友人との食事で、何を食べたいか聞かれたとき。
「何でもいいよ」
そう答えたけれど、本当は食べたいものがあった。
誰かから頼みごとをされたとき。
本当は忙しくて余裕がないのに、断れずに引き受けてしまった。
会話の中で、相手と違う意見を持っていても、なんとなく言い出せずに話を合わせてしまう。
そんな経験はありませんか?
その場では特に問題も起きず、相手との関係も穏やかに保たれる。
でも、一人になったとき、どっと疲れを感じてしまうことがあります。
今回は、そんな
✓「相手に合わせすぎて疲れる」ということ
について、考えてみたいと思います。
✦ 相手に合わせることは、悪いことではない
人に合わせること自体は、悪いことではありません。
相手の気持ちを想像したり、
その場の状況を考えたり、
自分とは違う意見を受け入れたり。
それは、人間関係を築くうえで大切な力です。
自分の希望を通すより、相手の希望を優先したいと思うこともあるでしょう。
ただ、ここで考えたいのは、
自分で選んで相手に合わせているのか?
それとも、合わせる以外の選択肢を持てなくなっているのか?
という違いです。
例えば、
自分は和食が食べたいけれど、相手が洋食を希望している。
「今日は相手の希望に合わせよう」
と思って洋食を選ぶなら、それは自分の意思による選択です。
一方で、
本当は和食が食べたいと思っていても、「和食がいい」と伝えること自体に抵抗を感じる場合もあります。
相手が嫌な顔をするかもしれない。
わがままだと思われるかもしれない。
そんな気持ちが先に浮かび、自分の希望を伝えることを避けてしまう。
同じ「相手に合わせる」という行動でも、その背景にある気持ちは違うことがあります。
✦ なぜ、自分の希望を伝えにくいのか
相手に合わせすぎてしまう理由は、人によってさまざまです。
相手に嫌われたり、関係が悪くなったりすることへの不安があるのかもしれません。
意見が食い違うこと自体に、強いストレスを感じるのかもしれません。
「自分が我慢すれば丸く収まる」
「相手をがっかりさせてはいけない」
そんな考え方が、いつの間にか当たり前になっている場合もあるでしょう。
また、必ずしも不安が理由とは限りません。
周囲の人の希望や感情に意識が向きやすく、自分の気持ちを確認することが後回しになっている可能性もあります。
長い間、人に合わせることを優先してきた結果、いざ
「あなたはどうしたい?」
と聞かれても、自分の希望がすぐには浮かばなくなっていることもあるかもしれません。
相手に合わせることに疲れてしまうと、
「こんな自分を変えなきゃ」
と感じるかもしれません。
でも、本当に大切なのは、
相手に合わせてしまう自分を変えようとする前に、
「なぜ自分は、その場面で相手に合わせることを選んだのか?」
を振り返ってみることだと思うのです。
✦ ホロスコープで考える、人との関わり方
西洋占星術では、ホロスコープを通して、その人の対人関係の傾向や、心が安心を感じやすい条件などを読み解いていきます。
例えば、
金星は、人との調和や好み、心地よさなどに関わる象徴として扱われます。
月は、感情の反応や安心感を得るために求めやすいものなどを表します。
また、天体が位置するハウスや、ほかの天体とのアスペクトなどからも、人との関わり方についてさまざまな解釈ができます。
周囲との調和を求める傾向と、自分の意思を表現したい傾向が、同じホロスコープの中に見られる場合もあります。
そうした配置を手がかりに、
「人と仲良くしたい気持ち」と「自分の希望を大切にしたい気持ち」の間で葛藤が生じやすいのではないか?
と考えることもできます。
ただ、特定の天体配置があるから人に合わせすぎる、というわけではありません。
ホロスコープだけで、その人の実際の行動や気持ちが分かるわけでもありません。
それでも、
自分の中にある異なる欲求や、無意識に繰り返している反応を考えるための、ひとつの視点に気付くきっかけになることがあります。
✦ 疲れの原因は、「合わせたこと」だけではないかもしれない
人に合わせたあとに疲れを感じると、
「もっと自己主張できるようにならなければ」
と考えることがあるかもしれません。
でも、必ずしも自己主張ができないことだけが問題とは限りません。
例えば、本当は断りたかった頼みごとを引き受けたとします。
その後、頼まれた作業をすること自体に負担を感じることもあるでしょう。
けれど、それに加えて、
「どうして断れなかったんだろう」
「また自分ばかり我慢している」
そんなふうに、自分の選択を後悔したり、自分自身に不満を感じたりすることもあるかもしれません。
反対に、相手の希望に合わせたことを、自分でも納得できていれば、同じ行動でも感じ方が違ったりします。
つまり、
人に合わせることで疲れる背景には、相手への気遣いや実際の負担だけでなく、
自分の気持ちと行動が一致していないことへの葛藤
が関わっている可能性もあると思うのです。
✦ 「合わせない」ではなく、「選べる」ようになる
では、どうすればよいのでしょうか。
私は、相手に合わせることをやめる必要はないと思います。
自分の希望を伝えられるようになるより大切なのは、
自分がどうしたいのかを知ったうえで、相手に合わせるかどうかを選べることだと思うからです。
そのためには、まず小さな場面から、自分の気持ちを確かめてみるのもひとつの方法です。
「本当は何を食べたい?」
「この頼みごとを引き受けたい?」
「相手と違う意見を持っていることを、どう感じている?」
こんなふうに。
すぐに自分の希望を伝えられなくても構いません。
まずは、自分の中にどんな気持ちがあったのかを知る。
そして、
相手に合わせることを選んだのなら、その理由も振り返ってみる。
そうした小さな積み重ねが、自分の選択肢を増やしていくことにつながるのではないでしょうか。
人に合わせることができるのは、ひとつの大切な力です。
その力を、自分の気持ちを押し込めるためだけに使うのではなく、自分が望む人間関係を築くためにも使えるようになったら。
人との関わり方は、少しずつ変わっていくかもしれません。
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