あなたは「D型」です。~このお話はフィクションです?~
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新しい保険証を受け取り、
首をかしげる。
名前、生年月日、性別‥血液型…
酒型?
うっすらと、
一カ月くらい前に、
妻がテレビを見ながら
「へぇ~。サケガタねぇ。面白いじゃん。」
とつぶやくのを聞いて、
「川によって違うんじゃない?」
と答えたら、
何故か爆笑されたのだけは覚えている。
「サケ違いかよ…っ。」
心のなかで苦笑しながら、
健康診断で遺伝子検査を受けたことを思い出す。
めちゃくちゃ巨乳の検査技師さんが、
説明もなく、血を抜き取っていた。
いや、何か喋っていたけど、
聞いてなかった(笑)
そもそも、意識は全て視覚に集中していた。
直後に上司から、
「聞こえているのか?明日の手術は…、おーい…。おっぱい!!!!!」
「っつ!…痛くないです!」
検査技師ドン引き。という
切ない記憶までヨミガエリ。
アホな思い出をしまい込み、
酒型を改めて眺める。
「D型」
ただ、そう書かれている。
初回表記なんだから、
説明位あるでしょうと一緒に配られたパンフレットを眺める。
QRコード発見。
「…残念。」
3日に一回は携帯を忘れる自分を恨む。
「今日は忘年会だし、気になるじゃん。」
同僚の医師♀2人と、看護師長♀、理学療法士♂。
飲み会の二次会は必ずこの組み合わせ。
妻は薬剤師で、
旦那の周りに女性ばかりなのは医療現場では当然。と
勇猛果敢な振る舞いをミセル。
どうせ携帯も忘れて、
緊急呼び出し用のPHSしかもってないんでしょう?
頭の中で反響する妻の声を振り払い、
お気に入りのBARの扉を開ける。
クラフトビール300種類。
WINE常時15種類以上。
日本酒常時15銘柄以上。
ウイスキーは今日はスコッチの日らしい。
真っ先に、巨乳が目に飛び込む。
どこかで見た父。いや乳。
脳内のボケで苦笑するのは、日常。
「この間はお世話になりました」
この間の検査技師さん。
どうして医療関係者は、
好みの場所が、かぶるのだろう。
妻をナンパしたのも、
このBARだ。。。
テーブル席の端に座ると、
カウンターにいる検査技師さんと、
話しやすい距離だ。
唯一の未婚男性、理学療法士の彼は、
医者♀二人に挟まれ、顔を赤くしている。
酔ってるのか?
「羨ましいの?」
と、おつぼね看護師長に言われ、
「僕には検査技師さんがいますからっ!!」
と、カウンターに向かってほほ笑む。
「既婚者なのは知ってますけど…(笑)、
どちらかというより胸ですよね…(怒)」
と返され、苦笑する。
「何型だったんですか?酒型。もしかしてD?」
そいえばそんなことがあった。
「たしか…、D型でしたね!なんでわかるんですか?」
むっつりした検査技師が、
「テレビとかでやってますけど。
本当に他人の病院のこと以外興味ないんですね。」
「D型は顔が赤くなりやすいんですよ!
あと、気持ち悪くなりやすいとか、頭痛とか。」
確かに、昔から飲んだら真っ赤。
すぐ気持ち悪くなる。
続けざまに語る検査技師。
「A型はアルコール依存症になりやすいタイプ。
気持ちがいい時間が長いんですって。」
「B型は酔う時間がほぼなし。酒豪タイプ」
「C型は飲めると思って体を壊すタイプ」
「E型は飲むと死ぬ。というか飲めないタイプです」
「病院職なんだから、これから覚えないとだめですよ!!」
おっぱいが揺れる…
じゃなかった、
「了解しました!!!」
大きな声で変死、じゃなかった返事。
苦笑。
「何笑ってんの?さすがに難しい話?」
医師♀1号のカットイン。
酔っぱらってきた。
呪文が聞こえる。
「エタノールを分解する肝臓の能力と、
アセトアルデヒドを分解する酵素のタイプを
かけ合わせて、AからEに分類してるのよ。」
「Aは日本人の3%、Bが40%、Cが3%、
Dは40%、Eが4%だったかな?あたしはB~!」
「さっすが、ドクター✨その通りです!」
検査技師が煽る。
「今回、保険証にこの記載が追加になったのは、
アルコールハラスメント、アルハラを予防するためです!」
「あらかじめ、飲めないとわかっている人に、
勧めてはだめですよ~って、科学的に言ってるんです!」
なるほど。
難しい話はさっぱりだ(笑)
看護師長がおもむろに、
「病院の責任ある立場なんですから、
理解して、人材育成にあたってください。」
「もちろん、セクハラもだめですよ。」
重い乳、もとい、重い言葉が目覚めを告げる(笑)
また苦笑。
脳内だから周りの人は気持ち悪いだろう。
そんな私は、
事務局長です!!!!!!
*このお話はフィクションです?