正社員不足という世の中、何が起こっているのか？

こんにちは！

実は昨日の4/17に、とあるTwitterのトレンドに目が留まりました。

「正社員不足」という記事です。

東京商工リサーチが企業を対象にアンケート調査をし、その結果がネット記事となったわけです。特に、その不足と回答した業界は小売、サービス業などが特に不足となるポイントが高くなったそうです。しかも、それは非正規雇用が大部分を占める飲食業界だけではなく、大企業でも73％が「正社員不足」と。

…いや、待ってください。

うちの会社は派遣めちゃくちゃ入れてますよ？

と声が聞こえてきそうですね。

この調査で注目されていることは「正社員」が不足している点について。

また、正社員としての仕事を探そうと必死になっている人や、急にリストラ（まではいかなくても、病による退職など）された人もいることでしょう。今でも派遣切りというのは、普通に行われています。

コロナが明けてから、人の移動も活発になって戻りました。リモートワークも増えてきています。

しかし、その一方で、仕事を探している人は転職者も含めてたくさんいるはずなのに、どうして人手不足なのでしょう？

本稿では、その点について、解説していきます。

---

①人件費削減のために、非正規雇用を増やしてきたから

これが一番要因としては大きいでしょう。いわゆる、正社員を雇うことに消極的だったのですね。

例えば、派遣労働者で例をとってみても、派遣労働には一定の制約があります。

それが、特定の業務には派遣労働が適用できない点。

今では考えられませんが、2004年までは製造業の派遣は禁止されていました。請負業者に任せるか、正社員を育成するしか道はなかったのです。

解禁されてからは、今は工場でも、ものづくりの現場はかなりの数の派遣労働者は多いですね。

このように、非正規雇用は契約社員ではなく、派遣労働の参入によって増えるのです。

人手不足が深刻になる業界では、派遣労働が解禁される。そして、その人件費削減によって美味しい思いをした経営陣が、どんどん正社員ではなく非正規雇用を増やすという悪循環です。

だって、正社員を雇わなくてもそれで現場が回るのであれば、費用的には削減の的。

また、2021年では人手不足が深刻な医療現場で、看護師の派遣労働が解禁されたそうです。

次は、どの業界に影響するのでしょうか？

---

②即戦力を求める

第二に、即戦力です。

いつ辞めるか分からない正社員より、すでに能力があって業務遂行してくれる人がいたら、喜んで雇うというものですね。

これは、正社員でも派遣でも、同じことです。

企業からしたら、喉から手が出るほど欲しい人材ですね。

しかし、そのような優秀な人であるほど、長くは居座らないというのも悲しいですね。

先ほども言いましたが、人件費削減という観点から、

能力が高い人を雇えば、ギリギリの人数でも問題なく仕事は回していける。

要するに、優秀な人がいれば、管理職は管理をしなくても仕事が回るということです。

そして、そこに胡坐をかき、優秀な人が辞めた途端に、

もうこの人数ではやっていけないよ！という状況になるのです。

---

③要するに、現場任せの弊害である

上記を踏まえた上で、何が起こっているのか？何が原因なのか？

意外と現場に何とかしてもらおう！という会社が多いのだと思います。

私が勤めていた会社でも、かなり現場主義でした。

けれども、上層部はオフィスでのほほんと仕事をしています。

オフィスでは風通しがそこそこ良いのですが、現場は到底できないような納期で、人数でやらされます。現場の製造側の残業時間は一人あたり4時間なんて話もありました。

それも、製品の増産だけではなく、経営判断で前倒しも多々あるので、

結局は「現場のみなさん頑張ってください！」なのです。

これは良いか悪いかは、別として置いておきます。

ここで重要なのは、現場で働いている人と経営側の間に

分厚い壁があって、これは根深いものです。

もっと人を雇って！という声も、届かない。訴えても、予算の都合で却下される。

これは会社を大きくすることに関しては正解なのもしれませんが、

その積み重ねが優秀な人材が確保できないことに繋がるのです。

---

まとめ

最後にまとめますね。

正社員不足という世の中は、実態としてそうなんだろうということが、今回のアンケートで分かったことです。

しかし、それよりも重要なことは、

「働き手側が、納得しているかどうか？」だと思うのです。

コロナショックで、正社員で働いてもリストラされる事例が、

ここ数年でニュースにもなりました。

ボーナスはカットされ、給料は減り社会保険料は高くなり…

一見すると、日本は終わったかのように見えるかと思います。

私事ではございますが、正社員神話が崩れた現代、

派遣労働にも注目していただきたいのです。

派遣は会社にコミットするのではなく、業務に対して任せられる。

逆に、やりたい仕事だけど実績がない場合の、登竜門だったりするのです。

みなさんは、それでも、

正社員で働きたいと願い続けますか？？

榎本