〈データを分析していくと、足元の労働市場では人手不足の深刻化や賃金上昇の動きが広がっていることがわかる。さらに、それは2010年代半ば頃から顕在(けん ざい)化していることがわかる。
これには日本銀行による大規模金融緩和や政府の財政出動が影響している可能性が高い。しかし、それだけではないだろう。現在の経済の変化について、一時的な政策効果と構造的な変化とを峻別することは難しいが、その根本には人口減少や高齢化といった人口動態の変化があるはずだ。
これまでのデフレーションの時代において、企業が最も警戒してきたのは需要不足の深刻化であった。つまり、人口減少によって国内市場が縮小すれば、将来、企業間で顧客を奪い合うことになるのではないかという懸念が企業の間にあった。
しかし、いざふたを開けてみると、多くの地域や業種で需要不足が深刻化する展開にはならなかった。
そうではなく、近年判明してきたのは、人口減少と少子高齢化が引き起こす経済現象の正体は、むしろ医療・介護などを中心にサービス需要が豊富にあるにもかかわらず、それを提供する人手が足りなくなるという供給面の制約だったのである。
現状経済に起きている変化は、景気変動に伴う一過性の現象だけではなく、構造的なものである可能性が高い。
年金も介護も、当然医療も破断する
すべて破壊されて都会の金持ちや米国西海岸で医療を受けられる人しか
人間は残らない