新しい人生の幕開け…29

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療育センターに着いた。

色々日頃の生活などを聞かれたりして、その日は終わった。次の診察の日に
「診断テスト」というものをするらしい。

息子は終始、何事もなく居たためあまり先生からハッキリとわかるようなことはなかったからかもしれないが
「男の子は女の子より発育が遅いですからね」などと言われてしまった…。

お子さんをお持ちの方なら一度は経験があると思うが、家では熱を出してグッタリしていたのに「病院に着くと元気になる」、あの現象ですね。

片道1時間もかけて診察にきたのに診察はたった5分くらいだった。
子供には丁寧かと思っていたが…。

やっと家に帰ってきたころにはもう夕飯の時間だった。

その頃旦那はまた「無職」になっていたが、さすがにこの数か月でいろんな体験をしたのだと思う。
高校卒業してから、少し地元の会社にいたようだが、「大型免許」を取ってからずっと「長距離運転手」だったらしいので、今まで見下していた仕事にも何も言わなくなった。
だからといって「家事」などができる人ではないため、ひたすらハローワーク通いをしていた。

そんなある日、「やっぱり俺、長距離に戻るわ、悪いけど」と言った。

まぁ…いろんな経験もしたし、これから子供が産まれるしな…。私も仕事できないし…。
と思って「うん、わかったよ」
と言った。
そして私が続けて
「この子が産まれるときには立ち会えるように会社に話してちょうだいね、それだけ」と言った。
私は、もう旦那もいるのにお産の時「一人でいる」というのがとても怖いというか寂しかった…だからそれだけはしてほしかった。
旦那は「それはする!出産が近くなったら地元周りさせてもらうようにする」と言ってくれた。
本当にその言葉は安心した。

そして、旦那は面接の予約をしに行く、といい、その日は寝てしまった。
私のお腹が大きくなっても、上の子供たちを「お風呂」に入れてくれることはあまりなかった。

それでもまだ予定日までには1か月くらい日にちがあった。

その間、私はベビー用品を買いに行ったり、家事をしていた。

旦那は面接に行ったらしく、どうやら「県外」の会社で採用が決まったとのこと。
トラックは家の近くのなにも使われていない広場に置かせてもらえるよう、お願に行ったりしていた。

そうして、トントン拍子に色々「地盤」が固まってきた。

たまにRさんが遊びに来てくれたりしたが、本当に順調だった。
妊婦と言えども、今まで働いていたのでジッとしていられるわけもなく…
今まで手が届かなかった家事や庭の雑草などを抜いたりして過ごした。

旦那の両親からはあれからなんの音沙汰もなく、出産の時どうするんだろうと思っていたが私からは何も連絡もしなかった。
旦那もなにも言ってこない。

そうして忙しい日々を送っていた。

それでも産まれてくる子供は私も最初こそ、悩んだが胎動や上の子供たちをみていると幸せな気分だった。

今までのような「辛い出産」だけはもう経験したくないし、しなくてもいい環境を作ってくれる旦那にも本当に感謝していた。

不器用ではあるけど、約束は守ってくれる人だ。
ちゃんと謝れるし、今では挨拶もできるようになった。
そして、第一なるべく私に寄り添ってくれている感じがした。

毎日「美味しい」と全部ご飯を食べてくれる。
それだけでも私は本当に嬉しかった。

私はこのまま…
「順調に暮らしていける」と信じて疑わなかった。
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