「大丈夫」と答えたあとの、少しだけ聞いてほしかった気持ちへ

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こんばんは。
ことのはです。

「大丈夫?」

そう聞かれて、考えるより先に「大丈夫」と答えていた。

そんな夜が、あなたにもあるかもしれません。

返信を打ち終えて、とん、とスマホを伏せる。部屋には、時計の音だけが残っている。

本当は、少しだけ聞いてほしかった。

全部じゃなくていい。ほんの少し、「実はね」と言える隙間がほしかった。

けれど口から出たのは、いつもの「大丈夫」でした。

【「大丈夫」は、相手への気遣いから出てくる】

反射で「大丈夫」と答えてしまうのは、弱いからでも、素直になれないからでもありません。

相手にも、相手の一日がある。疲れているかもしれない。忙しいかもしれない。

そこへ自分の話を持ちこむのは、少し気が引ける。

その一瞬のためらいが、「大丈夫」という言葉になって出てきます。

つまりそれは、相手の時間を大切にしてきた人の、くせのようなものです。

長いあいだ、まわりの様子を見て、空気を読んで、自分のことは後回しにしてきた。その積み重ねが、考えるより先に口を動かしているのです。

【飲みこんだ言葉は、消えていない】

ただ、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。

飲みこんだ言葉は、消えるわけではありません。

言わなかった「本当は」は、胸のどこかに、そっと積もっていきます。

ひとつひとつは小さくても、積もれば重くなる。理由の分からない疲れや、ふっと手が止まる夜は、そこから来ていることがあります。

あなたが感じている重さは、気のせいではありません。ちゃんと理由のある重さです。

【全部を話さなくていい】

では、これからは何でも話したほうがいいのか。

私は、そうは思いません。

気遣いができることは、あなたの大切な力です。それを手放す必要はありません。

ただ、「大丈夫」のあとに、ほんのひとことだけ足してみる。

「大丈夫。でも、少しだけ聞いてくれる?」

全部を差し出さなくていい。扉を、指一本分だけ開けておく。それくらいで十分です。

相手が忙しそうなら、「また今度でいいよ」と言えばいい。言葉にしかけた、というだけで、胸の中の重さは少し変わります。

【カードの話を、ひとつだけ】

タロットに「女教皇」というカードがあります。

静かな神殿の二本の柱のあいだに、ひとりの女性が座っています。膝の上には巻物があり、その一部は衣のひだに隠れて見えません。

女教皇は、多くを語らない人です。けれど何も知らないのではなく、深く知っていて、それを内に持っている。

巻物が半分隠れているのは、隠しごとをしているからではありません。大切なものを、むやみに外へ出さずに守っているからです。

言葉を飲みこめるあなたも、どこか女教皇に似ています。

ただ、女教皇の巻物は、いつでも開ける場所に置かれています。

内に持つことと、閉じこめることは違う。開きたくなったときに、開けばいいのです。

【今夜のひとつ】

眠る前に、ひとつだけ。

今日、「大丈夫」の奥にしまった言葉を、ひとことだけメモに書いてみてください。

誰にも見せなくていい。送らなくていい。

「本当は、少し疲れていた」
「本当は、話を聞いてほしかった」

そのくらいの短さで十分です。

書いた言葉は、もう胸の中だけに積もるものではなくなります。

周りは、あなたの「大丈夫」を、そのまま受け取っているかもしれない。

けれど、その一言の奥で、どれだけ相手を思っていたか。

私は、知っている。飲みこんだ言葉の数だけ、あなたは誰かを大切にしてきたのだと。

ことのは

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