リフォームの見積書を見ていると、必ずと言っていいほど出てくるのが「一式」という書き方です。
私はリフォーム会社で営業から現場管理までを一人でやっていて、自分でもこの見積書を作る側にいます。今日は「ユニットバス設置工事 一式」の中身を、包み隠さず書き出してみます。
■ 「一式」の中には7つの作業が入っています
1. 既存の浴室を解体する
2. 出た廃材を運び出して処分する
3. ユニットバス本体の品物代
4. 組立の前に、位置を出すための現地調査
5. ユニットバスの組立費用
6. 給排水などをつなぐ作業代と部材代
7. 設置後に、枠まわりを補修して仕上げる
いかがでしょうか。「本体代と工事代でしょ」と思っていた方も多いのではないでしょうか。実際には、これだけの作業が一行にまとめられています。
■ いちばん揉めるのは7番です
経験上、トラブルになりやすいのが最後の「枠まわりの補修と仕上げ」です。
ユニットバスを設置すると、壁との取り合い部分に隙間や段差が出ます。ここをきれいに納めるには、大工工事やクロスの補修が必要になることがあります。ところが、この工程が見積もりから抜けていることが珍しくありません。
工事が終わってから「ここは別料金です」と言われる。金額としては大きくないこともありますが、心情としては納得しづらいですよね。
■ 4番の存在も、あまり知られていません
組立の前に現地を確認して、位置を出す作業があります。これをやらずに進めると、搬入経路が足りなかった、給排水の位置が合わなかった、といったことが後から出てきます。
安い見積もりの中には、この工程が省かれているものもあります。安さの理由が「その分の手間を省いている」ことだった、というのは実際にある話です。
■ 「一式」が悪いわけではありません
誤解のないように書いておきます。「一式」という書き方そのものが悪質なわけではありません。項目が多すぎて見積書が読みづらくなるため、まとめて書くのは業界の慣習でもあります。私自身も使います。
問題なのは、中身を聞いても答えが返ってこないときです。
■ 聞き方を一つだけ
もし気になったら、業者さんにこう聞いてみてください。
「この一式の内訳、ざっくりで構わないので教えてもらえますか」
責める必要はありません。この一言で、きちんと説明してくれる会社かどうかが分かります。まともな業者であれば、嫌がらずに答えてくれるはずです。
逆に「そういうものです」で終わらせようとする場合は、少し慎重になったほうがいいかもしれません。
■ おわりに
リフォームは金額が大きいわりに、比較する材料が少ない買い物です。だからこそ、中身が見えるだけで判断しやすくなります。
この記事が、契約前の判断材料になれば嬉しいです。他の工事の「一式」についても、また書いていきます。