(312日目)手間暇をかければ料理は美味しくなる。それと同じ。

記事
コラム
すぐ過ぎ去るであろう秋の気候を満喫しながら、この季節は美味いものが多いよなーと思いに耽る。

そんな旬の食材を一手間二手間かければさらに美味しくなるから、食欲は失せずメタボリックまっしぐらになっちまうわけで。

さてさて、本題。

料理も仕事も同じことだと思うのです。
手間暇かければかけるほど、仕事にも「良い味」が出せるのではないでしょうか。

とは言っても、手間をかけても結果の変わらない仕事に時間を取るのはナンセンス。力点の置き所が間違っているのです。

手間暇をかけるべきは、手間をかけることで結果に変化をもたらす仕事に集中すべきですよね〜。そうでないと意味がありません。

作業仕事は分けて考えなければなりません。

単調なものや、誰でもできる(できなければならない・同じ結果を出す必要がある)ものは、いわゆる作業です。ここは徹底的に合理化しなければ無駄を生みますし、生産性がなくなる一方です。

かたや仕事とは、自分の取り組み一つで結果が変わるものや、携わる人によって異なる結果(程度も含めて)を生み出すものを言います。


ちなみに私は採用という仕事を行うために、それ以外の仕事は徹底的に合理化してきました。そのためにプログラミングを習得したり、無駄と思うプロセスを削減するように所属部署の理解を得て変化を促してきました。

このように取り組みをすると浮いた時間が生まれます。この浮いた時間を「仕事」にどう活かすかが真価の問われるところですし、仕事をする醍醐味とも言えます。

先ほど書いたように採用担当をしているんですが、総務という部署に居たので雑多な仕事も多いわけです。社員の勤怠管理や健康診断、イベントで使う物品の手配や季節ごとの催事の段取りとか・・・。

こういったものは全て作業と言えます。誰がやっても同じ結果にならなければならないわけですから。そこにどれだけ真面目に取り組んで心血注いだところでただの無駄です。組織にとってもメリットはありませんし、自分の成長にも繋がりません。

それらの作業にかける時間をいかに減らし、自分が仕事をするための環境を整えるか…これこそ仕事で求められるスキルではないでしょうか。

先ほど書いた作業を合理化したら、1ヶ月あたりで30時間程度の余力を生み出せました。作業の効率が良くなっただけでなく、誰かに作業を引き継ぐときの時間もかけずに済みます。(そのようにできる環境を整えれば)

生み出した時間はほぼ全てを採用の仕事に割り当てました。

そうすることで、イベントを企画して熟考する時間も取れますし、エントリーしてくれた相手とのコミュニケーションにも時間を割けます。会社説明もいつでも行える余裕を生み出すこともできました。

特にエントリーしてくれた相手とのコミュニケーションは、時間が確保されなければ対応できません。そして相手を深く理解して対応しなければ満足を提供することもできないでしょう。

手間暇をかけたコミュニケーション

これこそが自分が取り組んだ姿勢で結果が変わる仕事の一つとも言えます。
そして時間を確保し、丁寧なコミュニケーションを表した仕事があるので紹介します。

私は就活する大学生に向けて会社説明を行っていますが、その参加特典としてES添削をしています(希望制)。エントリーシートに不安を抱える学生をサポートするものですが、他の企業や個人でもされているところがあるので特段珍しいものでもありません。

しかし、私は徹底的に「相手が気付き・理解し・体得する」ことをモットーにして対応しています。

希望者には事前にESの下書きを提出してもらいます。併せて「どの項目を見て欲しくて、どこに不安を感じアドバイスして欲しいと思っているのか?」を確認しておきます。そして受け取ったESを元に添削をしておきます。

そしてオンラインや直接会って添削をしますが、先ほど用意した添削したものはまだ出しません。まずは会話しながら相手を知ることに集中します。会話から相手の動機や深層心理を探りつつ、良い面・悪い面を把握していきます。

その上で、『なぜこう書いたか』『あなたの思っている事を正しく言語化できているか』『他の表現方法は考えられないか』を質問しながら、相手に気づいてもらえるアプローチを重ねていきます。

そこまでやって初めて、私が添削した内容を見せます。

なぜこんな面倒なプロセスをしているか、それにも理由があります。添削を希望するタイプの学生には2つあると考えています。一つ目は自分で考えたものが客観的にどう見られているか確かめたいタイプ。二つ目は書き方が分からずネットなどで調べたはいいものの合っているか自信が持てないタイプです。

特に二つ目のタイプは、ある意味素直な子が多いです。言われたことをそのままやってしまうんです。だから添削したものを初めに見せてしまうと『これでいいんだ』となってしまって、自分で考えることを止めてしまいます。

だからこそ会話を通じて自分で考え抜くための時間を持ってもらっています。考え抜いた後に見せたら、添削された意味を理解して自分ならどう書くか?に考えが変わります。そうすることでESだけじゃなく普段の生活においても活かせる知識・経験になるわけです。

ここまで手間をかける必要があるのか?

他の人から見れば『そこまで手間をかけなくても?』と思われるかもしれません。1企業の採用活動ですから自社に興味を持ってくれたらそれでいいとも思います。しかし、その時間でどれだけの価値を提供できるか?が私にとっては重要だと思っています。

正直言うと自分の会社のためだけにこの時間を設けている感覚がありません。
会話した相手にとって、どの場面でも有効利用できて自分をアップデートできる場にしてあげたいという気持ちが強いです。

だからこそ、一見無駄と思えることにも時間をかけています。もちろんここまで手間をかけたからと言って、全員が自分の会社に来てくれるわけでもありません。しかし、ここで体験したことは脳に記憶され、長い期間思い出として残る事でしょう。それが会社への好印象となり、いずれお客様として戻ってくることも考えられます。

良い思い出は、時間を置くほどに熟成され、旨味を増す。

手間暇をかけた結果は、いずれ自分に返ってくる。そんな感じです。
そんな仕事にこそ、やりがいや醍醐味が詰まっていると思います。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す