先週末の相場振り返り
10月12日(月)、今週の為替相場を見ていきます。
先週末の米国株式市場は上昇して取引を終えました。
S&P500は46.18ポイント高、ナスダックは172.83ポイント高、NYダウは423.31ドル高となりました。
為替市場ではドル高・円安基調が続いており、ドル円は158円台で推移しています。
先週末は日米の3連休を控え、ユーロが一時的に買い戻される場面もありました。しかし、ニューヨーク市場の終盤には再び売りに押され、上昇幅を縮小しました。
ユーロドルは1.12ドル付近、ユーロ円は177円前後で上値の重い展開が続いています。
フランスの財政懸念を背景としたユーロ売りの流れは依然として残っており、チャート上でも明確な底打ちを確認できていません。
一方、ドル円は200日移動平均線を巡る攻防が続いています。
原油高やユーロドルの下落がドルを支える要因となっており、ドル円も底堅い値動きを維持しています。
IMMポジションでは円買いが増加!投機筋の損切りに警戒
注目したいのが、投機筋による円のポジション動向です。
10月6日時点のIMM通貨先物ポジションでは、円の買い持ちが190,368枚、売り持ちが128,043枚となりました。
差し引きでは62,325枚の円買い越しです。
前週から円買い越しが拡大しており、投機筋は再び円高方向へのポジションを積み増しています。
しかし、実際のドル円相場では円安方向への動きが続いています。
つまり、円高を予想して円を買っている投機筋の一部は、含み損を抱えている可能性があります。
ここで重要になるのが、ドル円の日足200日移動平均線です。
今週、この重要なラインを明確に上抜け、さらに上昇が続くようであれば、円買いポジションの損切りが発生する可能性があります。
円買いの損切りは、ドル円ではドル買い・円売りの動きにつながります。
そのため、**ドル円が上昇することで損切りが発生し、その損切りによってさらにドル円が上昇する**という展開も考えられます。
単純にドル高が続いているというだけでなく、投機筋のポジションが今後の値動きを加速させる可能性にも注意したいところです。
今週最大の注目は米9月CPI!10月の追加利上げを左右する重要イベント
今週の最大の注目材料は、10月14日(水)に発表される米国の9月消費者物価指数(CPI)です。
さらに15日(木)には米小売売上高や生産者物価指数(PPI)の発表も予定されています。
現在、市場の関心はFRBが10月に追加利上げを実施するのか、それとも今回は見送るのかという点に集まっています。
FRBは9月に利上げを実施しており、インフレ抑制に向けた追加引き締めの可能性が意識されています。
ただし、追加利上げの必要性と、その実施時期は別の問題です。
今回のCPIが市場予想を上回り、インフレ圧力の根強さが確認されれば、10月の追加利上げ観測が強まる可能性があります。
その場合、米金利の上昇とともにドル買いが強まり、ドル円が一段高となる展開も考えられます。
反対に、CPIが市場予想を下回り、インフレ鈍化の兆しが確認された場合には、10月の利上げ見送り観測が広がり、ドル安方向へ反応する可能性があります。
また、今週はバンコクでIMF・世界銀行年次総会が開催され、16日(金)にはウォーシュFRB議長の対談も予定されています。
経済指標の結果だけでなく、FRB議長が今後の金融政策についてどのようなメッセージを発信するのかが重要になります。
日銀と日本政府の政策メッセージにも注目
米国の金融政策がドル相場を左右する一方、日本側の金融政策も引き続き注目材料です。
現在、日本では政府と日銀の金融政策に対する姿勢について、市場が慎重に見極めている状況です。
高市政権は金融政策の具体的な判断を日銀に委ねる姿勢を示していますが、一方で政府側からは追加利上げに慎重な意見も見られます。
政府と日銀の方向性に温度差があると市場に受け取られれば、日銀の追加利上げ期待が高まりにくくなり、円高が進みにくい要因となります。
重要なのは、単に利上げを実施するかどうかだけではありません。
政府と日銀が今後の金融政策について、どれだけ一貫したメッセージを市場に伝えられるかという点です。
この部分が不透明なままであれば、円売り圧力が残る可能性があります。
ドル高トレンドは今週末から変化する可能性も
ここからのドル円相場を考えるうえで、注目したいのはドル高の継続期間です。
現在のドル高基調が強まったのは9月前半頃でした。
そこから約1か月が経過しています。
これまでのドル高は、原油価格の上昇、ユーロの下落、米国の金融引き締め観測など、複数の要因に支えられてきました。
しかし、相場のトレンドは同じ材料だけで永遠に続くわけではありません。
今週の米CPIやFRB議長の発言を通じて、10月の追加利上げが見送られるとの見方が強まれば、これまで続いてきたドル高の勢いが弱まる可能性があります。
特に、ドル高を支えていた利上げ期待が後退した場合、これまでのドル買いポジションを解消する動きが出ることも考えられます。
一方で、インフレの強さが改めて確認され、追加利上げ期待が高まる場合には、ドル高トレンドがさらに継続する可能性も十分にあります。
したがって、現時点でドル高の終わりを決めつけるのではなく、今週の重要イベントを通過した後の値動きを確認することが大切です。
まとめ|今週はドル円の方向性が変わる重要な1週間
今週の為替相場は、米国の金融政策を巡る思惑が大きな焦点となります。
ドル円は200日移動平均線を明確に上抜けて上昇を加速させるのか、それとも米国の利上げ期待の後退によってドル高が一服するのか。
特に注目したいのは、**10月14日の米CPIと16日のウォーシュFRB議長の発言**です。
また、IMMポジションでは円買い越しが拡大しており、ドル円が上昇した場合には投機筋の損切りが相場を押し上げる可能性があります。
短期的にはドル円の底堅さが目立っていますが、今週後半から週末にかけてドル高トレンドに変化が出てくる可能性も意識しておきたいところです。
重要イベントの結果を先回りして予想するのではなく、発表後に市場がどのように反応するのかを冷静に確認していきたいと思います。
今週も慎重に相場を見ていきましょう。