AIで作ったものに、温もりはないのか

AIで作ったものに、温もりはないのか

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コラム
先日、ある人が誰かに渡すメッセージカードを作っている場面を見かけました。

PowerPointを開いて、テンプレートの中から素材を選び、文字を入れ、配置を調整しながら一枚のカードを作っていました。

それを見ながら、

「今ならAIやCanvaを使って、もう少し手軽に作る方法もありますよ」

という話をしました。

すると返ってきたのが、

「効率化したいわけではなくて、自分の思いを込めたいんです」

という言葉でした。

その気持ちはよく分かります。

誰かのために時間を使う。

その人のことを考えながら作る。

そういう時間そのものに意味があることもあります。

ただ、そのとき少しだけ違和感が残りました。

手間をかけることと、思いを込めることは同じなのか


もし完全な手書きで、一文字ずつ書き、絵まで描いているのであれば、「手作り」に価値を感じるのも分かります。

でも実際にやっていたのは、PowerPointに用意された素材を探し、テンプレートに文字を入れ、配置を調整する作業でした。

もちろん、それが悪いわけではありません。

ただ、それなら今は別の選択肢もあります。

例えば、

「落ち着いた和風の雰囲気にしたい」

「この人は旅行が好きなので、その思い出を感じられるデザインにしたい」

「かわいいものより、少し渋い感じが好きそう」

そんなことをAIに伝えれば、以前よりずっと簡単に、自分が思い描いているものに近いデザインを作れるようになりました。

そして、ここで思ったのが、

手作業の量と、思いの量は必ずしも同じではないのではないか

ということです。

本当に相手のために作るなら


もう一つ考えたことがあります。

贈り物をするときに大切なのは、

「自分が何を作りたいか」

だけではなく、

「相手が何を喜ぶか」

ではないでしょうか。

例えば、かわいい花柄の誕生日カードを一生懸命作ったとしても、その人がそういうものをあまり好きではないかもしれません。

一方で、その人が昔よく旅行していた場所や、好きだったもの、趣味、思い出などを聞き、それを取り入れたものを作ったらどうでしょう。

きっと、出来上がるものは大きく変わります。

そして、そのために必要なのは、デザインに何十分も時間をかけることではなく、

相手の話を聞くこと

なのかもしれません。

AIで減らした時間を、誰に使うのか


AIを使うと、これまで30分かかっていた作業が10分になることがあります。

ここで、

「20分楽になった」

だけで終わってしまうと、AIはただの効率化ツールです。

でも、その20分を相手との会話に使ったらどうでしょう。

好きなことを聞く。

昔の話を聞く。

何を大切にしてきたのか聞く。

そして、そこで聞いた内容をもとに、その人だけのものを作る。

そうすると、

効率化しながら、むしろ相手に向き合う時間を増やすことができます。

AIは、人との関わりを減らすための道具ではなく、

人と向き合わなくてもできる作業を減らすための道具。

そんな使い方もできると思っています。

AIで作ったものに温もりはないのか


「AIで作ったものには温もりがない」

という話を、ときどき目にします。

でも私は、少し違うように感じています。

温もりを決めるのは、

手作業で作ったか。

AIで作ったか。

ではなく、

どれだけ相手のことを考えて作ったか。

ではないでしょうか。

その人のことをどれだけ考えたか。

その人の話をどれだけ聞いたか。

その人に何を届けたいと思ったか。

そこに温もりが生まれるのだと思います。

AIを使うことで、作業にかかる時間は短くなるかもしれません。

でも、その分、人に使う時間を増やすことができる。

私は、そんなAIの使い方の方が好きです。

AIで減らしたいのは、人と向き合わなくてもできる作業の時間。

そして、その分、人にしかできないことに時間を使えるようになればいい。

そんなことを考えた出来事でした。
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