31点収支計画セットは既存事業者の増設・多角化検討に使える?比較できる範囲と注意点

31点収支計画セットは既存事業者の増設・多角化検討に使える?比較できる範囲と注意点

記事
ビジネス・マーケティング
既存の障害福祉サービスを運営している法人では、次の事業を検討する場面があります。

「今のグループホームをもう1棟増やすか」「別のサービスにも展開するか」。こうした候補を検討するときに必要なのは、売上見込みの大きさだけではありません。人員、初期投資、固定費、資金繰りを、同じ条件で見比べる作業も必要になります。

複数サービスの書式が入った「31点収支計画セット」は、こうした検討にどこまで使えるのでしょうか。この記事では、公開中の商品説明で確認できる内容と、購入前に見本で確かめたい機能を分けたうえで、既存事業者が使うときの手順を整理します。

1.結論|「候補別の収支試算」と「法人全体の自動連結」は別


結論から言うと、31点セットは、掲載されている複数サービスの収支・資金計画書式を参照しながら、候補ごとの計画を考える材料になります。

ただし、サービス別のExcelで3年間の収支を試算することと、既存事業の実績を取り込んで新事業を法人全体に自動合算することは、別です。

増設・多角化の検討では、次の順に分けて考えると整理しやすくなります。

・候補となるサービス・住居モデルの書式を選ぶ
・各候補に、自社の利用・人員・費用・資金条件を入力する
・候補ごとの出力を、同じ基準で横並びにする
・既存事業との重複費用や資金負担を、別途確認する
・必要な自動連結・予実機能が商品にあるかを、見本で確かめる

「事業別に収支を試算できる」と「法人全体まで自動で集計できる」は、分けて確認しましょう。

2.31点セットの標準内容|対象事業とExcel・PDFを先に確認


商品ページでは、次の10事業について、3年間の収支・資金計画Excel書式と記入例が案内されています。

・就労継続支援A型
・就労継続支援B型
・就労移行支援
・グループホーム(介護サービス包括型:単棟・5棟モデル)
・グループホーム(日中サービス支援型:1棟モデル)
・生活介護
・放課後等デイサービス
・児童発達支援
・児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型
・短期入所

このほか、標準内容には事業計画書のPDF見本も含まれますが、短期入所は対象外です。編集可能なPowerPointとグラフの元データは別途有料オプションで、短期入所はこちらの対象にも含まれません。

「31点」は、31種類の事業に対応するという意味ではありません。まずは、実際の対象事業・モデル、納品物、オプションを確認してください。

単品テンプレとのファイル形式の違いや選び分けは、別記事「障害福祉の単品テンプレと31点収支計画セットは何が違う?」で整理しています。この記事では、増設・多角化での使い方に絞って説明します。

3.「増設」と「多角化」は、比較する前提が異なる


同じサービスを別の拠点で始める場合と、異なるサービスを追加する場合とでは、比べるべき項目が変わります。

■ 同じサービスの増設

たとえばグループホームを追加する場合は、新しい住居の定員、入居までの時期、家賃、夜間を含む支援体制、職員採用、初期費用などを確認します。商品ページには介護サービス包括型の単棟・5棟モデル等が掲載されていますが、任意の棟数・類型の集計にそのまま対応するかどうかは、見本で確認してください。

■ 別サービスへの多角化

たとえば既存のB型事業所が、生活介護など別サービスの開設も検討する場合は、利用者の想定、必要な職種・設備、利用日数、報酬構造などが変わります。複数の書式を見比べることはできますが、同一法人だからといって、人員や設備の共用が当然に認められるわけではありません。

どちらの場合も、Excelに数字を入れる前に、事業モデルや指定基準などの前提を別途確認しておく必要があります。

4.購入後の使い方①|事業別モデルに自社の条件を入れる


31点セットの商品説明では、定員・地域単価・平均利用日数、主な加算、職員の勤務時間・給与と雇用開始月、家賃等の経費、初期費用、借入条件などを設定し、3年間の収支・資金計画を計算する仕組みが案内されています。

増設・多角化の検討に使う場合は、次の順で前提条件をそろえておくと実務的です。

1.候補のサービスと、書式に掲載されたモデルが一致するか確認する
2.開設時期・利用者数・稼働率・利用日数の見込みを置く
3.職種・雇用開始時期・給与等の採用条件を整理する
4.家賃・車両・システム・その他経費を入力する
5.初期投資・自己資金・借入条件を設定し、月次の資金繰りを確認する

ここで入力する数字は、自社の経営計画上の仮定です。商品に公的な「推奨稼働率」や「利益保証」が含まれているという意味ではありません。

また、入力できる細かさや、複数パターンを同時に保存・自動比較できるかどうかは、実際のExcel見本で確認してください。

5.購入後の使い方②|候補を同じ6つの軸で見比べる


候補ごとの収支計画を作ったら、検討する側で比較表を用意すると判断しやすくなります。次の6項目を横に並べて比べる方法です。

・利用の立ち上がり:利用者確保に要する期間や稼働の下振れ
・人員:新たな採用人数、採用開始月、既存職員への負荷
・初期投資:改修・備品・設備・車両等の支出
・毎月の収支:売上・人件費・家賃等の固定費・利益
・資金繰り:入金時期、借入返済、資金不足が最大となる月
・運営条件:指定・設備・管理体制など、別途確認すべき事項

ここでいう「横並び比較」には、書式の数字を検討者が集計・転記して比べる方法も含みます。31点セットに比較専用画面や自動ランキング機能が付属するという意味ではありません。

事業ごとの収益性だけでなく、資金がいつ、いくら必要になるかも確認しましょう。利益が出る計画でも、開設前に資金が不足する可能性はあります。

図表1.png


6.既存事業との接続|人材・共通費・資金を二重計上しない


既存法人が新しい事業を始めるときは、新事業単体の収支が黒字になるかどうかだけでは十分ではありません。

既存の本部、事務員、車両、システム、管理者、物件などを共用する計画であれば、「本当に共有できるか」「追加費用はいくらか」「どの事業に費用を配分するか」を分けて確認します。

たとえば、本部人件費を既存事業と新事業の両方に全額入れると、法人全体の費用が二重になることがあります。反対に、共有できると考えて費用を入れなければ、採用や運営の負荷を過小評価するおそれがあります。

実務上は、次の三つを分けて集計する方法が考えられます。

・既存事業で既に負担している費用
・新事業によって追加で発生する費用
・両事業が共有し、合理的な基準で配分する費用

7.法人合算・月次予実管理|公開説明では確認できない範囲


既存事業者が特に誤解しやすいのは、3年間の収支計画を作れることと、日々の運営管理に使える機能があることを、同じだと考えてしまう点です。

商品ページで案内されているのは、主に事業別の収支・資金計画書式と、その設定項目です。一方、次のような詳細機能の有無は、公開説明だけでは判断できません。

・異なるサービスの月次損益を、法人全体へ自動で連結する
・既存事業の会計実績や請求実績を自動で取り込む
・複数事業の共通人件費・家賃・管理費を自動で配賦する
・計画と実績の差異を月次で自動集計する
・複数拠点の資金繰りをまとめたダッシュボードを表示する

機能が明記されていないからといって、「存在しない」という意味ではありません。ただし、必要な機能として購入する場合は、見本での確認が欠かせません。

法人全体の会計集計や予実管理が必要な場合は、書式の内容を確認したうえで、自社の既存管理表や別の集計方法とどう接続するかを考える必要があります。

8.見本で確認したい7つの質問


見本を依頼するときは、検討している事業と希望する使い方を伝えると、自社に合うかどうかを確認しやすくなります。

1.検討中のサービスやGHの住居モデルは、標準収録物のどれに対応しますか。
2.候補ごとに開設月・定員・利用者・職員・初期費用を変更し、3年間の収支と資金計画を確認できますか。
3.異なるサービスのExcelは、それぞれ独立した書式ですか。横断比較や法人連結を行う機能はありますか。
4.複数拠点の共通職員・本部費用等を、自動で配分・集計できますか。
5.既存事業の月次実績を取り込み、計画との差異を管理する機能はありますか。
6.新事業を加えたとき、法人全体の資金残高や借入返済を自動集計できますか。
7.購入後に必要なファイル形式は、標準内容に含まれますか。PowerPointが必要な場合や、短期入所を検討する場合の対象範囲はどうなりますか。

これは商品の実装済み機能の一覧ではなく、必要な機能を確かめるための質問例です。自社に不要な項目まで求める必要はありません。

9.まとめ|比較材料として使い、追加の管理機能は見本で確かめる

31点収支計画セットには、複数の障害福祉サービスについて、3年間の収支・資金計画を検討するためのExcel書式と記入例が用意されています。既存事業者が増設・多角化の候補を考える際にも、検討材料の一つになり得ます。

一方で、候補の比較表、既存事業との法人合算、共通費配賦、月次予実管理などをどこまで自動で扱えるかは、商品ページだけでは確定できません。

まずは、自社で検討したいサービスと、必要な入力・計算・出力を整理し、そのうえで見本と照合してください。31点セットの見本をご希望の場合は、商品ページから「見本希望」とメッセージをお送りください。その際、増設か多角化か、対象サービス、法人合算・予実管理など特に確かめたい点を添えていただくと、より具体的に相談できます。



サービス数100万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す