ENOMARUAL 第9回:民主制の負の側面と「同調圧力」に迎合する罠

ENOMARUAL 第9回:民主制の負の側面と「同調圧力」に迎合する罠

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スマホを開けば、「相手をメロメロにするLINE術」「絶対モテるアプローチ」というインフルエンサーの言葉や恋愛マニュアルがあふれている。

私たちは「自分の頭で考えて選んだ」と思い込みながら、そのキャッチーな処方箋を疑いもせず手に入れてしまっています。

しかし、実はその構図は2500年前の古代アテネから一ミリも進化していません。

1.貴族政治から民主政治へ
紀元前のアテネは、貴族の支配を打ち破り、世界初の直接民主制という「究極の平等」を手に入れました。

当時の市民たちの日常は、朝から晩まで「民会」と呼ばれる広場に集まり、国家の重大事から個人の処遇までを自分たちの言葉で議論し、投票で決めるというライフスタイルでした。

ここでは誰もが当事者であり、自由な社会だったはず。

しかし、そこで何が起きていたことは想像したような理想からはかけ離れいました。

全員参加の平等な社会だからこそ、政治家たちは大衆の票を得るために
「耳障りの良い言葉」を競って叫ぶようになりました。

これが大衆扇動者、すなわち「デマゴーグ」の誕生となります。

2.大衆扇動と同調心理
ここで一つの疑問。

賢いインテリ層なら、そんな露骨な人気取りや大衆迎合の嘘に見抜けるのではないでしょうか?

しかし、現実は残酷です。

知的なエリート層は「自分は客観的データと合理性に基づいてこの選択をした」という高いプライド(高度な合理化)のもとで、無意識にその場のトレンドや空気に便乗していきます。

一方で、そうでない層は「自分は専門知識がないから、みんなが正しいと言っている方に従うのが安全だ」という素直な同調心理のもとで同じ方向に流されます。

アプローチは違えど、行き着く先は完全に同じ。
ステータスや知性の違いなど、群集の熱狂の前では何の盾にもならなかったのです。

再び、あなたの日常に目を向けてみましょう。

「有名企業に勤めているから」「世間一般でいうモテる条件を満たしているから」「SNSで多くのインフルエンサーがいいと言っているから」──。

あなたが毎日なんとなく選び、安心しているその基準は、本当にあなたの生身の感覚で選んだものだろうか。

2500年前のアテネ市民がデマゴーグの演説に熱狂したのと同じ構造で、現代のSNSや市場が作り出した「耳障りの良い正解(デマゴーグ)」に、知らず知らずのうちに迎合させられているわけではない。と言い切れるでしょうか?

次はこれを「経済とお金の市場」という巨大な群集心理の舞台へとスライドさせてみます。

※歴史の雑学:

私たちが普段何気なく使っている「デマ(嘘やデタラメ)」という言葉。その語源を辿ると、古代アテネの「デマゴーグ」に行き着くようです。

古代ギリシャ語で「民衆」を意味する「デモス」と、「導く」を意味する言葉が合わさった「デマゴーグ」は、もともとは「民衆を導く指導者」という意味でした。しかし大衆の機嫌を取るために耳障りの良い言葉や都合の良い嘘で人々を扇動する政治家が続出したことから、この言葉は「大衆を惑わす扇動者」という意味へと変わっていったそうです。

あれ、これって
SNSで人々を熱狂させ、不安を煽る現代のインフルエンサーやトレンドの構造も、言葉のルーツからして2500年前の古代アテネと何ひとつ変わっていないのでは。
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