*第8回からの続きです。
Content ID の申し立てと著作権侵害による削除の違い
著作権者は、著作権を侵害している YouTube コンテンツを複数の方法で処理できます。それぞれの違いを見てみましょう。
・コンテンツIDの申し立て
ユーザーの動画が YouTube に登録されている著作権者のコンテンツと一致する場合、コンテンツ ID によってユーザーの動画に申し立てが行われます。
ユーザーは Content ID の申し立てに同意することも、次のような措置を講じることもできます。
・申し立てられたプロセッサを動画から削除する
・申し立てられた曲を YouTube のオーディオライブラリある無料の音楽や効果音に差し替える
・対象となるカバー曲の収益を分配する(状況によってはできない場合もあります)
・著作物を使用する権利を有している場合は、Content ID の申し立てに応じて申し立てを行う
ほとんどのYouTube パートナーは Content ID に申し立てられた動画を収益化の対象としていますが、ブロックすることを選択すると、その動画は瞬間ブロックされて視聴できなくなり、アップロードしたユーザーに警告が送られます。ポリシーの選択肢については、今後のレッスンで説明します。
A、このレッスンは、「Content ID の申し立て(Claim)」と「著作権侵害による削除(Copyright Takedown)」は別物であることを理解するための重要な内容です。
① Content ID の申し立て(Claim)
Content IDに登録されている音楽や映像と一致すると、自動的に申し立て(Claim)が作成されます。
この場合、すぐに「著作権侵害」と断定されるわけではありません。
著作権者が設定したポリシーに従って、
・収益化(Monetize)
・ブロック(Block)
・トラッキング(Track)
のいずれかが適用されます。
② ユーザーができる対応
Content IDの申し立てを受けたユーザーには、いくつかの選択肢があります。
・申し立てを受け入れる。
・申し立ての対象となった部分を動画から削除する。
・申し立ての対象となった楽曲を、YouTubeオーディオライブラリの無料音楽や効果音に差し替える。
・対象となるカバー曲の収益を分配する(利用条件による)。
・自分に使用する権利がある場合は、申し立てに対して異議を申し立てる。
つまり、Content IDの申し立てには解決方法が複数用意されているということです。
③ ブロックが選ばれた場合
多くの権利者は、動画を削除するのではなく収益化を選択します。
しかし、著作権者がブロックを選択すると、
・動画は視聴できなくなる。
・アップロードしたユーザーに通知(警告)が送られる。
という措置が取られます。
ここでいう「警告」は、動画がブロックされたことを知らせる通知を指しており、必ずしも著作権侵害による「ストライク(Copyright Strike)」と同じ意味ではありません。
試験で最も重要なポイント
このレッスンで押さえるべきことは次のとおりです。
Content ID の申し立て 著作権侵害による削除
自動で行われる 権利者が正式な削除申請を行う
収益化・ブロック・トラッキングなどのポリシーが適用される 動画が削除される
ユーザーは異議申し立てや編集などの対応ができる 著作権侵害として処理され、ストライクにつながる場合がある
この後のレッスンでは、それぞれのポリシー(収益化・ブロック・トラッキング)の違いや、著作権侵害による削除との関係についてさらに詳しく学んでいくことになります。
Q、著作権侵害によるコンテンツの削除
著作権者は、著作権侵害による削除依頼を行うことで、動画を YouTube から完全に削除するように依頼することもできます。
YouTube は米国デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく著作権侵害の通知を遵守し、該当する国内法を行う通知と削除に関する条項にも従っています。DMCAによるコンテンツの削除は正式な法の要求ですので、執行力のある文書として正式なものにするためには、決められた項目を記載する必要があります。
削除依頼は、いくつかの方法で行うことができます。
・ウェブフォームは、1件の削除依頼を最も迅速に行う手段です。
・コピーライトマッチツールは、オリジナル動画と完全に一致する動画が他の YouTube チャンネルで再アップロードされたことを検出します。YouTube からユーザーに 7 日間の猶予を設けた削除通知か、動画を段階的に削除するように依頼できます。
・コンテンツ検証プログラムを使用すると、承認された著作権所有者である企業は、複数の削除依頼を一括で行うことができます。
・また、YouTube ではメール、ファックス、郵便による自由形式での著作権侵害通知の提出も受け付けています。
注:著作権法以前、すべての削除依頼に対して正式な著作権の通知が必要になります。
A、このレッスンでは、「Content IDの申し立て」と「著作権侵害による削除(Takedown)」の違いをさらに詳しく説明しています。
著作権侵害による削除(Copyright Takedown)
こちらは、Content IDとは異なり、正式な法的手続きです。
著作権者は
「この動画は私の著作権を侵害しています。」
という通知をYouTubeへ提出し、
動画そのものを削除するよう要求できます。
・法律に基づく手続き
YouTubeは、
DMCA(米国デジタルミレニアム著作権法)
に従って削除依頼を処理しています。
これは単なるシステム上の処理ではなく、
法律に基づく正式な通知
になります。
そのため、
・必要事項の記載
・権利者情報
・著作権侵害の内容
などが正しく書かれていなければ受理されません。
削除依頼を行う方法
このページでは4つ紹介されています。
① ウェブフォーム
最も一般的な方法です。
1件だけ削除依頼を出すなら、
Webフォーム
が最も簡単で迅速です。
② コピーライトマッチツール(Copyright Match Tool)
これは
自分の動画が丸ごと再アップロードされた場合
に利用できます。
特徴は
・完全一致を検出
・7日間の猶予を与えることができる
・その後削除を依頼できる
という点です。
Content IDとは用途が少し異なります。
③ コンテンツ検証プログラム(Content Verification Program)
これは
大企業向け
の仕組みです。
例えば
・レコード会社
・映画会社
・テレビ局
などが
大量の削除依頼
を一括で送信できます。
④ メール・FAX・郵送
正式な著作権通知は
・メール
・FAX
・郵送
でも提出できます。
こちらも法的文書として扱われます。
最後の注記
すべての削除依頼には正式な著作権通知が必要
という点が重要です。
つまり、
削除依頼は
「気軽に押せるボタン」ではなく、法的責任を伴う正式な申請
ということです。
試験で押さえたいポイント
このページでは次の点を覚えておくとよいでしょう。
・Content IDの申し立てはYouTubeのシステムによる自動処理であり、収益化・ブロック・トラッキングなどのポリシーが適用されます。
・著作権侵害による削除(Takedown)は、権利者が法律に基づいて行う正式な削除請求です。
・YouTubeはDigital Millennium Copyright Act(DMCA)などの法令に基づいて削除依頼を処理します。
・削除依頼の方法には、ウェブフォーム、Copyright Match Tool、Content Verification Program、そしてメール・FAX・郵送などがあります。
試験で特に重要な区別
試験では、次の違いを明確に理解しておくことが重要です。
Content ID の申し立て 著作権侵害による削除
自動的に作成される 権利者が正式に申請する
動画は残ることが多い(ポリシーによる) 動画はYouTubeから削除される
主に収益化・ブロック・トラッキングを目的とする 著作権侵害への法的対応を目的とする
システムによる権利管理 法律に基づく正式な削除手続き
この違いは、YouTube Music著作権管理認定資格でも特に重要なポイントの一つです。
Q、ヒント
・著作権管理のニーズに応じて、どのツールがご自身に適しているのかをご確認ください。
・著作権に関するご質問については、トラブルシューティングをご覧ください。
・著作権侵害による削除を申請する前に、ご自身の権利を確認してください。
A、このページは、Content IDの新しい仕組みを説明するというより、**著作権管理を行う際の注意点(ベストプラクティス)**をまとめたものです。
ポイント
1. 自分に合ったツールを選ぶ
YouTubeには複数の著作権管理ツールがあります。
例えば、
Content ID:登録したコンテンツを自動で照合し、収益化・ブロック・トラッキングを行う。
Copyright Match Tool:自分の動画の完全な再アップロードを検出する。
著作権侵害による削除(Takedown):法的な削除依頼を行う。
目的によって適切なツールを使い分けることが大切です。
2. 分からないことはヘルプを活用する
著作権に関して疑問がある場合は、YouTubeのトラブルシューティングやヘルプを利用して、正しい手順を確認するよう勧めています。
3. 削除依頼の前に権利を確認する
これは非常に重要な注意点です。
YouTubeは、
本当に自分がその著作物の権利を持っているか
を確認したうえで削除依頼を行うよう求めています。
権利がない作品について誤って削除依頼を出すと、トラブルや不適切な権利行使につながる可能性があります。
試験で押さえたいポイント
このページで覚えておきたいことは次の3点です。
・著作権管理の目的に応じて、適切なツール(Content ID、Copyright Match Tool、削除依頼など)を使い分ける。
・著作権に関する疑問がある場合は、YouTubeのヘルプやトラブルシューティングを参照する。
・著作権侵害による削除(Takedown)を申請する前に、自分がそのコンテンツの権利を有していることを確認する。
このページは試験で細かい知識を問われるというよりも、「権利を確認してから適切なツールを使う」という基本姿勢を理解しているかを重視した内容と考えてよいでしょう。
Q、責任を持って著作権を管理する
YouTube には削除依頼を処理するための強固なシステムが用意されていますが、このシステムは自らの責任において正しく使用する必要があります。 著作権侵害による削除の手続きは、著作権者や代理人、または法律による許可なく自分のコンテンツが使用されていることを確信している場合にのみ開始してください。
Content ID は権利の管理を効率化することを目的とするものですが、利用者は常に自主的な権利の範囲内でこれを使用する必要があります。 例えば、ミュージックビデオで映画の映像を使用許可している場合は、その動画を YouTubeシステムを悪用した申し立てや不正な申し立てを行った場合、法的な責任を問われたり、パートナーシップを解除したりされたりなどのペナルティが科される場合があります。
A、このページは、Content IDや著作権削除制度を「責任を持って利用すること」が重要であると強調しています。
ポイント
1. 著作権侵害による削除は慎重に行う
著作権侵害による削除(Takedown)は、法的な手続きです。
そのため、次の場合に限って申請する必要があります。
・自分が著作権者である。
・正式な代理人として権限を与えられている。
・許可なく自分のコンテンツが使用されていると確信している。
「たぶん侵害されている」「念のため削除しておこう」といった理由で申請するものではありません。
2. Content IDも適切に運用する
Content IDは権利管理を効率化する便利なシステムですが、自分が保有・管理する権利の範囲内で利用することが前提です。
例えば、本文にある例では、
・ミュージックビデオに映画の映像を使用する許可を与えているにもかかわらず、
・その動画に対してContent IDで申し立てを行う
といった行為は、不適切な権利行使となる可能性があります。
つまり、ライセンスや契約内容を正しく理解したうえで運用する必要があるということです。
3. システムの悪用にはペナルティがある
YouTubeは、不正な申し立てやシステムの悪用に対して厳しく対応しています。
悪質なケースでは、
・法的責任を問われる可能性
・Content IDなどの利用資格の停止
・YouTubeパートナーシップの解除
といったペナルティを受けることがあります。
試験で押さえたいポイント
このページでは、次の内容を理解しておくことが重要です。
・著作権侵害による削除(Takedown)は、自分が権利者または正当な代理人であり、無断使用を確信している場合にのみ行う。
・Content IDは、自分が管理する権利の範囲内で責任を持って利用する。
・虚偽の申し立てやシステムの悪用は、法的責任やパートナー資格の停止・解除などのペナルティにつながる可能性がある。
このページのメッセージを一言でまとめると、
「Content IDや削除制度は強力な権利保護ツールである一方、その利用には正確な権利確認と責任ある運用が求められる。」
ということです。これはYouTubeの著作権管理全体に共通する基本原則として覚えておくとよいでしょう。
Q、考えてみましょう
YouTube に、保護したい音楽コンテンツがあります。そのコンテンツに Content ID を設定するために必要となり、重要な手順を挙げてください。
A、この「考えてみましょう」は、これまで学んだ内容を整理する復習問題です。
模範回答
Content IDを設定するために重要な手順は次のとおりです。
1、権利情報を含むアセットを作成する。
2、参照マテリアル(Reference)をYouTubeへ提供する。
3、Content IDが参照マテリアルからデジタルフィンガープリントを生成する。
4、ユーザーがアップロードした動画をContent IDが自動でスキャンし、フィンガープリントと照合する。
5、一致した場合、Content IDが申し立て(Claim)を作成する。
6、著作権者が設定したポリシー(収益化・ブロック・トラッキング)が適用される。
7、著作権者は申し立てやレポート、分析結果を確認・管理する。
試験で簡潔に答えるなら
もし認定試験で要点だけを答える問題であれば、次の3点を押さえれば十分です。
・権利情報を含むアセットを作成する。
・参照マテリアルを登録する。
・Content IDが動画を照合し、一致したコンテンツにポリシーを適用する。
この章で最も重要な流れは、
アセット作成 → 参照マテリアル登録 → デジタルフィンガープリント生成 → 動画照合 → Claim → ポリシー適用
です。
この一連のプロセスを理解していれば、このセクションの内容はしっかり身についていると言えるでしょう。
Q、考えてみましょう
組織内で決めることができる Content ID 関連の役割とタスクを挙げてください。
A、この「考えてみましょう」は、Content IDの運用で、人が担当しなければならない役割や作業を確認する復習問題です。
模範回答
組織内で決めることができるContent ID関連の役割・タスクには、次のようなものがあります。
・参照マテリアル(Reference)の登録・管理
・アセットや権利情報の登録・管理
・Content IDの申し立て(Claim)の確認・対応
・ポリシー(収益化・ブロック・トラッキング)の設定・運用
・レポートや分析データ(Analytics)の確認
・著作権や権利範囲(地域・契約内容など)の管理
・異議申し立てや著作権に関する問い合わせへの対応
この問題の意図
この設問で確認したいのは、
Content IDは多くの処理を自動化するが、最終的な権利管理や運用は人が責任を持って行う必要がある
という点です。
そのため、組織では、
誰が参照を登録するのか
誰が申し立てを確認するのか
誰がポリシーを設定するのか
誰が権利情報を管理するのか
といった役割分担を決めておくことが重要になります。
試験向けの要点
試験では、特に次の4つを覚えておくと十分です。
1、参照マテリアルの登録
2、申し立て(Claim)の確認・管理
3、ポリシー(収益化・ブロック・トラッキング)の設定
4、権利情報やレポートの管理・確認
これらは、この章で繰り返し説明されているContent ID運用の中核となる業務です。
*第10回に続く。