スーパーの棚に、今年最初の梨が並んでいました。青みの残る幸水を一つだけ買って、冷蔵庫でひと晩冷やす。翌日の夜、皮を剥くと、指先まで冷たい果汁が伝ってきました。
この冷やした梨の一切れには、恋愛の深い真実が宿っています。
こんにちは、神楽 玄斗(かぐら げんと)です。
初物には、昔から不思議な力があると言われてきました。その年に初めて口にするものは、これから始まる季節の性質を、先に教えてくれるのだそうです。梨は、桃のように香りで自分を主張しません。切っても匂いは立たない。口に入れて、噛んで、そこでようやく、隠していた水分をすべて差し出してきます。
彼も、たぶんそういう人です。
外側からは、何を考えているのか読めない。言葉数は多くないし、感情を先に見せることもしない。だからあなたは、彼の一言をひとつずつ拾い集めて、あとから何度も並べ替えては、意味を探しているのだと思います。今日のあの返信は素っ気なかったのか、それとも疲れていただけなのか。答え合わせのできない問いを、ひとりで抱えたまま夜が更けていく。
そして厄介なことに、こういう人を好きになると、自分のほうが悪いような気がしてきます。もっと待てる女性なら。もっと軽く受け流せる性格なら。そうやって、彼の無口を自分の欠点に翻訳してしまう。けれど読み取れないのは、あなたの理解力の問題ではありません。彼が、まだ差し出していないだけです。
その内側で彼が何を抱えているのか、霊視でならはっきり視えます。彼の言葉の下にあるものを、一度視させてください。
けれど、覚えておいてほしいことがあります。梨の甘さは、外からは絶対に見えません。皮の上からいくら眺めても、色でも形でも判断がつかない。それでも中には、こぼれるほどの果汁が詰まっています。
この記事を書きながら、視えた情景があります。仕事を終えた男性が、コンビニの前で立ち止まっています。缶コーヒーを買おうとして、ふと隣の棚に目を止める。あなたが好きだと言っていたもの。それを手に取って、少し迷って、結局は棚に戻しました。「今さら渡す理由がない」。彼はそう自分に言い聞かせています。
想いがないのではありません。想いを差し出す口実を、彼はずっと探しあぐねているのです。不器用な人ほど、渡し方がわからないだけで、気持ちの量は多い。彼の沈黙は、空っぽの箱ではなく、蓋の重い箱でした。
その蓋の内側を、私が代わりに視てきます。
八月の終わりの果物売り場には、桃と梨が並んで置かれています。夏のものと秋のものが、数日だけ肩を並べる時期です。今のあなたと彼も、たぶんその棚に似ています。夏の距離のままではいられないけれど、秋の形もまだ決まっていない。
初物の梨をひとりで食べる夜は、少し寂しいかもしれません。それでも、その冷たさをちゃんと味わえたあなたは、彼の内側の甘さにも、いつか必ず届きます。急いで皮を剥く必要はありません。頃合いというものが、恋にもあります。
彼が言葉にしない想い、私が代わりに視てきます。
あなたの恋愛が前向きになるように、お手伝いさせていただきます。
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