屋外駐車場に限らず街中の歩道やマンションの植栽スペースなど注意深く見ると身の回りに植物が意外と設置されていることに気が付きます。植物を置くことに関して景観以外に何か理由があるのか調べてみました。
まず結論から言うと、所有している敷地や建築・開発行為に対して都市緑地法とその自治体条例が掛かってきます。都市緑地法は前身の緑地保全法が2004年に再編され今に至る法律で、高度経済成長期の急激な都市化による緑の消失やそれに伴って顕在化したヒートアイランド現象などを始めとする公害問題を抑制するべく立案、施行されました。
具体的な内容を見てみますと、市町村が建築や開発の際に一定以上の緑を必ず確保させると定めた区域である「緑化地域」に於いて、自治体にも寄りますが敷地面積の10~30%以上の緑化義務が生じます。この際の緑の基準としては、生きており根付いているものが認められるため造花や人工芝、場合によっては可動式のプランターもNGで、ちゃんとした植物でも枯れたまま放置されているものは是正指導の対象となります。
その他の法律にも言えることですが、違反したからといって余程悪質なケースでない限りいきなり罰則となる可能性は低いです。都市緑地法違反として摘発されるまでの一般的な流れとしては、発覚&事実確認→指導→勧告→命令→摘発・罰則といった順番で進行していきほとんどの場合「指導」段階で終わりますが、指導内容を無視したり改善が不十分だった場合は行政の対応も厳しいものになっていきます。記憶に懐かしいビッグモーターの街路樹伐採は違反しているものと推察されますが、調べた限りだと処罰の公表は見つかりませんでした。ただこの事例は器物損壊罪や道路法など複数の領域に違反しているものと考えられています。
発覚に至るまでの経緯としては、第三者からの通報や自治体定期巡回、建築・開発の完了検査や他法令調査中に芋づる式に発覚などが多いようです。その疑惑をもとに自治体が現地調査や面積の測量など基準に適合しているかをチェックします。ここで疑惑が確信に変わると最初のステップ「指導」措置に移行し、猶予期間を設けた上で改善・是正の要請がなされ、ここで指導要綱通りに実行できれば以後追及されることはなくなります。(もちろん継続してその環境を保つ義務は生じます。)
さて、それでも改善が見受けられなかった場合は文書等で正式な勧告がなされます。この時点ではまだ刑事罰ではありませんが、自治体の中で要注意案件として認識され印象は悪くなることが見込まれます。その状態が続くと実質的な最後通告となる「命令」の段階になります。法的拘束力があり改善の具体的な指示が出され従わなかった場合とうとう摘発されることとなり、一例ですが6か月以下の懲役または50万円以下の罰金といった処罰が下されます。
ちなみに一般人への影響に関してですが、都市緑地法は一定規模以上の建築・開発行為に係ってくる法律なので一般家庭は段違いに大きな住宅や増築を繰り返している家でない限り対象外となっております。
プロ野球選手の小倉全由は言いました。
「みんな咲いた花を見るのは好きだけど、咲くまでの過程に興味がない。花が咲くには強い根があってこそ」と。
影の努力やかかっている労力にまで考えが及ぶとまた一つ見え方が変わってくるように思えますね。