SNSやブログの文章をAIに作らせると、短時間で案を増やせます。しかし、そのまま公開を続けると、どの会社にも当てはまる文章になったり、実際の出来事と異なる内容が混ざったりすることがあります。
大切なのは、AIに一度で完璧な投稿を作らせることではありません。人が「採用した案」「直した案」「使わなかった案」を記録し、次の投稿へ生かせる状態を作ることです。
Google Cloudの生成AI向け設計資料では、マーケティング用コンテンツを公開する前に人が確認し、ブランド基準や安全面に合っているかを確かめる工程が示されています。また、公開後の反応を次の改善へつなぐ考え方も紹介されています。
地域のお店や中小企業でも、難しい仕組みから始める必要はありません。次の三つの記録を残すだけで、AI投稿を自社らしい内容へ近づけられます。
【1.そのまま使えた「採用」】
AIが作った案をほぼそのまま使えた場合は、採用として残します。
記録するのは次の項目です。
・投稿の目的
・元にした出来事や資料
・対象となる読者
・採用した文章
・公開した媒体と日付
たとえば、店舗の営業時間変更を知らせる投稿と、会社の取り組みを伝える投稿では、必要な文章の雰囲気が異なります。
採用した理由も一言残します。「短く分かりやすい」「会社の言葉遣いに合う」「写真の内容と一致している」などです。
採用例が増えると、次回AIへ渡す見本として使えます。
【2.人が直した「修正」】
AIの案を人が直した場合は、完成した文章だけでなく、どこを修正したかも記録します。
よくある修正は次のようなものです。
・事実と違う部分を直した
・大げさな表現を弱めた
・専門用語を分かりやすくした
・会社らしくない言い回しを変えた
・顧客名や未発表情報を削除した
・次の行動が分かる文章へ整えた
たとえば、AIが「多くのお客様から高い評価をいただいています」と書いても、根拠を確認できなければ使えません。「今回いただいたご意見をもとに改善しました」のように、確認できる事実へ直します。
修正前と修正後を残しておけば、「避けたい表現」と「好ましい表現」が具体的になります。
【3.使わなかった「却下」】
採用しなかった案も捨てずに、短い理由を残します。
・写真と文章が合っていない
・顧客情報を含んでいる
・未確認の内容を断定している
・以前の投稿と重複している
・会社の方針と異なる
・宣伝が強すぎる
・投稿する時期が適切でない
却下理由がなければ、次回も同じ種類の案が作られます。
「使わなかった」という結果だけでなく、「なぜ使わなかったか」をAIへ戻すことが改善につながります。
【投稿案を作る材料を決める】
AIへ何でも自由に考えさせるのではなく、投稿の材料を会社側で用意します。
・その日の予定や実施した仕事
・撮影した写真
・担当者の短い音声メモ
・公開済みの商品やサービス情報
・過去に採用した投稿例
予定表を使う場合は、予定名だけで公開してよい内容かを判断しません。顧客との打ち合わせ、未発表の案件、社員の個人予定などは投稿候補から除外します。
写真についても、人物の顔、名札、車の番号、書類、パソコン画面など、公開してはいけない情報が写っていないか人が確認します。
【三段階に分けて確認する】
投稿候補は、最初に次の三段階へ分けます。
・投稿向き
・内容を確認できれば投稿可能
・原則として投稿しない
地域イベントへの参加や公開済み商品の紹介は、投稿向きです。
顧客との仕事や社内会議は、相手の許可や公開範囲を確認できた場合だけ候補にします。
契約、見積、障害対応、個人情報を含む予定は、原則として投稿しません。
この分類を先に行えば、AIが文章を作った後に慌てて公開可否を判断する負担を減らせます。
【公開前に人が確認する項目】
AIが作った投稿は、必ず人が確認してから公開します。
・日付、場所、商品名は正しいか
・写真と文章の内容が一致しているか
・未発表情報や個人情報がないか
・誇大な表現や根拠のない数字がないか
・過去の投稿と重複していないか
・会社の考え方や言葉遣いに合っているか
外部公開はやり直しにくいため、AIへ自動で任せる範囲は投稿案の作成までにします。公開ボタンは担当者が確認後に操作します。
【反応だけで良し悪しを決めない】
公開後は、表示回数や反応数だけでなく、投稿の目的を達成したかを確認します。
採用情報なら応募ページを見てもらえたか、店舗情報なら営業時間や場所が伝わったか、商品紹介なら問い合わせにつながったかを見ます。
反応が多くても、会社の信頼を損なう内容なら成功とは言えません。数字と内容の両方を振り返ります。
【今日からできる小さな一歩】
最近作った投稿を一つ選び、次の三つを書いてみてください。
・そのまま採用した部分
・人が修正した部分と理由
・使わなかった案と理由
この記録が一件あるだけでも、次にAIへ依頼するときの具体的な見本になります。
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