要があります。東京滞在中に札幌で免許更新通知が届くようなスケジュール調整が必要になります。
郵便物は、日本郵便の「転居・転送サービス」を活用するか、両拠点での受け取り体制(電子化や宅配ボックス等)を整えておく必要があります。
国民健康保険・介護保険の適用
自営業・フリーランスなどで国民健康保険に加入している場合、住民票がある自治体の国保に加入します。保険料の計算基準は自治体によって若干異なるため、事前に比較しておくのも一つの手です。
まとめ:どちらを選ぶべきか?
「札幌」に置くのがおすすめな人:
札幌での生活期間の方が長い/札幌に車や持ち家がある/北海道での行政サービスや生活基盤を重視したい場合。
「東京」に置くのがおすすめな人:
東京での仕事やビジネス手続きの頻度が高い/都内の手厚い行政サービス(特定の助成金等)を利用したい場合。
実際の運用としては、「1年のうち半分以上過ごす場所」または「仕事や生活の契約関係が集中している場所」を「生活の本拠」として届けるのが最も確実でトラブルのない選択となります。
Q、5月から9月は札幌、10月から4月までは東京というように季節に応じて二拠点生活をしている人はどうすればいいでしょうか。
A、5月から9月(5か月間)は札幌、10月から翌4月(7か月間)は東京というスケジュールで生活される場合、判断のポイントは 「法律上の原則」 と 「実務上の利便性」 の2つになります。
結論から言うと、このケースでは 「東京」に住民票を置くのが合理的かつ一般的 です。
理由と具体的なポイントについてわかりやすく解説します。
1. 滞在日数から見ると「東京」が本拠になる
住民基本台帳法では、住民票は「生活の本拠(最も滞在期間が長く、生活の基盤となっている場所)」に置くこととされています。
東京: 7か月間(10月〜4月)
札幌: 5か月間(5月〜9月)
滞在日数で比較すると東京の方が長いため、法律上の「生活の本拠」は東京と見なされるのが自然です。したがって、年間を通じて住民票を東京に置いたままにしておくのが最もスムーズです。
2. 住民票を移動させずに「東京」に置くメリット
1年の中で拠点を移動するたびに住民票を異動(引っ越し手続き)するのは、手続きの手間やマイナンバーカード・免許証の書き換えなどを考えると非常に負担が大きいためおすすめできません。
東京に住民票を置いたまま、5月〜9月の札幌滞在を乗り切るためのポイントは以下の通りです。
① 郵便物・宅配便の対策
郵便物の転送サービス: 日本郵便の「転送不要・転送サービス」を利用すれば、東京に届く郵便物を指定期間(最長1年間)札幌の住所へ転送できます。移動するタイミング(5月と10月)で手続きを行うことで解決します。
② 医療・健康保険
国民健康保険/社会保険: 住民票がある東京で加入している保険証は、札幌の病院・クリニックでもそのまま使えます(全国共通で3割負担等)。
定期健診やワクチン接種: 役所から届く受診券などは東京の住所に届くため、10月〜4月の東京滞在期間中に受診するスケジュールを組むのがスムーズです。
③ 税金(住民税)について
住民税は 「毎年1月1日時点で住民票がある自治体」 から前年の所得に対して課税されます。
1月1日時点では東京に滞在しており、住民票も東京にあるため、1年分の住民税はすべて東京の区市町村へ納めることになります。
3. 注意しておきたい点(札幌滞在中の注意)
家屋敷課税(住民税の均等割)の可能性
札幌で賃貸物件を1年中借りっぱなしにしている場合や、持ち家を所有している場合、住民票がなくても札幌市から「家屋敷課税」として住民税の均等割(年間数千円程度)のみ課税されることがあります。
※ウィークリーマンションやマンスリーマンション、ホテル暮らし等の場合は課税されません。
行政手続きや選挙権
住民票が東京にあるため、選挙(都知事選や区議選、国政選挙)の投票券は東京に届きます(札幌滞在中でも不在者投票制度を利用すれば投票は可能です)。
印鑑証明や住民票の写しが必要になった場合も、マイナンバーカードがあれば全国のコンビニで発行できるため、札幌滞在中でも困ることはほぼありません。
まとめ
滞在期間(東京7か月・札幌5か月)の長さから、住民票は「東京」に固定しておくのが基本となります。
5月〜9月の札幌滞在時は、「郵便物の転送手続き」を行うだけで、行政上のトラブルなく快適な二拠点生活を送ることができます。
Q、大橋巨泉氏がしていたような海外季節移住だと住民票がある日本でも年間の滞在月数が3か月程度だったようなので、これでも何とかなっていたのでしょうか。
A、大橋巨泉さんのように「年間で数か月しか日本に滞在せず、残りは海外(ニュージーランド、オーストラリア、カナダなど)で過ごす」という季節移住(マルチ拠点生活)スタイルは、まさに海外版の二拠点生活の先駆けと言えます。
巨泉さんのケースを含め、こうしたライフスタイルで住民票や税金、生活基盤がどのように成り立っていたのか、仕組みと背景を解説します。
1. 法律・実務上のポイント:「生活の本拠」はどこか?
結論から言うと、年間3か月程度の日本滞在であっても、「住民票を日本に残したまま(海外へ抜かずに)維持する」こと自体は可能であり、実際に成立していました。
理由は以下の通りです。
① 「最長滞在国」が日本であるケース
たとえば、1年のうち「日本3か月・カナダ3か月・ニュージーランド3か月・オーストラリア3か月」のように、複数国に細かく分散して滞在している場合、どの国も「半年以上の長期滞在」には該当しません。
この場合、日本の役所や税務署から見ても「主たる生活基盤・国籍・所有資産が日本にある」と判断され、日本に住民票を置き続けるのが自然な形となります。
② 「非居住者」にならず日本で税金を納める選択
海外移住において、年間の半分(183日)以上海外にいると日本の「非居住者」となり、日本での住民税が非課税になる仕組み(いわゆる「183日ルール」)があります。
しかし、あえて住民票を日本のままにしておくことで、以下のような状態になります。
税金: 全世界所得(日本や海外での収入)を日本で確定申告し、日本の所得税・住民税を正しく納める。
保険・社会保障: 日本の国民健康保険(または社会保険)や年金を維持できる。
巨泉さんのように日本での芸能活動や執筆活動、事業基盤がしっかりしていた方の場合は、日本で住民票を維持し、しっかりと納税と保険料の支払いを済ませるスタイルをとっていたため、法的なトラブルにならなかったと考えられます。
2. 年間3か月の日本滞在で「なんとかなっていた」理由
当時の巨泉さんや、同様の海外季節移住者が生活を成り立たせていた背景には、いくつかのアドバンテージがありました。
① 持ち家(日本拠点)と管理体制
日本に自宅(持ち家)があり、不在時も維持管理ができる環境(事務所や家族・管理会社による管理)が整っていたこと。
② ビザの組み合わせ(観光ビザ・数か月滞在)
各国の「ビザなし(観光目的)で滞在できる最大期間(通常90日程度)」をうまく組み合わせて回っていたため、各国のワーキングビザや永住権を必ずしも必要としなかったこと(※後に滞在国の永住権や長期ビザを取得されるケースもあります)。
③ 費用(二重の維持費)を賄える財力
日本と海外双方の拠点を維持する家賃・管理費・渡航費がかかるため、経済的な余力が十分にあったこと。
3. 現代の視点:注意点と変化
もし現代で同じような「年間3か月日本+海外複数拠点」を行おうとする場合、当時よりも注意すべき点が増えています。
CRS(共通報告基準)による金融口座情報の自動交換
現在は世界各国の税務署間で口座情報が共有されるため、どの国にいくら滞在し、どこで課税されるべきかが厳格にチェックされます。
短期滞在ビザの厳格化
ビザなしで90日滞在を繰り返し、実質的に住み着くような「ビザラン」に対しては、各国の入国管理が厳しくなっています。
まとめ
大橋巨泉氏のようなスタイルは、「日本の住民票と納税義務を保持したまま、各国の短期滞在枠(観光等)を使って季節ごとに移動する」という方法で成り立っていました。
ルールを破っていたわけではなく、「日本の居住者として税金をしっかり納め、海外へは長めの旅行・滞在として渡航を繰り返していた」ため、制度上も全く問題なく成立していたと言えます。
Q、一般人でも冬だけ海外にロングステイしている人がいますが、このような人が日本に住民票を持っている場合でもロングステイ生活が可能なのでしょうか。
A、結論から言うと、一般の人でも日本に住民票を残したまま「冬だけ海外ロングステイ」をする生活は十分に可能であり、実際に多くのシニア層やリモートワーカーが行っています。行政手続きや法律、現地での滞在制度など、どのような仕組みで成り立っているのかを分かりやすく整理して解説します。
1. なぜ「住民票を残したまま」可能になるのか?
日本の自治体の実務(行政上のルール)では、「海外滞在が1年未満(数か月程度)であれば、生活の本拠は日本にある」と見なされます。
そのため、冬の3〜4か月間だけタイ、マレーシア、ハワイ、オーストラリアなどに滞在するケースでは、海外転出届を提出して住民票を抜く必要はなく、日本に住民票を置いたまま過ごすのが一般的であり正規の手続きとなります。
2. 「冬だけ海外ロングステイ」が成立する仕組み
① ビザ(査証)の仕組み多くの国では、観光目的であればノービザ(無査証)で30日〜90日程度の滞在が認められています。
例:タイ(60日以内)、マレーシア(90日以内)、ハワイ/アメリカ(ESTAで90日以内)など3か月を超える場合でも、現地の入国管理局で滞在延長手続き(エクステンション)を行ったり、ノービザ期間が長い国(例:ジョージア等)を選んだりすることで、長期の観光ビザを取得せずとも合法的に滞在できます。
② 税金・社会保険の支払い住民票を日本に残すため、通常通り日本で住民税・国民健康保険料・年金などを納め続けます。
住民税: 1月1日時点で日本に住民票があるため、1年分が日本で課税されます。
医療保険: 日本の国民健康保険(または社会保険)を継続するため、帰国時もすぐに日本の病院にかかることができます。また、海外滞在中の急な病気や怪我についても、帰国後に申請することで一部が払い戻される「海外療養費制度」の対象となります。
③ 滞在中の海外保険
国民健康保険の海外療養費だけでは現地の高額医療費をカバーしきれないことが多いため、数か月間の滞在であれば「クレジットカード付帯の海外旅行保険」や、リザーブ用の「長期海外旅行保険」を組み合わせて備えるのが一般的です。
3. 海外ロングステイをする際の主な選択肢(住まい・費用)
一般の方が冬だけ海外で過ごす場合、以下のようなスタイルがよく選ばれます。
コンドミニアムやマンスリーマンションのレンタル
ホテルの長期滞在割引(ウィークリー/マンスリープラン)や、現地のアパート・コンドミニアムを数か月単位で借りる方法です。キッチン付きの部屋を選べば自炊ができ、生活費を抑えられます。
物価の安さを生かした生活東南アジア(タイ、ベトナム、マレーシアなど)であれば、日本の冬場にかかる「暖房光熱費」や「重厚な冬服代」を抑えられるため、現地での滞在費を合わせても「日本で冬を過ごすコスト+α(渡航費等)」程度で収まるケースもあります。
まとめ
法律・行政上: 1年未満の滞在であれば、住民票を日本に残したまま海外で過ごすことは全く問題ありません。
手続き面: 住民票を異動させる必要がないため、出国前に「郵便物の転送手続き」をし、現地での「医療保険(クレジットカードや旅行保険)」を用意するだけでスタートできます。
「冬の寒さを避けて温かい地域で過ごしたい」という目的であれば、大掛かりな移住手続きをせずに実現できる、非常に合理的で人気のあるライフスタイルと言えます。