売上が増えればマーケティングは成功?
広告を増やした。
問い合わせが増えた。
新規顧客も増えた。
売上も前年比120%になった。
一見すると、マーケティングは成功しているように見えます。
しかし、広告費や営業コストが大幅に増えていたらどうでしょうか。
100万円の利益を生む顧客を獲得するために、150万円を使っていたとしたら、顧客が増えるほど収益性は悪化します。
そこで重要になるのが、
CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)
という指標です。
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CACとは
CACとは、
新しい顧客を1人、または1社獲得するために、平均していくらのコストがかかったのか
を示す指標です。
基本的な考え方は非常にシンプルです。
CAC = 顧客獲得にかかった費用 ÷ 新規獲得顧客数
例えば、
ある期間にマーケティングや営業活動へ100万円を使い、新規顧客を20社獲得したとします。
100万円 ÷ 20社 = 5万円
この場合、
CACは1社あたり5万円
となります。
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CACには何の費用を含めるのか
CACを計算するときに注意したいのが、
「どこまでを顧客獲得コストに含めるか」
です。
例えば、
- Web広告費
- 展示会出展費
- SEO・コンテンツ制作費
- 営業担当者の人件費
- マーケティング担当者の人件費
- 営業支援ツール
- MA・CRMなどのシステム費
- 外注費
などが考えられます。
広告費だけを見て、
「1件5,000円で顧客を獲得できた」
と判断しても、実際には営業担当者が何度も訪問しているかもしれません。
重要なのは、
顧客を獲得するまでに企業全体でどれだけコストを使ったか
という視点です。
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CACとCPAの違い
CACと混同されやすい指標に、
CPA(Cost Per Acquisition/Action)
があります。
CPAは主に、
「問い合わせ1件」
「資料請求1件」
「会員登録1件」
など、特定の成果を1件獲得するためのコストを見る指標です。
一方、CACは、
最終的に顧客を獲得するまでにかかったコスト
を考えます。
例えば、
広告費100万円
↓
問い合わせ100件
↓
商談30件
↓
新規顧客10社
だったとします。
問い合わせを成果地点とした場合、
CPAは、
100万円 ÷ 100件 = 1万円
です。
しかし、広告費だけで単純計算した顧客獲得コストは、
100万円 ÷ 10社 = 10万円
となります。
さらに営業人件費などを含めれば、実際のCACはもっと高くなる可能性があります。
つまり、
問い合わせを安く獲得できているからといって、効率よく顧客を獲得できているとは限らない
のです。
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CACだけを見てはいけない
CACが低ければ低いほど良い。
そう考えてしまいがちですが、必ずしもそうではありません。
例えば、
A社
CAC:1万円
顧客から得られる利益:2万円
B社
CAC:10万円
顧客から得られる利益:100万円
CACだけを見るとA社の方が優秀に見えます。
しかし、顧客から長期的に得られる価値まで考えると、B社の方が高い収益性を持っています。
そこで重要になるのが、
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)
です。
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CACとLTVの関係
LTVとは、
1人または1社の顧客が取引期間全体を通じて企業にもたらす価値
を表す指標です。
マーケティングでは、
「顧客を獲得するためにいくら使ったか」=CAC
と、
「その顧客からどれだけ価値を得られるか」=LTV
をセットで考えることが重要です。
例えば、
CACが5万円でも、
LTVが50万円なら、
十分な投資余地があるかもしれません。
一方、
CACが5万円で、
LTVが3万円なら、
顧客を増やすほど収益性が悪化する可能性があります。
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LTV/CACという考え方
マーケティングの収益性を見るときには、
LTV ÷ CAC
という比率も使われます。
例えば、
LTV:30万円
CAC:10万円
なら、
LTV/CAC=3
です。
これは、
「顧客獲得に1円使い、それに対して3円分の顧客価値を得ている」
というイメージです。
ただし、適正な比率は業界やビジネスモデル、LTVの算定方法によって異なります。
単純に「○倍なら必ず成功」と判断するのではなく、自社の利益構造や回収期間まで含めて評価する必要があります。
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BtoB企業こそCACを見るべき理由
CACはWebサービスやECだけの指標ではありません。
BtoBマーケティングでも非常に重要です。
例えば産業機器メーカーが新規顧客1社を獲得するまでに、
展示会
↓
問い合わせ
↓
営業訪問
↓
テスト機貸出
↓
技術打ち合わせ
↓
見積もり
↓
受注
というプロセスがあったとします。
この間には、
広告費だけでなく、
営業担当者、技術担当者、商品企画担当者など、多くの人の時間とコストが投入されています。
にもかかわらず、
「展示会から10件受注できた」
だけで評価してしまうと、本当の収益性は分かりません。
その10件を獲得するために、いくら使ったのか。
ここまで考えることが重要です。
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チャネル別にCACを見る
CACは全社平均だけでなく、
顧客獲得チャネル別
に見ると、より実践的になります。
例えば、
展示会
CAC:30万円
Web問い合わせ
CAC:8万円
紹介
CAC:3万円
セミナー
CAC:12万円
といった形です。
すると、
「どのチャネルへマーケティング予算を配分すべきか」
を考えやすくなります。
ただし、CACだけで判断してはいけません。
展示会経由の顧客は大型案件が多くLTVが高い一方、Web経由は小規模案件が中心という可能性もあります。
そのため、
チャネル別CAC × LTV
で評価することが重要です。
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CACを改善する5つの方法
① ターゲットを明確にする
誰にでも広告や営業を行うと、顧客獲得効率は低下します。
STPなどを活用し、
「誰を顧客にするのか」
を明確にしましょう。
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② コンバージョン率を改善する
同じ100件の問い合わせでも、
5件しか受注できない場合と、
20件受注できる場合では、
CACは大きく変わります。
問い合わせ数だけでなく、
商談化率や受注率
を見ることが重要です。
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③ 顧客獲得チャネルを比較する
広告、SNS、SEO、展示会、紹介、セミナーなど、
チャネルごとのCACを比較します。
費用対効果の高いチャネルへ投資を集中させることで、CACを改善できます。
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④ 営業プロセスを効率化する
見込みの低い顧客へ営業担当者が多くの時間を使うと、CACは上昇します。
リードスコアリングなどを活用し、
受注可能性の高い顧客を優先することも有効です。
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⑤ 既存顧客からの紹介を増やす
顧客からの紹介は、比較的低いコストで質の高い見込み顧客を獲得できる場合があります。
顧客満足度を高めることは、
LTV向上だけでなく、
CAC低下にもつながる可能性があります。
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よくある失敗
広告費だけでCACを計算する
営業人件費やマーケティング部門のコストを無視すると、実際よりCACが低く見えてしまいます。
何を含めるのか、社内で定義を統一することが重要です。
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全顧客を平均してしまう
大型顧客と小型顧客では、
獲得コストもLTVも大きく異なります。
顧客セグメントやチャネル別に分析すると、より正確な意思決定ができます。
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CACを下げること自体が目的になる
最も重要なのは、
CACを最小化することではありません。
利益を生み出す顧客を、持続可能なコストで獲得すること
です。
CACが高くなっても、それ以上にLTVが高まるのであれば、合理的な投資になる可能性があります。
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まとめ
CAC(顧客獲得コスト)とは、
新しい顧客を1人または1社獲得するために、どれだけのコストを使ったのかを示す指標
です。
重要なポイントは次の3つです。
- 広告費だけでなく、顧客獲得に必要なコスト全体を見る
- CAC単独ではなくLTVとセットで評価する
- チャネルや顧客セグメント別に分析して投資配分を改善する
マーケティングでは、
「何件問い合わせが来たか」
「売上がいくら増えたか」
だけを追いかけがちです。
しかし、本当に重要なのは、
「いくら使って顧客を獲得し、その顧客からどれだけの価値を生み出せたのか」
です。
CACとLTVをセットで見ることで、
マーケティングを単なる「集客活動」から、
利益を生み出すための投資活動
として捉えられるようになります。
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要約
CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)とは、新規顧客を1人または1社獲得するために必要となったマーケティング費用や営業費用などのコストを示す指標です。CACだけで良し悪しを判断するのではなく、顧客が長期的にもたらす価値であるLTVと組み合わせて評価することが重要です。さらに広告、展示会、Web、紹介などチャネル別にCACを分析することで、効果的なマーケティング予算配分や営業効率の改善につなげられます。
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