FXをしていると、こんな経験はありませんか?
チャートを開いて1時間。
特に大きな動きもなく、エントリー条件もそろわない。
それでも、
「せっかく時間を作ってチャートを見ているのだから、一回くらいトレードしたい」
そんな気持ちになってしまうことがあります。
そして、無理に入った瞬間から逆行する。
あとから振り返ると、
「そもそも入る必要がなかったな」
と気づくことも少なくありません。
隊員のみなさんに、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。
チャートを見ている時間と、利益は比例しません。
特に専業トレーダーになると、自由にチャートを見られる時間が増えます。
だからこそ、
「待てない」という弱点は、副業時代よりも大きな問題になりやすいのです。
今日の結論
今日、一番お伝えしたいことはこれです。
待つ力とは、単なる我慢ではありません。
自分に優位性がある条件以外では、資金を市場にさらさないための、立派なトレード技術です。
FXでは、
「買う」
「売る」
だけが判断ではありません。
「今は何もしない」
という判断も、立派な売買判断の一つです。
条件がそろうまでは資金を守り、本当に自分が狙っている場面が来たときだけ勝負する。
これが、長く相場に残るためにとても大切になります。
専業トレーダーほど「待つ力」が必要です
副業でFXをしている場合、仕事中はチャートを見ることができません。
これは不便に感じるかもしれませんが、見方を変えると、余計なトレードを自然に防いでくれることもあります。
一方、専業トレーダーになると、一日中チャートを見ることができます。
いつでもエントリーできます。
しかし、
できることと、するべきことは別です。
専業になると、何もトレードしない日があるだけで、
「今日は何も稼いでいない」
「仕事をしていない気がする」
と不安になることがあります。
さらに生活費のことを考え始めると、本来なら見送るような小さな値動きまで、
「これはチャンスかもしれない」
と見えてしまうことがあります。
こうして取引回数が増えると、当然ながらスプレッドなどのコストも積み重なります。
スプレッドとは、簡単に言えば買値と売値の差で、取引するたびに実質的に負担するコストです。
専業トレーダーには、
チャートの前にいても、条件がなければ何もしない力
が必要になります。
こんな状態のまま専業になるのは注意が必要です
次のような行動に心当たりはありませんか?
* 毎日最低1回はトレードしなければ気が済まない
* 値動きが少ないと、1時間足から5分足、5分足から1分足へと時間足を短くする
* 見送ったあとに価格が上昇すると、遅れて飛び乗ってしまう
* SNSで他の人の利益報告を見ると、自分も入らなければと焦ってしまう
* エントリー条件を少しずつ緩め、最後は感覚で入ってしまう
一つでも当てはまったからといって、トレーダーに向いていないということではありません。
ただし、
「待てないことで余計な取引を増やしていないか」
は確認してみてください。
待てない人は、自分ではチャンスを増やしているつもりでも、実際には
優位性の低いトレードを増やしている
だけの場合があります。
長く相場に残る人は「ノートレード」を失敗だと思いません
長く相場に残っている人は、
「今日は一回もトレードできなかった」
とは考えません。
条件がなかったのであれば、
「今日はきちんと見送れた」
と評価します。
例えば、自分のトレードルールが、
* 狙う時間帯
* 相場の方向
* エントリーの形
* 損切りまでの距離
* 上位足の環境
など複数の条件で構成されているのであれば、それらがそろうまで待ちます。
「そろそろ上がりそう」
「なんとなく反発しそう」
ではありません。
条件がそろうまでは、予想するのではなく観察します。
そして、
資金を市場に置かず現金で待っている状態も、一つのポジション
だと考えます。
ポジションを持っていなければ、次に本当に良い場面が来たとき、落ち着いて選ぶことができます。
100万円の具体例で考えてみましょう
ここで、少し数字を使って考えてみます。
仮に資金100万円で、過去の検証からAという条件があるとします。
A条件では100回トレードして、
* 45勝
* 55敗
* 平均利益1万5,000円
* 平均損失1万円
だったとします。
利益は、
45回 × 1万5,000円 = 67万5,000円
損失は、
55回 × 1万円 = 55万円
です。
差し引きすると、
プラス12万5,000円
になります。
もちろん、これは過去の検証結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
それでも、少なくともA条件には一定の優位性がある可能性があります。
ところが、
「今日はA条件が出ないから暇だ」
という理由で、Bという条件でも50回トレードしたとします。
B条件が、
* 勝率40%
* 平均利益8,000円
* 平均損失1万円
だった場合、
20勝 × 8,000円 = 16万円
30敗 × 1万円 = 30万円
となり、
マイナス14万円
です。
せっかくA条件で12万5,000円の利益が出ていたのに、待てずに追加したB条件によって、利益をすべて失ってしまいました。
ここで問題なのは、
「Aという手法が悪かった」
ことではありません。
検証していないトレードを混ぜてしまったことです。
トレード回数を増やせば利益が増えるわけではありません
さらに、取引にはスプレッドや手数料などのコストがあります。
仮に1回のトレードで500円相当のコストがかかったとします。
余計な50回のトレードをすれば、
500円 × 50回 = 2万5,000円
です。
つまり、
取引回数を増やせば増やすほど有利になるとは限りません。
むしろ、優位性のないトレードを増やせば、
* 損失
* スプレッド
* 精神的疲労
* 判断力の低下
まで増えてしまうことがあります。
待つのがつらいなら、条件ではなく「観察方法」を変えましょう
「でも、一日中チャートを見て待つのはつらい」
そう感じる方もいると思います。
その場合、エントリー条件を緩める必要はありません。
変えるべきなのは、
チャートの見方です。
例えば、狙っている価格まで来たときだけ通知してくれるアラートを使います。
あるいは、
「9時、12時、15時、21時だけ確認する」
というように、チャートを見る時刻を決めても構いません。
それ以外の時間は、画面から離れます。
チャートを長時間見続ければ、必ず良い判断ができるわけではありません。
むしろ、ずっと見ていることで、
「何か起きそう」
「そろそろ動きそう」
と、存在しないチャンスまで見えてしまうことがあります。
一週間にトレード候補が2回しかなくても問題ありません。
その2回が、自分で検証した条件なのであれば十分です。
目標にするのは、
「今週10回トレードする」
ではなく、
「条件外のトレードをゼロにする」
ことです。
今日からできる3つの練習
待つ力は、意識するだけではなかなか身につきません。
そこで、今日からできる練習を3つ紹介します。
1.「取引しない条件」を3つ決める
エントリー条件だけでなく、
入らない条件
も決めておきましょう。
例えば、
* 重要な経済指標の発表前
* 上位足に方向感がない
* 損切りまでの距離が遠すぎる
* スプレッドが広がっている
* 自分の狙う時間帯ではない
などです。
「入る条件」と同じくらい、「入らない条件」を明確にすると、迷いが減ります。
2.週に一度「ノートレード訓練」をする
あえて、
今日は注文しない
と決める日を作ってみましょう。
チャートを見ることは構いません。
ただし、その日はエントリーしません。
その代わり、
「ここで入りたくなった」
「SNSを見たあと焦った」
「値動きがないと時間足を短くしたくなった」
など、自分の感情を記録します。
この練習をすると、
自分がどんな場面で待てなくなるのか
が見えてきます。
3.見送った場面も記録する
エントリーしたトレードだけを記録するのではなく、
入らなかった場面
もスクリーンショットで残してみてください。
そして週末に、
「なぜ見送ったのか」
を振り返ります。
ここで大切なのは、
その後に価格が上がったか下がったかだけで判断しないことです。
例えば、見送ったあとに大きく上昇しても、
「自分の条件ではなかったから入らなかった」
のであれば、その判断は間違いではありません。
逆に、条件外で飛び乗って利益になったとしても、それを良いトレードとは評価しないことが大切です。
待てない状態で専業になると、自由時間が危険になることがあります
専業トレーダーになると、自由な時間が増えます。
これは大きなメリットです。
しかし、
* 一日トレードしないと焦る
* チャートを閉じられない
* エントリー理由を後付けしてしまう
という状態で自由時間だけが増えると、オーバートレードにつながる可能性があります。
だからこそ、会社員や副業トレーダーの間に、
「狙う時間だけ見る」
という習慣を身につけておくことをおすすめします。
例えば、
「東京時間は9時から10時だけ」
「ロンドン時間はこの1時間だけ」
というように、自分の狙う時間を限定します。
そして、週単位で取引回数の上限を決めてもよいでしょう。
専業になる時期を少し遅らせてでも、待てる環境を作る。
これは決して遠回りではありません。
大切な資金を守るためのリスク管理です。
「待つこと」を技術だと考えると、トレードが変わります
待つことを、
「何もしていない」
と考えると、とても苦しくなります。
しかし、
条件がそろうまで資金を守ることも仕事
と考えると、見え方が変わります。
すると、
* 機会損失への焦り
* 高値への飛び乗り
* 条件を緩めたエントリー
* 無駄なトレード
* SNSを見て焦ること
なども少しずつ減らしていけます。
一日の評価基準も、
「何回トレードしたか」
ではなく、
「自分の条件を守れたか」
に変わっていきます。
反対に、待つことの重要性を理解しないまま専業になると、自由な時間の多さが、
オーバートレード → コスト増加 → 資金減少 → 精神的疲労
につながることがあります。
相場には、チャンスが少ない日もあります。
そんな日に無理やりチャンスを作る必要はありません。
今日の専業適性チェック
最後に、自分自身を確認してみましょう。
* [ ] 1週間トレードがなくても焦らず待てますか?
* [ ] 自分のエントリー条件を文章で説明できますか?
* [ ] 見送った場面も記録していますか?
* [ ] SNSの利益報告を見ても飛び乗らずにいられますか?
* [ ] 条件がなければ、予定した時間にチャートを閉じられますか?
YESが少なくても、それだけで専業に向いていないということではありません。
むしろ、
自分がどんな場面で待てなくなるのかが分かれば、ルールと環境で改善できます。
待てないのは性格だけの問題ではありません。
アラートを使う。
見る時間を決める。
取引回数に上限を設ける。
条件外のトレードを記録する。
こうした仕組みで、少しずつ変えていくことができます。
専業トレーダーは、毎日たくさんトレードする人ではありません。
自分に優位性がある場面まで待ち、その場面だけで勝負できる人です。
チャートを見ている時間が仕事なのではありません。
条件がそろった場面で、決めたことを実行することが仕事です。
そして条件がなければ、何もしない。
それも立派な仕事です。
専業トレーダーは、派手に勝つ人ではなく、長く市場に残れる人。
そのために必要なのが、「待つ力」です。
次回は、
「自分のトレードを検証できる人が最後に残る」
についてお話しします。
何を待つべきなのか。
どの条件に優位性があるのか。
それを感覚ではなく、自分自身のトレード記録から見つけていきましょう。