*Copilot版①からの続きです。
Q、北海道のような積雪寒冷地だと木造の大規模建築物は寒さに弱いのではないでしょうか。
A、むしろ逆で、北海道のような積雪寒冷地では木造建築は意外と相性が良い面があります。 ただし、「そのまま建てれば大丈夫」ではなく、高断熱・高気密・防湿設計が必須です。
・木造は寒さに弱いのか
一般のイメージでは、
木 → 寒そう
コンクリート → 頑丈そう
となりがちですが、熱の伝わりやすさで見ると必ずしもそうではありません。
木材は熱を伝えにくい材料で、CLT(直交集成板)も断熱性能の高さが特徴とされています。CLTの熱伝導率は約0.12W/mKとされ、省エネ基準でも木材と同等の性能として扱われています。
そのため建物内部では、
・壁表面が冷えにくい
・結露を抑えやすい
・暖房効率を高めやすい
というメリットがあります。
北海道で木造建築は普通に存在する
実際、北海道では
・木造庁舎
・木造の森林事務所
・体育館
・保育所
・公民館
など、多数の公共建築物が建設されています。
北海道庁も道産木材を使った公共施設や民間施設の木造化を推進しています。
つまり、
「北海道だから木造は無理」
という時代ではありません。
本当に怖いのは寒さではなく結露
実は寒冷地木造で最も警戒されるのは、
低温そのものより結露です。
例えば、
室内22℃
屋外−15℃
のような環境では、
壁の内部で結露すると木材が湿ります。
すると
カビ
腐朽菌
構造材劣化
につながります。
そのため北海道の木造建築では
・分厚い断熱材
・高気密施工
・防湿層
・計画換気
が重要になります。北海道の木造建築では高い断熱・気密性能と結露対策が重要とされています。
雪の重さは大丈夫か
こちらは設計で対応します。
北海道では地域によって1㎡あたり数百kgにもなる雪荷重を考慮して構造計算を行います。寒冷地の中大規模木造では雪荷重を考慮した構造設計が重要とされています。
実際には、
・木造だから雪に弱い
・RCだから雪に強い
という単純な話ではなく、
適切な構造計算をしているかどうか
のほうが重要です。
・RC造との比較
北海道の場合は次のような印象です。
木造
・断熱性に有利
・室内が温かく感じやすい
・暖房効率が良い
・結露対策が重要
RC造
・蓄熱性が高い
・頑丈
・外断熱設計をしないと冬に壁が冷えやすい
・コンクリートの熱橋対策が必要
実際、北海道では「寒いからRC」というより、
断熱性能をしっかり確保した木造住宅・木造施設が数多く建てられています。
・結論
北海道のような寒冷地では、
木造は寒さに弱い
ではなく、
木造は断熱性の面ではむしろ有利だが、結露対策と積雪対策の設計が極めて重要
というのが現在の建築技術の考え方です。
興味深いことに、北欧(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)やカナダでも中高層木造建築が増えており、「寒冷地だから木造に不向き」という考え方は世界的にも主流ではなくなっています。むしろ寒冷地ほど木材の断熱性が評価される傾向があります。
Q、木造住宅は古代から日本人の生活に馴染んできました。一方で鉄筋建築物は西洋社会では生活に馴染んでいると言えるでしょう。日本でも明治以降から特に戦後には鉄筋建築物が普及しましたが、技術水準が進んだ現代で再び木造建築物が注目されていうことに対して時代の流れを感じます。
A、おっしゃる通りだと思います。
建築史という大きな流れで見ると、まさに一周回ってきたような面があります。
日本では古代から近世まで、寺社・城郭・民家を含めて木造が圧倒的に主流でした。一方、西洋では森林資源や気候条件の違いもあり、石造やれんが造が発展し、その延長線上で鉄骨造や鉄筋コンクリート造へ進化していきました。
日本でも明治以降、西洋建築技術の導入によって、
・れんが造
・鉄骨造
・鉄筋コンクリート造(RC造)
が普及し始めます。
そして戦後の高度経済成長期になると、
・大量の住宅供給
・高層化
・都市化
・防火対策
の観点から、RC造や鉄骨造が「近代的で優れた建築」として広く受け入れられました。
当時の感覚では、
木造 → 昔の建物
鉄筋コンクリート → 未来の建物
という価値観だったと言えます。
ところが21世紀に入り、技術がさらに進歩した結果、建築に求められるものが変わってきました。
昔は
・強いこと
・高いこと
・大量に造れること
が重視されました。
しかし現在は
・脱炭素
・持続可能性
・地域資源の活用
・快適性
・心理的な居心地の良さ
も重要視されるようになっています。
すると改めて、
・木材は再生可能資源である
・木は断熱性に優れる
・木の空間は人に安らぎを与える
という、かつて当たり前だった木造の価値が再評価されるようになったのです。
興味深いのは、これは「昔に戻った」のではなく、
・最新技術によって木造の弱点を克服した上で、木の良さを再発見している
という点です。
例えば、
・CLT
・大断面集成材
・耐火木材
・コンピュータ構造解析
などは、昔の宮大工ですら持っていなかった技術です。
つまり現在の大型木造は、
・伝統建築の復活
ではなく、
・最先端技術による新しい木造建築
なのです。
さらに興味深いのは、日本人の感覚との相性です。
日本人は住宅だけでなく、
神社
寺院
茶室
旅館
などを通じて、木の空間に安心感や温もりを感じる文化を長く持ってきました。
そのため公共施設や図書館などで木造化が進むと、
「なんとなく居心地が良い」
と感じる人が少なくありません。
これは単なるノスタルジーではなく、日本人の生活文化の中に蓄積された感覚とも言えるでしょう。
ですから現在の木造建築ブームを眺めると、
「木造→鉄筋→木造」という単純な振り子運動ではなく、鉄筋や鉄骨で学んだ技術を取り込みながら、木材をもう一度高度に活用する段階へ進んでいる」
と見るのが適切だと思います。
特に北海道や東北のように森林資源が豊富な地域を見ると、これからは「木か鉄筋か」ではなく、
・木が得意な部分は木
・鉄骨が得意な部分は鉄骨
・RCが得意な部分はRC
というハイブリッドな発想が主流になっていくのではないでしょうか。
宮城県や東北地方は林業資源も豊富ですから、西田さんがお感じになった「時代の流れ」という感覚は、建築業界の大きな変化をかなり本質的に捉えているように思います。木造が再評価されているのは、技術が後退したからではなく、むしろ技術が成熟した結果なのかもしれません。