案件獲得を考えるうえで、閲覧数・再生回数は実績を伝える材料になります。ただし、「この数字を超えれば必ず案件が来る」という共通の基準はありません。
企業にとっては、どれだけ見られているかに加えて、誰に届いているか、商品をどのように紹介してもらえるかも大切だからです。
この記事では、案件獲得に向けた数字の見方と、企業から声をかけてもらうために整えておきたいポイントを解説します。
案件獲得には何回の閲覧・再生が必要?
「まずは1万回再生を目指そう」と目標を立てること自体は、投稿を続ける励みになります。
ただし、運用上の目標と、企業が依頼する際の条件は別です。
例えば、全国に商品を広めたいブランドと、特定の地域で来店を増やしたいお店では、求める発信者が異なります。幅広い層に見られることが強みになる場合もあれば、地域やジャンルを絞って発信していることが強みになる場合もあります。
そのため、「1,000回だから無理」「1万回を超えたから依頼が来る」と、再生回数だけで判断するのは難しいのです。
募集に応募する場合は、まずフォロワー数や投稿内容などの応募条件を確認しましょう。条件を満たしていれば、再生回数がさらに増えるのを待たずに、現在の実績を整理して提案する方法もあります。
商品提供と有償案件では、条件も異なる
ひと口に企業案件といっても、内容はさまざまです。
商品やサービスの提供を受けて紹介する案件もあれば、投稿制作に対して報酬が支払われる案件もあります。
さらに、投稿本数、動画の制作、撮影、広告への二次利用など、依頼される範囲によって条件は変わります。
「案件が来るか」だけでなく、「どのような内容・条件の案件を受けたいか」まで考えることが大切です。
最高再生回数だけでなく、普段の実績を確認しよう
一度大きく伸びた投稿があると、その数字をアピールしたくなりますよね。
最高再生回数は実績のひとつですが、提案資料には普段の投稿状況も添えると、相手が判断しやすくなります。
直近の投稿を同じ条件で比較する
まずは、直近10本程度のリールを振り返ってみましょう。確認する項目は、次のようなものです。
再生回数の平均と中央値
どのテーマの投稿が伸びたか
保存やコメントなどの反応
プロフィールへのアクセスなど、確認できる行動
投稿直後の動画と、公開から数か月たった動画では、数値が積み上がる期間が異なります。比較する際は、できるだけ「公開から7日後」など、条件をそろえると傾向をつかみやすくなります。
平均と中央値を一緒に見る
例えば、5本の再生回数が「1,000回・1,200回・1,500回・1,800回・50,000回」だったとします。
平均は11,100回ですが、小さい順に並べた真ん中の値である中央値は1,500回です。
この例では、1本のヒット投稿が平均を大きく引き上げています。
最高値・平均値・中央値を組み合わせると、「大きく伸びた実績」と「普段の投稿の水準」の両方を伝えられます。
※上記は数字の見方を説明するための架空の例です。
企業に伝えたい、再生回数以外の3つの強み
① 商品のターゲットに合う人へ届いていること
例えば、地域のカフェを紹介する案件なら、その地域でお店を探している人に届いていることが提案材料になります。
美容商品の案件なら、視聴者の年代や関心と、商品のターゲットが合っているかを確認したいところです。
Metaの公式案内でも、Instagramのクリエイターマーケットプレイスでは、企業がオーディエンスの属性などで候補を絞り込み、ポートフォリオを確認できると説明されています。
「たくさん見られています」に加えて、「どのような人に届けられます」と説明できる状態を目指しましょう。
なお、フォロワーの属性と、実際に投稿を見た人の属性は同じとは限りません。資料に載せるときは、何のデータなのかを明記すると丁寧です。
② 投稿を見た人から具体的な反応があること
いいねだけでなく、保存やコメントの内容にも注目してみましょう。
「どこで買えますか?」
「使い心地をもっと知りたいです」
「次のお出かけの参考にします」
こうした反応は、投稿のどの部分に関心を持ってもらえたかを知る手がかりになります。
ただし、保存やコメントがそのまま購入を意味するわけではありません。実際に確認できた反応と、そこから考えられることを分けて伝えましょう。
③ 商品の魅力を分かりやすく紹介できること
企業への提案では、撮影や説明の力も見せたいポイントです。
例えば、商品の大きさが分かる写真、使用場面をイメージできる動画、使って気づいた点を整理した文章などが作例になります。
まだ案件実績がない場合は、自分で購入した商品を使って紹介投稿を作る方法もあります。
その際は、実際に依頼されたPRと誤解されないよう、自主制作・自費購入であることを明確にしましょう。
再生回数が増えても、案件につながらないときは?
投稿が見られているのに依頼が来ない場合は、プロフィールと投稿一覧を見直してみてください。
例えば、次のような状態では、企業側が依頼内容をイメージしにくくなります。
発信テーマが幅広く、何が得意なのか分からない
伸びている投稿と、受けたい案件のジャンルが離れている
商品紹介の作例が見つけにくい
仕事の相談先や、対応できる内容が分からない
プロフィールを訪れた人が「この人に何をお願いできるのか」を理解できることが大切です。
「20代向けのプチプラコスメを紹介」「関西のカフェ・お出かけ情報を発信」など、得意分野を具体的に書いてみましょう。
代表的な投稿を固定したり、実績や作例をハイライトにまとめたりするのも、内容を伝える方法です。
案件への応募前に、実績を1枚にまとめよう
企業に提案するときは、アカウントの強みをまとめた簡単な資料があると説明しやすくなります。
最初から凝ったデザインにする必要はありません。まずは、以下の情報を整理しましょう。
発信ジャンルと得意なテーマ
・フォロワー数と集計日
・直近の投稿の閲覧数・再生回数
・集計期間と対象の投稿数
・確認できるフォロワー・視聴者の属性
・反応のよかった投稿と、その内容
・対応できる制作内容や投稿形式
数字を載せる際は、「直近10本のリール」「公開7日後の数値」など、集計条件も添えてください。
また、広告配信や外部サービスによる数値を、通常の投稿だけで得られた実績として示さないことも大切です。数字が増えた背景を説明できる資料にしておきましょう。
よくある質問
1万回再生されれば、企業案件は来ますか?
1万回再生は投稿実績として紹介できますが、それだけで依頼が決まるわけではありません。
商品のターゲットとの相性や、ほかの投稿の実績、制作内容なども含めて提案しましょう。
フォロワーが少ないうちは応募しないほうがいいですか?
募集条件を満たしているなら、応募を検討できます。
フォロワー数だけでなく、得意なジャンルや作例を整理し、企業にどのような形で貢献できるかを伝えることが大切です。
バズった投稿がないと難しいですか?
大きく伸びた投稿がなくても、まずは普段の投稿と反応を整理してみましょう。一定のテーマで発信を続けていることや、商品の魅力が伝わる作例は、提案の材料になります。
まとめ|数字を伸ばしながら、依頼しやすいアカウントへ
インスタの案件獲得に向けて、閲覧数・再生回数を伸ばすことは目標のひとつです。
同時に、誰に届いているか、どんな紹介ができるか、どのような反応があるかを伝えられるようにしておきましょう。
まずは直近の投稿を振り返り、実績を整理するところから始めてみてください。
「何回見られたか」と「自分に何を依頼できるか」の両方が伝わるアカウントを作ることが、案件獲得に向けた一歩になります。