幸福を呼ぶ癒しの居所

世にパワースポットというものがある

山に行けば自身の心も高みへと昇り

海に行けば潮風で清められる

神社やお寺が演出する空間は

人工的に作られた小宇宙であり

エネジーの発電所となっている

日頃 私達はストレスに

晒され生きている

スマホの普及により

24時間 頭の中まで

疲労に晒され続けている

目に見えない負のエネジーに

首まで どっぷり漬かって

しまっていることに

ほとほと慣れてしまい

不調を好調と錯覚して

生きているのである

そのせつない嘘を

パワースポットは

洗い出してくれる

まとまった時間が

捻出できなければ

大自然に触れ合う機会など

作れない現実があるが

パワースポットは

意外に身近に存在している

都会の公園の林の木漏れ日の中

そこを抜けるように吹く

風の通り道

萎びてしまったが

まだ営業を続ける

駄菓子屋の門構え

駅を出てすぐのスクランブル交差点の

信号待ちで聞いた

時を超えて届くような

バスのクラクションの音

夕暮れ時に姿を現す

あなたの部屋の軒先の

光りのなかに滞留する

オーブの煌めき

確かなエナジーが

そこにある

その気運に気づき

感じとらえること

なぜなら その力の芽吹きは

素早く通り過ぎてしまう

あなたの感性のチャンネルの

上スレスレを

肌を滑るように

磁器を帯びながら

触れるか触れないかの

オブラートの距離感で

通り過ぎて行く

次の瞬間

何事もなかったように

揮発しているのである

自身の霊格を磨き損ねた自分は

ただストレス社会の真っただ中に

成す術もなく

立ちつくしている

のではないだろうか

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