こんにちは、komase部隊です。
ドル円を見ていて、最近こんな違和感を感じている方も多いのではないでしょうか。
「円高材料はいろいろ出ているのに、なぜドル円は下がらないのか?」
日銀の追加利上げ観測がある。
為替介入への警戒もある。
160円台は当局が神経質になりやすい水準です。
普通に考えれば、ドル円はもっと下がってもおかしくありません。
ところが実際には、下落しても買い戻され、ドル円は再び160円台まで上昇しました。
この値動きを理解するうえで非常に重要だったのが、ケビン・ウォーシュFRB議長のジャクソンホール基調講演です。
今回の講演でマーケットが受け取ったメッセージは明確でした。
「FRBはまだインフレとの戦いを終えていない」
ウォーシュ議長は、2%のインフレ目標は「固定された目標」であり、インフレが十分な速度で2%へ向かわなければ、FRBにはまだ「やるべき仕事がある」と強調しました。また、現在の重点は雇用よりも物価安定側にあるとの認識も示しています。
その結果、市場では利上げ観測が一気に強まり、米ドルと米国債利回りが上昇しました。Reutersによると、9月利上げの市場確率は講演前の約35%から約60%へ上昇しました。
これが、今回のドル円上昇を考える最大のポイントです。
📌ジャクソンホールで最も重要だった4つのポイント
画像でも整理した通り、ウォーシュ議長の発言で特に重要だったのは次の4点です。
① 「2%目標」は変えない
ウォーシュ議長は、FRBの物価安定目標である2%は明確かつ固定された目標だと強調しました。
つまり、
「インフレが3%台でもある程度仕方がない」
という考えではありません。
FRBの公式説明では、PCEインフレ率は前年比3.7%、6カ月ベースでは4.1%とされており、ウォーシュ議長は現在のインフレを明確に問題視しています。
② 現在は「物価優先」
米国の労働市場については比較的安定していると評価しています。
失業率は4.1%。
一方でインフレは目標を大きく上回っています。
そのためウォーシュ議長は、
「現在FRBが主に注目すべきなのは物価だ」
という考えを示しました。
市場から見れば、これはかなりタカ派的です。
③ 利上げ余地を残した
今回、ウォーシュ議長は
「9月に必ず利上げする」
とは言っていません。
しかし、
インフレが2%へ明確かつ十分な速度で向かわなければ、FRBには対応すべき仕事がある
と発言しました。
市場はこれを、
追加利上げの可能性を否定しなかった
と受け止めました。
結果として米短期金利が上昇し、ドル買いにつながっています。
④ 単月の数字ではなく「トレンド」を見る
もうひとつ重要だったのが、データに対する考え方です。
ウォーシュ議長は、特定の経済指標1回だけを見て政策を決めるのではなく、
「トレンドが重要」
と強調しました。
つまり、
「次のCPIが少し弱かったからすぐ利下げ」
という単純な相場ではありません。
今後はCPI・PCE・雇用統計などを連続して確認しながら、FRBの政策スタンスを判断する必要があります。
📌米10年債利回りが示す「ドル買いの裏付け」
今回、ドル円を見るうえで必ず一緒に見ておきたいのが米国債利回りです。
添付の米10年債利回り1時間足を見ると、ジャクソンホール後に利回りが大きく上昇し、4.72%前後まで上げています。
Reutersも、ウォーシュ発言後に米国債利回り、とくに短期ゾーンが上昇し、ドルも買われたと報じています。
ドル円には基本的に、
米金利上昇
↓
ドル資産の魅力上昇
↓
ドル買い
↓
ドル円上昇
という力が働きます。
したがって今回のドル円上昇は、単なるテクニカルだけではありません。
米金利というファンダメンタルズの裏付けを伴った上昇
と考える必要があります。
🚩なぜ「円高材料があるのにドル円が下がらない」のか
ここが今回の記事で最も重要な部分です。
確かに日本側にも円買い材料はあります。
Reutersのエコノミスト調査では、日銀が9月会合で政策金利を1.25%へ引き上げるとの予想が優勢になっています。
さらに、日本は7月30日から8月26日にかけて円買い介入を行い、その規模は15.4兆円と過去最大になりました。
それでも円が大幅には戻っていません。
ここに現在のドル円相場の特徴があります。
📌円買い材料より「構造的な円売り」が強い
ドル円には、
FRB=高金利を維持、場合によっては追加利上げ
というドル買い材料があります。
一方、日本は利上げ局面に入ったとはいえ、政策金利は米国より依然として低い水準です。
したがって、
日米金利差
という構造的なドル買い・円売り要因が簡単には消えません。
さらにReutersは、日本の低金利が円を調達して高金利資産へ投資する、いわゆる円キャリー取引を支えてきたと指摘しています。
要するに、
短期的には円高材料が出ても、中長期の円売り圧力がそれ以上に強い。
これが、
「悪材料が多いのにドル円が下がらない」
背景です。
⭕トレードで重要なのは「材料」より「材料に対する値動き」
ここはFX初心者ほど覚えておいてほしいポイントです。
例えば、
日銀利上げ観測
という円高材料が出たとします。
普通ならドル円は下がります。
ところが実際には、
下がる
↓
押し目を作る
↓
再び買われる
という値動きになる。
これは非常に重要です。
市場が悪材料を吸収しているからです。
私はこういうとき、
「下がる材料が出たのに下がらない=相場が強い」
と考えます。
悪材料そのものを見るだけではありません。
悪材料が出たあと、価格がどう反応したのかを見る。
これがトレードでは非常に大切です。
🔷【日足】ドル円は急落後の全戻しに近づく
日足を見ると非常に分かりやすい形になっています。
一度大きく急落したドル円は、下髭を付けてその後かなり強く買い戻されています。
チャート上で私が注目しているのは、
フィボナッチ38.2%戻し
半値戻し
フィボナッチ61.8%戻しです。
急落後の戻り相場では、この3つが非常に重要になります。
特に現在は、
61.8%戻し付近まで回復している
という点が重要です。
単なる自律反発というより、
急落をかなりの部分まで取り戻していると見ることができます。
🔷【4時間足】159.785を突破し160円台へ
4時間足を見るとさらに強さが分かります。
注目していた159.785を上抜け、その上に乗せてきています。
短期GMMAも上向き。
ローソク足もGMMAの上で推移しており、買い勢力が優勢です。
次の大きな上値目標として意識しているのが、
160.540
です。
一方、下側では、
159.512
が短期的な重要ライン。
さらに大きく崩れた場合には、
158.484
が次のサポート候補になります。
🔷【1時間足】押し目買いを狙いやすい形
今回、私が最も重視しているのが1時間足です。
1時間足では、
安値切り上げ
+
高値更新
+
GMMA上向き
という上昇トレンドの基本形が形成されています。
価格は一度急伸したあと少し押していますが、これはむしろ自然な動きです。
トレーダーとして狙いたいのは、
急騰したところを追いかけて買うことではありません。
狙うのは、
「押してきたところ」です。
⭕現在の重要ライン
添付チャートから見ると、今後注目したい価格は次の3つです。
価格意味160.540上値目標・次の抵抗候補159.785直近ブレイクライン159.512押し目買いを判断する重要支持帯158.484上昇シナリオ崩れを警戒する下側ポイント
現在のトレード戦略としては、
159.785~159.512付近への押しをまず観察したいところです。
🔵私なら「下がったら売る」ではなく「下がって止まったら買う」
ジャクソンホール後の基本戦略はここです。
仮にドル円が160円台から159円台へ下落したとします。
そこで、
「やっぱり下がる!」とSELLするのではありません。
まず、
159.785
さらに、
159.512
付近の反応を見ます。
そこで1時間足や15分足が下げ止まり、
下ヒゲ
陽線包み
平均足反転
GMMAからの反発
安値切り上げ
などが確認できれば、
押し目買い候補
として考えます。
🔶シナリオ① 159.785付近で止まって再上昇
最も強いケースです。
160円台
↓
159.785付近まで調整
↓
下げ止まり
↓
再び160円方向へ
この場合、
160.540
が次のターゲットになります。
ここを突破すれば、さらに上値を試す展開も考えられます。
🔶シナリオ② 159.512まで深く押して反発
次に想定しておきたいのがこちらです。
159.785を割り、
159.512付近まで下落。
そこで買いが入り、
15分足または1時間足で反転。
この形も押し目買い候補です。
むしろ浅い押しよりSLを設定しやすくなる場合があります。
🔶シナリオ③ 159.512を明確に割る
ここは注意します。
159.512を割れ、
戻しても159.512を回復できなくなった場合、
短期的な上昇力が低下した可能性があります。
その場合は無理にBUYしません。
さらに、
158.484
方向への調整を警戒します。
😈ただし160円台には「為替介入」という最大のリスクがある
ドル円を買ううえで、これを無視してはいけません。
現在は160円台です。
そして日本政府はすでに大規模な為替介入を実施しています。
Reutersによると、日本は7月30日から8月26日に約15.4兆円を円買い介入に投入しました。
さらに米財務長官ベッセント氏も、無秩序な円安は世界市場を不安定化させる可能性があると警告しています。
したがって、
「上昇トレンドだからフルレバでBUY」
という考えは危険です。
160円台では常に、
🟠突然数円落ちる可能性を考えておく必要があります。
✅現在のドル円は「買い優勢、ただし追いかけない」
今回の分析をまとめます。
ジャクソンホール後、ウォーシュFRB議長は、
2%インフレ目標を堅持し、
現在は物価安定を重視し、
必要であれば追加引き締めを行う余地を残しました。
その結果、
米金利上昇
+
ドル高
という動きが強まりました。
一方、日本では日銀利上げ観測や為替介入という円高材料があるにもかかわらず、ドル円は下落を維持できません。
ここから読み取れるのは、
「円高材料より中長期の円売り圧力の方が依然として強い」
ということです。
⭕komase部隊の結論
現在のドル円は、
「下落材料があるから売る相場」ではありません。
むしろ、
「下落材料が出ても下がらない強さを見る相場」
です。
ジャクソンホール後は、
タカ派FRB
→ 米金利上昇
→ ドル買い
が相場の中心テーマ。
そのため現時点では、
ドル円=強気寄り
ゴールド=弱気寄り
という組み合わせを基本に考えます。ゴールドもウォーシュ発言後に3%超下落しており、この金利上昇・ドル高テーマと整合しています。
ただしドル円は160円台。
介入警戒が極めて強い価格帯でもあります。
だからこそ、
上がっているから買うのではなく、押したところを待つ。
私が注目するのは、
159.785 → 159.512
への押しです。
そこで下げ止まりが確認できれば、
160.540方向への押し目買い
を狙う。
逆に159.512を明確に割れて戻せないなら、無理に買わない。
これが、ジャクソンホール後のドル円で考えている基本戦略です。
悪材料が出たから売るのではない。
悪材料が出ても下がらない相場の強さを見る。
ここを意識すると、今のドル円はかなり見やすくなってくると思います。
※本記事は相場分析を目的としたもので、特定の売買を推奨するものではありません。FXには元本を失うリスクがあります。