慌ただしく日常が過ぎていった…。
Rさんはたまに連絡くるくらいで、アパートにはあまりこなくなった。
けれど、電話では「娘をいつ引き取るのか」などと聞いてきたりした。
引っ越しもようやくひと段落が着き、保育園に入園の面談や色々聞いてこなくてはいけない。
仕事をしながら地元と秋田市内を行き来するのは大変だったが、今一時のことだ。
そして、市役所の人などとも「引き取りの時期」の話を明確にしなければならない。市役所、児童相談所の人も「居住の確保ができたこと、入園できる保育園があること、そして私に仕事があること、今の交際相手と婚約状態にあること」などからすんなりokを出してくれた。
そして、次は児童養護施設…。
私は軽い足取りで施設に向かった。
施設に着くと、部屋に通された。
施設の人は
「こんなに短い期間で引き取る人はいませんよ!」と半ば機嫌を悪くしていたが、そんなことは私には関係ない。
私は「〇月〇日に引き取りに伺いますのでそれまでお願いします」とだけいい、少し娘に会っていくことにした。
そして、娘が面会部屋にきて、いつものように抱き合った。
「今日はね、嬉しい報告があるんだよ!あのね!もうすぐ一緒に住めることになったんだよ!」
というと、娘はとっても嬉しそうに泣いた。
私たちは抱き合って泣いた。
こんなに心が温かくなったことがあっただろうか…。
面会時間ずっと泣いていた。
面会が終わる時間になったが、今までよりも清々しい気分になった。