先月から、生成AIを全面に活用したLP制作サービスを出品しています。ニーズ調査をかねて最安値で出品していることもあり、おかげさまで少しずつ受注できています。
AIを使えば、LPは驚くほど短時間で形になります。構成からキャッチコピー、画像まで一気に出てくるので、「もう完成では?」と感じる方も多いでしょう。
しかし、AIが出力したLPをそのまま納品できるケースはほとんどありません。今回は、私が制作時に行っている調整の一部を、実際の事例とあわせてご紹介します。
素材の準備:お客様の画像は事前に加工
お預かりした写真は、明るさや色味、トリミングを整えてから使います。AI作成か否かに関わらず必要な工程ですが、AI作成の場合は特にAIで作った部分との差が目立ち、ページ全体がちぐはぐな印象になってしまいます。
構成・文章の調整
全体の「話し手」をそろえる
あるパートはお客様目線、次は事業者目線……と話し手が入れ替わると、読み手は混乱します。誰が誰に語りかけているのかを整理し、筋の通った構成に整えます。
お悩みは絞り込む
AIはお悩みを10個以上並べがちです。多すぎると自分ごととして響かないため、ターゲットに刺さるものを厳選します。
冗長な見出し・文章を削る
AIの文章は長くなりがちです。同じ意味の繰り返しを削り、短く言い切ります。
デザインの調整
全体の見直しとアイコン追加
配色や余白、フォントのバランスを確認し、一見で伝わりやすくします。
下は運送業向けLPのファーストビューです。最初の案は文字と数字だけで、誰のどんな話なのかがひと目では伝わりませんでした。運転席の写真を大きく入れて場面を見せ、相談ボタンも明るい緑にして目立たせています。
第一印象で「自分に関係のある話だ」と感じてもらえるかどうかが、その先を読んでもらえるかを左右します。
AI生成のページは(使用するAIにもよりますが)文字ばかりになりがちです。必要に応じてアイコンを加え、情報をひと目で理解できるようにします。AIが生成したアイコンの不自然さも見直します。
文字の可読性を上げる
背景と文字の色が近い、文字が小さいといった読みにくさは離脱の原因です。コントラストやサイズ、行間を調整します。
CTAボタンを目立たせ、統一する
AIが作るCTAボタンは、背景に埋もれていたり、セクションによってレイアウトが異なったりします。色・文言・配置を統一し、迷わず押せる導線をつくります。
生成画像の調整
半年前ぐらいまでのAI生成画像には、指の形や文字の崩れ、ありえない構図など不自然な部分がよく見られましたが、今ではかなり減りました。
ただ、先ほどの運送業向けLPでは、ファーストビューの写真を最初に生成した際、車線が斜めに見えていました。進行方向に正対する構図で作り直し、景色も日本の道路らしく整えました。
「なんとなく変」な画像は、それだけで信頼を下げてしまいます。
実態とのずれにも注意が必要です。同じLPの教習シーンでは、AIが受講生全員に同じ青いシャツを着せていたため、制服のように見えていました。ご提供いただいた実際の写真では、受講生はそれぞれ私服です。そこで写真に合わせて、一人ひとり違う私服に変えました。
実際と違う画像は、見る人に誤った印象を与えてしまいます。
また、画像を1枚ずつ作るため、同じ人物のはずがコマごとに別人になりがちです。
下は整体院LPの「ご利用の流れ」のイラストです。最初はお客様もスタッフも毎回違う人でしたが、同じお客様と、実際の施術者に合わせた男性スタッフで通して描き直しました。
流れの中で人物が変わると、読み手は「自分が通う姿」を思い描けません。
ターゲット像との一貫性も大切です。中高生向けのこの整体院では「部活帰りに寄れる」ことを伝えるため、ファーストビューの人物を制服姿から、ジャージにタオルの“部活帰りの高校生”に変更しました。
コピーと画像の場面がそろうと、「自分のための整体だ」と伝わりやすくなります。
著作権のチェック
最後に、画像や表現が既存の作品・ロゴに似ていないかを確認します。実際に、生成したトラック画像に実在メーカーのものに似たエンブレムが描かれていたこともありました。知らないうちに権利を侵害していた、という事態を防ぐための大切な工程です。
まとめ:AIは「下書き」、仕上げは人の目で
AIはLP制作のスピードを大きく高めてくれる心強いツールです。ただし、成果につながるLPにするには、人の目による細やかな調整が欠かせません。「AIで作ったけれど、何かしっくりこない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。