ワイ「毎日忙しいですか?」
助手「猫の手も借りたいほどだよ。」
ワイ「はい、どうぞ。」
助手「なめんなよ。」
ワイ「なめ猫ですね。懐かしい。」
助手「本当に忙しいの。」
ワイ「忙しいという人ほど、その改善に努力しない傾向があります。」
助手「喧嘩売ってる?」
ワイ「そういうわけではないですが、傾向を分析したまでです。」
助手「だって忙しいんだから仕方ないじゃない。」
ワイ「では伺いますけど、その忙しい原因は分かってますか?」
助手「それは仕事量が多いからに決まってるじゃん。」
ワイ「仕事量を減らしてもらえるように上司を説得できますか?」
助手「無理。『仕事多すぎです』って言っても人の話聞かないしね。」
ワイ「それだけですか?」
助手「どういうことよ?」
ワイ「客観的な事実は説明しないのかな?と思いまして。」
助手「私が忙しいって言ってるのが客観的事実よ!」
ワイ「具体的に自分が処理できる仕事量を示して、仕事量がオーバーフローしていることを誰が聞いても分かるようにできませんか?」
助手「いやよ。そんな面倒くさいこと。」
ワイ「では次に、その仕事量を減らすことは可能ですか?」
助手「誰かが助けてくれればね。」
ワイ「具体的に何人必要ですか?」
助手「二人くらいかな?」
ワイ「その根拠を説明してもらえます?」
助手「何よ根拠って?人が増えれば楽になるのは明らかじゃん。」
ワイ「それじゃ説得できないでしょ。その仕事に何時間が必要なのかは情報がないと。」
助手「さっきから喧嘩売ってない?」
ワイ「仕事が多くて困ってるんですよね?だから私が正しい説明の道筋を考えてあげてるんですよ。」
助手「とにかくやらなきゃだから、作業がどの程度で終わるかなんて考えてないよ。」
ワイ「そんなことだから人を説得できないんですよ。客観的事実の積上げがあれば訴えが正しいことが明らかです。」
助手「そんなこと言われても。」
ワイ「自分の感想で終わるような話では他人を説得できるわけ無い。」
助手「ぐぬぬ。」
ワイ「まぁいいでしょう。ちなみにどんな仕事で忙しいと感じます?」
助手「Excelのリストがあるんだけど、それを別のExcelにコピペする作業が多いの。」
ワイ「コピペ得意でしょ。」
助手「卒論も他人のコピペだったからね。ってバラさないで。」
ワイ「自分で勝手にバラしたんじゃないですか。」
助手「量が膨大だから1時間くらいかかるのよ。」
ワイ「そんなのプログラム作ったら手作業いらないですよ。」
助手「プログラミングなんてしたことないよ。」
ワイ「けれどボタン一つでサクッと終わりますよ。1時間の作業も数秒で終わるでしょう。」
助手「どうすりゃいいのよ?」
ワイ「勉強してください。1年もやればそれなりのモノができますし、楽になりますから。」
助手「勉強が面倒くさい。」
ワイ「そんなんだからいつまで経っても忙しいスパイラルから逃れられないんですよ。自ら改善しなければ。」
助手「知識もないのに無理に決まってるじゃん。」
ワイ「ネットに転がってる情報を引用しながら作っていけば嫌でも覚えられますよ。」
助手「それでも。」
ワイ「決めつける前にやってみる。この考え方は大切ですよ。」
助手「アナタに諭されると腹立つわ。」
ワイ「それが無理ならできる人に頼むとか外注もできますし、方法はいくらでも考えられます。」
助手「お金がかかることは無理だよ」
ワイ「そのお金をかけた以上に、あなたの仕事が生産性を高められるのであれば充分元を取れますよね?」
助手「?」
ワイ「自分が行う仕事のコストや、生み出すパフォーマンスを数値化して相手を説得すれば根拠のある説明になるでしょ。」
助手「確かにそうだけど。」
ワイ「このように順序立てて考えるのがプログラム思考です。解決方法を複数考えて順番に現実的な方法を検討してみる。」
助手「そのように思考して解決に近づけるってことか。」
ワイ「そうすれば猫の手は必要なくなります。」
助手「なるほどね。」
ワイ「まぁお忙しいようなので、良ければ手を貸しますよ。」
助手「大丈夫。アナタの手を借りるくらいなら猫の方が役に立つから。」