なんでだろう。
楽しいこともあったはずなのに、ふとした瞬間に思い出すのは、誰かに言われたイヤな一言とか、失敗して恥ずかしかったことばかり。
「あのとき、あんなこと言わなきゃよかったな」とか「なんであんな対応をしてしまったんだろう…」なんて、眠る前に思い出してモヤモヤすること、ありませんか?
でもね、それって実はあなただけじゃないんです。
人間の脳って、そもそもネガティブなことを覚えやすいようにできているんですって。
ちょっと驚きますよね。でも、これにはちゃんとした理由があるんです。
昔むかし、私たちのご先祖様がまだ狩りをして暮らしていた頃の話。
その時代は、ちょっとした油断が命取りになるような毎日だったんです。
たとえば、「この森の奥には怖い動物がいた」
「この赤い実を食べたらお腹が痛くなった」
そういう“イヤだったこと”や“危険だったこと”をしっかり覚えておかないと、生き延びることができなかったんですね。
だから私たちの脳は、「不快だったこと」「怖かったこと」「悲しかったこと」など、命に関わるような“ネガティブ情報”に対して、すごく敏感で記憶に残りやすいように進化してきたのです。
つまり、ネガティブな記憶が頭から離れないのは、私たちが生き延びるために備わった“防衛本能”のひとつとも言えるんです。
でも、現代の私たちは毎日命の危機にさらされているわけではありませんよね。
なのに、ちょっとした失敗や誰かの言葉で、心がズキンと痛んで、何日も引きずってしまう…。
「なんでこんなに気にしちゃうんだろう」って、自分を責めたりしていませんか?
でもね、それも全部「人間らしさ」なんです。
敏感に感じ取れるあなたの心は、とっても優しくて、周りを思いやれる証拠。
そして、「もうこんな思いをしたくない」っていうあなたの脳が、あなたを守ろうとしてくれているだけなんです。
もちろん、過去の失敗や傷ついた記憶に囚われすぎてしまうと、前に進むのがつらくなってしまうこともありますよね。
そんなときは、「これは脳のクセなんだ」って、そっと自分に言ってあげてください。
そして、できれば楽しかったこと、うれしかったこと、小さな成功も、意識的に思い出してあげてください。
「今日のランチ美味しかったな」とか、「あのとき友達が笑ってくれたな」とか、ほんの些細なことで大丈夫。
ポジティブな記憶は、意識して何度も思い出すことで、だんだん心にしっかり根づいていきます。
ネガティブな感情は、あなたが“ちゃんと生きている”証拠。
だから、それを無理に消そうとしなくてもいいんです。
でも、そんな感情とうまく付き合いながら、少しずつ“心がほっとする瞬間”を積み重ねていけたら素敵ですよね。
がんばっているあなたへ。
今日もちゃんと、生きていてえらいです。
ネガティブな気持ちに振り回される日も、そんな自分をそっと抱きしめて、また一歩、歩いていきましょうね。