なぜモテる？自己愛性人格障害者
記事コラム
お付き合いし始めたり
結婚し同居し始めてから
相手が自己愛性人格障害者と気付いたという話は
枚挙にいとまがありません。
それには明確な理由があります。
自己愛性人格障害者は外面を良く取り繕うという
絶対的な特徴があるからです。
■自己愛性人格障害者の恋愛
自己愛性人格障害者の恋愛は
支配隷属関係に至るのが常であり
その関係構築のために画策します。
自己愛性人格障害者は自己演出が非常に巧みです。
相手に対して異常に魅力的な自分を演出し
巧みに相手の感心を引き
惜しみなく相手のケアをします。
一般的にいうところのモテるタイプでしょう。
そして相手を自分に惹きつけたあとで
自分の都合の良いように
自分に利益が来るように
巧みに相手を動かそうとします。
『最初はとても優しかった』
『自分だけを大切にしてくれた』
被害者が口をそろえて話す言葉です。
ターゲットとの距離を詰めようとする時の行動は
非常に積極的で且つ迎合的です。
相手を称賛したり（全て演技です）
共感を示したり（全て演技です）
スペシャルなディナーに招待したり
高級車をちらつかせてドライブに誘ったり
高級ホテルや旅行に連れだしたり
過分な贈り物をしたりします。
そんな交際初期はまるで
ドラマの主人公にでもなったような演出の数々に
心を奪われてしまうのも仕方ありません。
これらの行為を『ラブボミング』と呼びます。
自己愛性人格障害者はこれを方法論と考えます。
相手を落とすためにはどう振舞えばよいのか
相手の弱点に寄り添ったように見せたらいいのか
相手が自分の手中に堕ちたと確認できるまでは
自分の本性を隠して相手に尽くします。
自己愛性人格障害者の示す共感には中身はなく
自分が利益を享受するための巧みな戦略なのです。
自己愛性人格障害者はこうして成功体験を得て
方法論を駆使して相手をマインドコントロールします。
■「手中に収めると一気に冷める」
いわゆるマッチングサイトで
手当たり次第に出会いを求める男性がいました。
既婚者で子供がいるにもかかわらず
ひっきりなしに浮気を繰り返す男性でした。
妻子がいて決まった浮気相手がいても尚
まるでゲームを楽しむかのように
新たな女性との出会いを求めて狩りを楽しむのです。
過度な自己愛を満足させるため
自分の方法論で堕とした相手を支配下に置き
利益（セックス・財・気持ち）を得るまでがセットです。
この男性にとって女性とは
公平で安定的な関係を構築する相手ではなく
自分の利益欲を満たすためのアイテムにすぎないのです。
「手に入れてしまうと途端に醒める」
と悪びれもなく話していたのが特徴的でした。
要はこの男性にとって女性との関係は
単なるラブゲームであり
成功体験を得て自己愛を満たすための
手段だったということでしょう。
これはいみじくも
『相手を人間として認識していない』
ということと同義です。
また、この男性には
ルーティーンなデート（戦略）があるのですが
ターゲットにした女性を
いつも同じレストランへ招くため
男性が連れてくる女性が変わるたび
レストランオーナーは男性を訝しげにみていました。
そんなレストランオーナーの顔色に
ターゲットの女性は気付いていましたが
男性はそんなことを気にかける様子もなく
ここは特別なレストランだと言わんばかりに
ターゲットの女性をエスコートするのでした。
ここでお分かりかと思いますが
自己愛性人格障害者は
そもそも本人の人格形成が未成熟なため
他者をひとりの人間として認識できません。
共感性の欠如が根底にあるために
『こうしたら相手はどう思うか・どう感じるか』
の想像が一切働きません。
要はアスペルガー症候群が混在しているのです。
他者理解を持とうとはせず
人と関わりは全てにおいて
自分の利益（財、セックス、気持ち）
に繋がるかどうかでしか図れません。
また、自己愛を満たす
『自惚れ』『承認欲求』
を得るための道具として利用できるか否かです。
そのためターゲットのルックスには非常に拘ります。
好みというよりは
連れて歩いて自分を引き立てる外見か否か
周りから羨ましいと思われるかどうかが重要です。
本人がブランドや高級時計に拘りを持ったり
女性の利便性は無視して
自分の好みだけを押し付けるような
服装をするよう求めるのも特徴的です。
■自己愛性人格障害との交際
自己愛性人格障害者がターゲットを
『手に入れた』=『支配を完了した』
『自分の思い通りに出来る存在と確認した』
その日を境にして
自己愛性人格障害者が相手に見せる顔は豹変します。
要は『本性を表す』ということです。
自分と他人の境界がない（分からない）ため
相手が自分の思い通りに動くことを当然だと認識し
そこから逸脱すると感情を露わにし高圧的に支配し
ひるんだ相手の罪悪感を利用しようとします。
怒りの感情による稚拙なマインドコントロールです。
前述した浮気を繰り返す男性のように
女性を『戦利品』として考えるケースなどは
基本的に『使い捨て＝ヤリ捨て』と認識しています。
相手をモノとして捉えているため
自分が飽きたら面倒になる前にポイ捨てします。
但し自己愛を埋め続ける相手を常に欲しますので
ポイ捨てする前に新たなモノを手にしています。
その一方で社会的に認められる立場＝法律婚の形を結ぶと
相手へ執着と依存を深めていくケースが多く
被害者の人生に大きな影を落とすことになります。
自己愛性人格障害者による被害者の方は総じて
『最初は優しかった』
『ある時を境に激変した』
『以降どう頑張っても傷つけられるばかりだった』
『どんなに我慢をしても変わってくれることはなかった』
皆さん涙ながらにそうおっしゃいます。
ある被害者女性はある日突然に
それまで一緒にやっていた仕事を
『面倒くさいからもうやりたくない』
『うっとうしい』
『こんなのはもう飽きた、勝手にやって』
と言われて突き放されてしまい
その理由を恐る恐る聞いてみると
LINEやSMSをブロックされてしまいました。
後から分かったことですが
冷たく突き放される前に
既に男性は新しいターゲットを
手に入れていたことが分かったのです。
■自己愛性人格障害と認識することの難しさ
自己愛性人格障害者から受けた被害者に対して
『なぜそんな人と結婚したのか』
『交際期間に見極めるべき』
と自己責任であるという主張が多く聞かれます。
しかし自分の自己愛を満たす目的を持ち
外面の良さを前面に出して近寄ってくる
自己愛性人格障害者をその段階で見極めるのは
非常に困難であると考えます。
自己愛性人格障害者は
『人を洗脳コントロールする方法』を
人生を賭けて学んできている人物です。
相手を自分に恋するように持っていくテクニックを持ち
物や金や気持ちを巧みに使ってターゲットを堕とします。
恋に落ちると人は盲目になってしまいますから
簡単に正体を知るなど無理なことなのです。
広告CMを見て商品を買う消費者と同じように
魅力的に演出する能力があるだけで
人を洗脳しコントロールしてしまうのでしょう。
そして被害者はその洗脳から受けたトラウマを抱え
ひとり苦しみ続けることになるのです。
自己愛性人格障害者はそんな被害者を見ても
罪悪感を感じることもなく
心の咎めも起きることはありません。
自己愛のみで生きている人間ですから
他者がどう思うかどう感じるかの視点に立つことはありません。
あくまで『自分がどうしたいか』
この一点のみ突き動かされている人間なのです。
自己愛性人格障害者が被害者に対してとる言動には
パワハラやモラハラ（精神的DV）が常態化していますが
身体的DVとは異なりその被害が顕在化しにくいため
損害賠償や刑事告訴など法的な訴えが難しい側面があります。
モラハラやパワハラの被害を訴えるには
それによって引き起こされたとする
精神疾患があることが大前提となります。
その辺の詳しいお話しは
対面カウンセリングでお話しさせて頂きます。
