事務局長がAIエージェントに任せている業務|任せられる仕事・自分でやる仕事の線引き

事務局長がAIエージェントに任せている業務|任せられる仕事・自分でやる仕事の線引き

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IT・テクノロジー
医療法人の事務局長をしています。給与、勤怠、請求、行政への届出、採用、施設運営。事務方の仕事はだいたい全部、私のところに集まってきます。

ここ1年ほど、これらの業務のかなりの部分をAIエージェントに任せるようになりました。チャットで質問するだけの使い方ではなく、実際にファイルを読ませ、集計させ、書類まで作らせるという意味での「任せる」です。

今日は、何を任せていて、何を任せていないかを正直に書きます。


■ 任せている業務

・毎月の集計と突合
 勤怠データと給与データを突き合わせて差異を出す、複数のシステムから出したCSVを比べる、といった作業。判断基準がはっきりしていて、答え合わせができる仕事は任せやすいです。

・定型書類の作成
 雇用契約書、請求書、行政の届出様式。テンプレートと元データがあれば、あとは埋めるだけの仕事です。

・システムからのデータ取得
 電子カルテ、勤怠システム、会計ソフト。画面をひとつずつ開いてダウンロードしていた作業を、ブラウザ操作ごと任せています。毎月同じ手順を繰り返すものほど効果が出ます。

・議事録と資料の下書き
 録音から文字起こしして、要点をまとめるところまで。以前は2時間かけていたものが30分程度になりました。

・調べもの
 制度改定の内容、届出の要件、様式の入手先。ただしこれは後述の通り、確認が必須です。


■ 任せていない業務

・最終的な判断
 誰を採用するか、この経費を認めるか、この職員にどう対応するか。判断そのものは人がやるべきだと思っています。材料を揃えてもらうところまでが分担です。

・制度要件の最終確認
 診療報酬の施設基準、介護保険の加算要件。この手の話は、AIの回答が自信満々に間違っていることがあります。必ず原典(告示、疑義解釈、自治体の様式)に当たって確かめます。実際、要件の解釈を一段誤ったまま進みかけたことが何度かありました。

・人に関わる伝達
 処遇の話、注意が必要な連絡。文面の下書きは頼みますが、そのまま送ることはしません。

・確認していない書き込み
 業務システムへのデータ更新は、必ず「これを書き込みます」という一覧を出してもらってから、私が承認して実行させます。読み取りは自由に、書き込みは承認制。これは自分に課したルールです。


■ うまくいくコツ

・判断基準を言葉にする
 「按分は出勤日数が16.32日以上なら満額」のように、暗黙のルールを明文化して渡します。ここが曖昧なままだと、それらしい答えが返ってきて、しかも間違っています。

・答え合わせできる形にする
 合計が一致するか、既知の値と合うか。検算の手段を一緒に用意しておくと、任せた結果を信用できるようになります。

・完了報告を鵜呑みにしない
 「できました」と言われても、実際は主要部分だけだった、ということが起こります。仕様の項目を1つずつ照合して確認する。これは人に仕事を頼むときと同じです。

・繰り返す仕事から手をつける
 1回きりの作業に仕組みを作っても元が取れません。毎月やる、毎週やる仕事が最優先です。


■ 実感していること

いちばん変わったのは、作業時間そのものより「後回しにしていた仕事に手が届くようになった」ことです。

やったほうがいいと分かっていても、目の前の締切に押されて先送りしていた分析や整理。集計に何時間もかからなくなると、こういう仕事に着手できるようになります。事務局長として本来やるべきなのは、たぶんそっちの仕事です。

一方で、AIに任せれば全部うまくいく、という感覚にはなっていません。任せられる範囲を見極めて、確認の仕組みを用意する。その手間を含めても十分に割に合う、という程度の実感です。


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