「AIを使えば、絵が描けなくても漫画を作れる」
これは本当です。
ただし、AIに一度指示を出すだけで、読みやすい漫画が完成するわけではありません。
実際に作ってみると、主人公の顔がコマごとに変わったり、セリフが説明文のようになったり、同じ大きさのコマが並んで単調になったりします。
AI漫画で差が出るのは、使っているAIの名前よりも「どの順番で作るか」です。
この記事では、初めてAI漫画を作る人に向けて、失敗を減らす制作手順を7つに分けて紹介します。
AI漫画はどこまでAIに任せられる?
AIは、漫画制作のさまざまな工程を手伝えます。
・アイデアを考える
・ストーリーを組み立てる
・キャラクター設定を作る
・漫画の各場面を画像にする
・セリフを考える
・タイトルや紹介文を作る
ここまで見ると、全部AI任せで作れそうに感じます。
しかし、作品の目的や見せ場までAIに丸投げすると、どこかで見たような内容になりやすくなります。
「何を伝えるか」「誰に読んでほしいか」「最後にどう感じてほしいか」は人が決め、その内容を形にする部分でAIを使うのが現実的です。
初心者向け・AI漫画の作り方7ステップ
1.漫画の目的を決める
最初に決めるのは、絵柄や使用ツールではありません。
まず、何のために漫画を作るのかを決めます。
たとえば、次のような目的があります。
・SNSで読んでもらう
・商品やサービスを紹介する
・オリジナルキャラクターを育てる
・短編作品として公開する
目的が決まると、ページ数や文字量、縦横比も決めやすくなります。
初心者の場合は、登場人物を少なくして、1ページで完結する短い漫画から始めるのがおすすめです。
2.物語の始まりと終わりを決める
いきなりセリフから書き始めると、途中で話がまとまらなくなります。
まずは、次の4点だけを短く決めます。
主人公は誰か
何が起きるか
主人公がどう行動するか
最後にどうなるか
たとえば、日常系なら以下のようにまとめられます。
「雨の日、主人公が濡れた子猫を見つける。一度は通り過ぎるが、気になって戻る。最後は自分の傘を子猫に渡し、主人公だけが濡れて帰る」
この段階では、細かい構図まで考えなくても大丈夫です。
先に結末まで決めておくと、途中のコマが増えすぎません。
3.キャラクター設定を具体的にする
AI漫画で最も起きやすい問題は、同じ主人公が別人になることです。
「黒髪のかわいい女性」だけでは、AIが毎回違う人物を作ってしまいます。
最低限、次の項目を決めます。
・年齢
・顔立ち
・髪型と髪色
・目の形と色
・体格
・基本の服装
・性格
・話し方
・特徴的な小物
誰が読んでも同じ人物を想像できるくらい具体的にするのがポイントです。
服装は複雑にしすぎないほうが、別の角度やポーズでも再現しやすくなります。
4.キャラクターの設定画像を作る
設定文が完成しても、すぐ漫画の1コマ目には進みません。
先に、主人公の基準となる画像を作ります。
正面の顔、横顔、全身、よく使う表情などが確認できると、その後の制作が安定します。
ここで確認したいのは、単に「かわいいか」だけではありません。
・別の角度でも同じ髪型にできるか
・全身のバランスが自然か
・表情を変えても同じ人物に見えるか
・何ページも使い続けられる服装か
最初の設定画像が曖昧だと、後からすべてのコマを直すことになります。
この工程は省かないほうが、結果的に早く完成します。
5.物語をコマごとに分ける
次に、文章で作った物語を漫画の場面へ分けます。
各コマには役割を持たせます。
・最初のコマで場所と状況を見せる
・次のコマで出来事を起こす
・重要な表情を大きく見せる
・最後のコマで結末や余韻を残す
すべてを同じ大きさのコマにすると、読みやすくても印象が弱くなります。
驚き、笑い、悲しみなど、最も見せたい場面を大きくすると、漫画らしい強弱が生まれます。
4つの場面があるからといって、必ず4コマ漫画にする必要もありません。
作品の内容に合わせて、大きなコマ、小さなコマ、人物が枠から飛び出す表現などを使い分けます。
6.各コマの画像を1カットずつ作る
漫画全体を一度に作らせると、人物や背景を細かく修正しにくくなります。
各カットを個別に作り、最後に配置するほうが管理しやすくなります。
各コマの指示には、次の内容を入れます。
・誰が登場するか
・場所と時間帯
・人物の動作
・表情
・カメラの位置
・どこまで画面に入れるか
・光や全体の雰囲気
たとえば、「女性が驚いている」だけでは情報が足りません。
「玄関のドアを開けた女性が、その場で足を止める。目を大きく開いた驚きの表情。室内側から見た上半身の寄り。女性の視線の先は画面右下」
このように、読者に何を見せたいのかまで伝えます。
7.コマ割りと文字入れで仕上げる
画像がそろったら、編集ツールでページへ配置します。
セリフや吹き出しは、最後に人の手で入れる方法がおすすめです。
画像を作るAIに日本語まで任せると、誤字や読めない文字が入ることがあります。
仕上げでは、次の点を確認します。
・読む順番がすぐ分かるか
・スマートフォンでも文字が読めるか
・吹き出しが顔や重要な部分を隠していないか
・画像で分かる内容をセリフでも説明していないか
・最初のコマから最後までテンポよく進むか
セリフは短いほうが読みやすくなります。
説明を増やすより、表情、間、構図で伝えることを意識すると、漫画らしくなります。
キャラクターが別人になるときの改善方法
同じ人物を保てない場合は、AIを何度も変える前に制作方法を見直します。
効果が出やすい対策は以下です。
キャラクター設定を毎回変えない
基準画像を決めて使い続ける
髪型・服装・小物を固定する
絵柄の指定を途中で変えない
一度に登場させる人物を減らす
難しい角度やポーズを段階的に作る
AIが高性能でも、基準がなければ毎回違う答えを出します。
「どこを固定し、どこを変えるか」を先に分けることが重要です。
AI漫画で初心者が失敗しやすいポイント
最初から長編を作る
ページが増えるほど、人物、服装、背景、時間の流れを管理するのが難しくなります。まずは1ページを完成させましょう。
ストーリーを決める前に画像を作る
途中で話が変わると、作った画像が使えなくなります。文章の状態で結末まで確定してから画像へ進みます。
指示を毎回ゼロから作る
共通のキャラクター設定や絵柄を保存し、各コマでは動作と構図を変更します。
セリフを入れすぎる
漫画は文章を読むものではなく、絵と文字を一緒に見るものです。なくても伝わるセリフは削ります。
完成画像を拡大して確認しない
指、視線、服装、小物、背景の文字などに不自然な部分がないか確認します。
AI漫画は「ツール」より「設計」が大切
新しいAIが登場すると、どれを使えばよいか迷います。
もちろん、AIごとに得意な絵柄や機能は異なります。
しかし、ストーリー、キャラクター設定、コマ構成が曖昧なままでは、高性能なAIを使っても作品は安定しません。
AI漫画を完成させる基本は、次の順番です。
目的を決める
物語を作る
キャラクターを固定する
コマ構成を決める
画像を作る
文字を入れて仕上げる
いきなり完成画像を求めず、工程を分けることが一番の近道です。
まとめ
絵が描けない初心者でも、AIを使って漫画を作れます。
ただし、AIへ丸投げするのではなく、人が作品の目的と基準を決める必要があります。
特に重要なのは、漫画を作り始める前にキャラクター設定と基準画像を完成させることです。
最初は、主人公ひとりの1ページ完結漫画から始めてみてください。
短い作品でも、ストーリーから仕上げまで一度経験すると、次に何を改善すればよいかが見えてきます。
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